メルマガ(メールマガジン)とは、企業や個人が登録者(顧客や見込み客)に向けて一斉に送るメールのことです。デジタルマーケティングの手法として、長年活用されています。
メルマガには、テキスト形式のシンプルな形式と、画像やデザインを取り入れたHTML形式の2種類があります。メールアドレスがあれば、PC・スマートフォンを問わず直接情報を届けられるため、多くの企業や個人が手軽に活用しています。
近年、インバウンド需要の拡大により、メルマガを使って訪日外国人と継続的にコミュニケーションを取り、ブランド認知の向上やリピーター獲得につなげるケースが増えています。
本記事では、メルマガの配信方法、配信時の注意点、メリットについて詳しく解説します。
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メルマガとは:ユーザーに直接情報を配信するマーケティング手法
メルマガとは、発信者が購読者に対してメールで情報を発信する有効なマーケティング手段です。
まずは、メルマガとは何か、テキスト形式とHTML形式の違いなど基本の情報を解説していきます。
そもそもメルマガとは?
メルマガとは「メールマガジン」の略称で、企業などの発信者が購読を希望するユーザーに対して電子メールで一斉に発信するものです。マーケティング手法の一つで、発信者が知らせたい情報を好きなタイミングで配信できます。イギリスの調査会社であるAdestra社が発表したデータによると、オフラインとオンラインを含む数あるマーケティング手法の中でメールマーケティングは最も費用対効果が高いものとされています。
メルマガを配信する目的
メルマガを配信する目的は主に3つあります。1. 情報を発信するため
メルマガの基本的な役割は、ターゲットに向けて価値ある情報を発信することです。
自社の商品やサービスを利用及び購入してもらうために告知や事例、キャンペーンのお知らせなどを発信し、購入のきっかけを作ります。
発信する情報の例としては、下記が挙げられます。
- 新商品や新サービスの紹介
- イベント・セミナーの告知
- 業界ニュースやトレンド情報
- 読者に役立つコンテンツ
- お得なキャンペーン情報
読者に役立つコンテンツを定期的に届けることで、顧客との接点を維持し、信頼関係を築くことができます。
2. 商品やサービスの認知度を高めるため
メルマガは、新商品・新サービスの情報を広め、認知度を向上させるための効果的な手段です。特に、ターゲット層に直接アプローチできるため、SNSや広告よりもパーソナライズされた情報提供が可能です。たとえば、以下のような活用例が考えられます。
- 新商品の特長や開発ストーリーを紹介
- 実際の使用例や顧客のレビューを共有
- 商品の利用シーンを具体的に伝えるコンテンツ配信
競合との差別化ポイントを明確に伝えられ、サービスへの関心を高められるでしょう。
3. 販売を促進するため
メルマガは、情報提供だけでなく、直接的な販売促進にも活用できるツールです。すでに自社商品やサービスを利用している既存顧客に対し、他の商品や新商品を購入してもらったり、新サービスを利用してもらったりする目的もあります。
特に、限定セールやクーポン配布、期間限定キャンペーンと組み合わせることで、直接的な行動(購入・来店)を促せるため、売上アップが期待できます。販売促進につながる配信例として、以下のようなものがあります。
- 「メルマガ会員限定クーポン」を提供
- 期間限定の割引情報を配信
- 人気商品のランキングやおすすめ商品を紹介
これらは、顧客一人あたりがその生涯で企業に対しもたらす顧客生涯価値(LTV、LifeTimeValue)を高めることでもあります。顧客の企業に対する愛着を強める効果も期待できます。
ECサイトへの直接リンクを設置し、すぐに購入できる環境を整備することが大切です。
メルマガの2つの形式
メルマガには、テキスト形式とHTML形式の2種類があります。それぞれの特性を理解し、配信目的やターゲットに応じて適切な形式を選ぶことが重要です。テキスト形式のメルマガ
テキスト形式は普段使用しているメールと同じく文字のみで構成されたシンプルなメールです。容量が軽く専門的な知識がなくても作成することが可能です。
すべてのデバイス(PC・スマホ・タブレット)で問題なく表示でき、迷惑メールフィルターに引っかかりにくいという特徴があります。
メリット
- 開封率が高い(シンプルなため迷惑メール判定を受けにくい)
- 読みやすい(余計なデザインがなく、内容に集中しやすい)
- 作成が簡単(特別なデザインスキルが不要)
デメリット
- 視覚的に訴えかけるのが難しい(画像や動画を使えない)
- クリック率が低くなりがち(デザイン性がないため、視覚的に魅力を伝えにくい)
BtoB向けの情報提供(業界ニュース、専門的な情報)やシンプルな商品・サービスの案内に向いているでしょう。
HTML形式のメルマガ
HTML形式は画像や装飾、ボタンリンクなどを含むデザイン性の高いメールです。まるでWebページのような見た目になり、ブランドイメージを視覚的に訴求できます。
リンクボタンを設置できるため、クリック率を向上させやすく、開封率を調べられることも特徴です。
メリット
- 視覚的にインパクトがある(デザインを活かし、訴求力を強化)
- クリック率が高い(CTAボタンを設置し、誘導しやすい)
- ブランディングに有効(ロゴ・カラーを活用し、ブランドの世界観を表現)
デメリット
- 表示環境によってデザインが崩れる可能性がある(一部のメールソフトで正しく表示されないことがある)
- 迷惑メールフィルターに引っかかりやすい(画像や装飾が多いと、スパム判定されやすい)
- 作成コストがかかる(デザイン・HTMLコーディングの知識が必要)
視覚的なインパクトを重視したキャンペーン案内や、ECサイトのセール・プロモーションなどの活用が考えられます。
メルマガの3つのメリット
メルマガには、メルマガならではのメリットがあります。低コストでユーザーに配信できたり、ユーザーの興味関心に沿った配信によって行動を起こしてもらえたりなど、多くのメリットがあります。
1. 低コストで顧客にアピール可能
メルマガはパソコンが1台あれば配信可能なため、郵送費や人件費のかかるダイレクトメールと比べてもコストを抑えることができます。
メール配信システムも無料で利用できるものや低価格なものが多数存在しています。有料サービスを利用しても、大量に送信することで1件あたりの経費も安く済みます。そのため、広告費と比べてもコストがかかりません。
2. プッシュ型の販売促進で、顧客の潜在的需要を掘り起こせる
マーケティングの手法にはプッシュ型とプル型というものがあります。メルマガはプッシュ型に該当します。プッシュ型のマーケティングでは、商品やサービスを提供する企業や個人が、見込み顧客に対し商品やサービスの価値についてアピールしていくものです。
消費者が自身の潜在的欲求に気付いていなくとも、メルマガの内容から購買意欲をかきたてられたり、商品の必要性に気付いたりする機会となります。また商品について理解を深めることで必要だと気づく場合もあるでしょう。
一方プル型は、消費者自身が自分に必要と考える物事や情報について、消費者が能動的に行動することで、自社の情報に気付いてもらえるような取り組みを指します。各種広告やSNSアカウントの運営などはこれに入ります。
3. ターゲットを絞り、狙いたい層へアピール可能
メルマガはあらゆる基準で購読者を分類し、ターゲットを絞って配信できます。
読者登録の際に年齢、職業、性別の回答欄を儲けることで、特定のニーズを持つ層へアピールが可能となります。特定の層にのみ配信することで開封率やクリック率が向上する場合もあります。
メルマガの配信方法3選
メルマガを配信するには、いくつかの方法があります。予算や目的、使用しているツールごとに合わせた方法があります。
1. ExcelとOutlookを使う
メルマガの配信方法の1つにマイクロソフトのExcelとOutlookを使用して配信する方法があります。Excelで宛先を作成し、Outlookのメーラーで作成したHTML形式のメールに情報を反映させます。こちらは知識とスキルが必要となり、ExcelとOutlookを連携させるためにExcelVBAで必要なコードを書く必要があります。
2. Google Apps Scriptを使う
次にGoogle Apps Scriptを使用する方法です。この方法ではGoogle スプレッドシートとGoogle ドキュメントを使用しGmailで配信できます。メルマガの本文をドキュメントで作成し、送信データをスプレッドシートに記録します。
初心者でも設定は簡単ですが、メール送信数の上限が設けられており1日2,000通までしか送ることができません。
3. メール配信ツールを使う
現在多数のメール配信ツールがリリースされており、無料で利用できるものや有料のものが存在します。メール配信ツールは知識や技術がなくても簡単にメルマガを管理できることが大きな利点となります。送信数が多い場合に向いており、細かい配信ターゲティングや分析も行うことができます。
メルマガ配信の注意点
メルマガを配信では注意すべき点があります。作成についての2つの注意点、配信についての1つの注意点について解説します。1. 読みたくなるような件名を考える
まず、メルマガを読んでもらうためにはタイトルの付け方が最も重要になります。2019年12月に行われたMail Marketing Laboによる「メールマガジンに関する意識調査2020」では、メルマガを読むかどうかの判断は「件名で読むか読まないか判断する」と回答した人が42.2%と最も多い結果となりました。
そのため、読者の興味関心に訴求した件名の検討が必要になります。例えば、読者に関係や需要のある内容だと想起させるようなものや、独自性のあるもの、一目で理解できる件名を付けることが大切です。
また、長すぎる件名は省略されてしまうケースもあるため30文字程度、スマホユーザーを意識するなら15文字程度を推奨します。
2. 内容もシンプルに
メルマガの内容は、できるだけシンプルかつわかりやすい内容にすることがポイントです。購読者にとって読みやすいものでないと、継続して開封してもらえなくなってしまいます。
基本的には1つのメールには1つのコンテンツのみ発信することを意識して、テーマを絞ったものを配信することで購読者の理解も深まります。
わかりやすい内容であれば、読者に途中離脱される可能性も低くなります。
3. 特定電子メール法に気を付ける
メルマガを配信する際には「特定電子メール法」を遵守しなければなりません。こちらは迷惑メールを取り締まる法律で、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」を略したものです。営利に繋げる営業メールが対象となり、主に下記のルールがありますので、メルマガ配信する前に確認しておくと安心です。まず、メール受信の同意を得たユーザー以外への送信は禁止です。相手がメールの受信を希望する意志を表示していない場合は営利目的のメールを送ることはできません。
次に、メール受信を拒否した人(配信停止をした人)へ配信をしてはいけません。配信解除の表明があった場合は速やかに配信を止めましょう。
最後に、送信者情報を偽ることも禁止です。発信元に架空のメールアドレスを書いて送信すると罰則もありますので、注意が必要です。
魅力的なメルマガ配信で、顧客にダイレクトにアピールを
メルマガではタイトルをシンプルに、かつ内容は1通のメールに対して1つの内容で配信するなど、少しの工夫で多くの対象者にアピールが可能になります。
基本的なルールや法律を守れば簡単に配信することができるので、マーケティングの際に取り入れてみるとよいでしょう。
<参照>
Adestra:2019 Email Marketing Industry Census
Mail Marketing Lab:メールマガジンに関する意識調査2024
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