次期「観光立国推進基本計画」はどうなる?観光庁・分科会委員が審議開始

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4月25日、交通政策審議会観光分科会(第49回)が開催されました。令和7年(2025年)版の「観光白書」と、次期2026年以降の「観光立国推進基本計画」の内容について議論する会となっています。

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観光白書、今年のテーマは「日本人の国内旅行の活性化」

観光白書には、例年「世界の観光の動向」「日本の観光の動向」「テーマ章(個別のテーマについて論じる章)」「前年度に講じた施策」「今年度に講じようとする施策」が掲載されています。このうち「テーマ章」において、今年は「日本人の国内旅行の活性化に向けて」をテーマとする案が観光庁から提出されました。

観光庁観光戦略課長 河田敦弥氏は、インバウンド需要が好調な一方、日本人の国内宿泊者数は昨年と比較して微減になってしまっていると指摘。宿泊旅行は回復しているものの、出張需要や日帰り旅行需要の回復が鈍いことや、70代以上の高齢者の旅行回数が減っていることを要因として挙げています。

ただし旅行単価が高くなったため消費額は過去最高となっており、今も国内旅行消費額の7割が日本人の国内旅行です。市場としての影響力が大きいのもさることながら、今後は人口減少・少子高齢化が進むことが予見されているため、国内交流の拡大にこれまで以上に取り組む必要があるとしています。

分科会に参加した委員は、「今、インバウンドが盛り上がる中で日本人の国内旅行をテーマとするのは意外だが、非常に意義深いのではないか」といった感想を述べました。

観光立国推進基本計画の改定について

続いて、2025年度が最終年度となっている「観光立国推進基本計画」の改定について議論されました。

石破首相は第5次観光立国推進基本計画の策定について、

  1. 2030年訪日客数6,000万人・消費額15兆円の高み、地方創生2.0のために必要な施策を盛り込むこと
  2. 2025年度末までに策定すること

の2つを指示しています。観光庁はこの指示に合わせる形で、新たな計画を2026年3月までに閣議決定したい考えです。

河田氏は、計画の策定にあたり考慮すべき主な内容として、インバウンドの偏在傾向や人手不足オーバーツーリズムなどを挙げています。また、国内交流拡大については有給取得率の低さを課題の一つとし、10代~50代の約6割が主に休日に国内旅行を実施しているために、旅行費用の高騰や観光地の混雑につながっていると指摘しました。

分科会臨時委員の星野リゾート代表 星野 佳路氏は、休日の分散・平準化について、地域別に連休をずらす「フランス型」の休日分散を好事例として挙げた上で、休暇の分散を「一番大事な政策」だとしました。

同じく臨時委員の政治解説者・ジャーナリスト 篠原 文也氏は、アウトバウンド(日本人の海外旅行)がコロナ前比6割にとどまっている点を問題視し、インバウンドアウトバウンドのシナジーをどう作るかが重要だと指摘。その一案として、日本政府観光局JNTO)の機能をインバウンドに集中させるのではなく、アウトバウンドも含めて両方手がけるような状況にする案を挙げました。

そのほか、観光白書観光立国推進基本計画の策定にあたり、追加で分析・掲載すべきデータについては以下のような声が上がりました。

  • 大阪・関西万博のデータを集約・分析し、テーマ章に掲載すると良いのではないか
  • 業界の労働生産性・賃金が低いのは、非正規・アルバイトの割合が高いといった構造的な問題もあるため、その割合も出した方がいいのではないか
  • 高齢者の旅行回数が減っているが「かつての50代が今どうなっているか」といった視点で見た方がいいのではないか
  • 都市圏から入って地方に行く場合と、地方に直行便で行く場合どちらの方がお金を落とすのか、といったデータも見たい

なお、次回は6月ごろに交通政策審議会観光分科会(第50回)が開かれ、観光立国推進基本計画の改定について再度議論されるということです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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