【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】 |
※本記事は、2020年10月12日に掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。
多くのインターネットユーザーが近くの店舗や施設を調べる際に活用する「Googleマップ」には、事業者が自らの店舗や施設の情報を掲載できる「Googleビジネスプロフィール」という機能があります。
Googleビジネスプロフィールでは、店舗や施設を登録する際に「カテゴリ」を選ぶ必要があります。これは業種を指定するもので、たとえばカレー店、婦人服店、美容院など、登録可能なカテゴリは多岐にわたります。
これだけ多くの選択肢があると、どのカテゴリを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。しかし、間違ったカテゴリを設定するとGoogleビジネスプロフィールの本来の効果を十分に発揮できなくなる可能性があります。
今回の記事では、Googleビジネスプロフィールのカテゴリ選びに関するよくある疑問をQ&A形式で解説し、適切な設定方法をご紹介します。
関連記事:Googleビジネスプロフィールとは?インバウンド客を集客する方法やメリット、注意点など
ローカルSEOに最も影響する要素は「Googleビジネスプロフィールの各項目」
米国のSEO専門企業「moz」はこのほど、「State of Local SEO Industry Report 2020(ローカルSEO業界の現状報告書2020)」という調査結果を公開しました。
この報告書は1,453名のSEO担当者を対象に調査を実施したもので、ローカルSEOの2020年時点での現状が明らかとなっています。
調査の中で注目すべきは、「How important are the following ranking factors in generating local-specific search results?(地域を限定した検索結果を生成するとき、以下の順位に影響する要素はどれほど重要ですか?)」という設問です。

ここではローカル検索結果に影響する要素をいくつか提示し、それぞれの重要度を調査対象者が評価しています。
調査の結果、最もローカル検索結果の順位に影響する要素として重要だと判断されたのは「Google Business profile(Googlebusinessプロフィールの各項目)」でした。
続いて「Google Reviews(Googleの口コミ)」「Proximity of Searcher to the Place of Business(ユーザーと店舗や施設の距離)」と並びました。
「カテゴリ選択」が重要!検索結果に大きく影響
Googleビジネスプロフィールにおけるカテゴリの選択は、検索結果に大きな影響を及ぼします。
たとえば東京都立川市の寿司店がカテゴリを間違えて「イタリア料理店」と設定してしまった場合、「立川 寿司」と検索しても検索結果には表示されない可能性が高くなります。
それだけではなく、Googleビジネスプロフィールではカテゴリの設定により使える機能が変わります。
たとえば、「自動車販売店」に設定すると、販売している自動車の情報を一つずつ掲載できます。
これらのことから、Googleビジネスプロフィールの機能を十分に使いこなすには、まず正しいカテゴリを選ぶことが重要だとわかります。
Googleビジネスプロフィールでカテゴリを設定する方法:メインカテゴリ・追加カテゴリの違い
Googleビジネスプロフィールでカテゴリを設定するには、Googleビジネスプロフィールの管理画面左側にある「プロフィールを編集」から、ビジネスカテゴリの鉛筆マークをクリックします。
カテゴリは「メインカテゴリ」と「追加カテゴリ」の2つに分かれています。
一般的に、メインカテゴリには主要な業種を入力し、他にも当てはまるカテゴリがある場合は追加カテゴリに入力します。
たとえば、カフェであればメインカテゴリに「カフェ・喫茶」を選びます。
カフェでコーヒーを提供しているなら追加カテゴリに「コーヒーショップ」を選ぶとよいでしょう。
追加カテゴリは最大10件まで追加できます。カテゴリは登録後いつでも変更できるため、途中で業種が変わった場合はなるべく早くカテゴリの設定を見直すとよいでしょう。
カテゴリ選びの疑問を解決!Q&A4選
Googleビジネスプロフィールに登録されているカテゴリは莫大な数に及ぶため、カテゴリを選ぶ際にはこのカテゴリで良いのかどうか迷うこともあるでしょう。
ここでは、Googleビジネスプロフィールでカテゴリを選ぶ際によくある4つの疑問をQ&A形式で解消します
Q1. カテゴリの個数はいくつが最適?「無理に10個にする必要はない」
メインカテゴリを1個、追加カテゴリを9個の最大10個まで設定できます。
大前提として、ユーザーに業種が伝わるカテゴリを選ぶ必要があります。
たとえば店内飲食のほかにテイクアウトやデリバリーを提供しているピザ店の場合、メインカテゴリとして「ピザ店」、追加カテゴリとして「持ち帰り用ピザ」「宅配ピザ」を選ぶのが最適です。
無闇にカテゴリを増やして10個のカテゴリ枠を満たす必要もありません。
カテゴリの中には、似た業種もいくつか存在します。
たとえば「カフェ・喫茶」「カフェテリア」「コーヒーショップ」で悩んだときは、Googleトレンドなどのツールを用いて地名とカテゴリ名で検索し、人気の高い単語をカテゴリとして採用するとよいでしょう。
Q2. 最適なカテゴリがないときはどうする?「競合店を参考にしよう」
業種によっては最適なカテゴリが存在しない場合もあるでしょう。
カテゴリを新たに追加することは仕様上できないため、まずは同じ業種の他店をGoogleマップで検索し、他店がどのようなカテゴリを選んでいるか調べるとよいでしょう。
他店に多く選ばれているカテゴリは、それだけ検索するユーザーも多いことが想定できます。しかし、同じ業種の他店がない場合は、類似した業種のカテゴリを選ぶことが求められます。
Q3. 複数の業種を営んでいる場合はどうする?「業種によっては複数登録できる」
Googleのガイドラインによれば、1つの住所に対しては1つのビジネス登録が基本です。そのため、同一住所に複数のビジネスを登録した場合、重複とみなされ公開停止になってしまう場合があります。
しかし、実態として同一住所に複数のビジネスがある場合には、業種ごとにGoogleビジネスプロフィールを設けるべきだとされています。
たとえば、マッサージ店の中にネイルサロンが併設されているケースを考えてみましょう。この場合、同一住所であるものの、明らかに違う業態として営業していることから、Googleマップ上では他店舗として登録したいところです。
そのためには「第三者(Google)からみて明らかに違う業態であると認識できる」ようにWeb上で証拠を作ることが大切です。すなわち、前述のマッサージ店とネイルサロンの場合、それぞれ「https://massage-yasan.com(マッサージ店公式サイト)」と「https://nailsalon-yasan.com(ネイルサロン公式サイト)」で別のサイトを用意しておきます。
さらに、ビジネスオーナー確認のためにも電話番号を分けておいたり、実際の看板を別で用意しておいたりすることも重要です。
これらは、経営が同一の場合でも有効ですし、むしろ経営が同一の場合こそ検討したい施策です。Googleビジネスプロフィールでは前述の通り1つのビジネスに対し最大10カテゴリをつけることができるからです。
今回の例の場合、マッサージ店とネイルサロンを別ビジネスとして登録することで、最大20カテゴリ登録できます。さらに、それぞれのビジネスごとに適した投稿をしたり口コミ評価を蓄積したりでき、検索結果に表示させる可能性が上がるでしょう。
Q4. 人気のないカテゴリを選ぶべき場合とは?「激戦区に出店している場合は検討を」
基本的には、検索頻度が高く人気のあるカテゴリを選ぶほうがよいとされています。
しかし、たとえばカフェの激戦区にカフェを開店し、他のカフェが全てカテゴリを「カフェ・喫茶店」にしていることに気づいた場合、あえて自身のカフェのカテゴリを「コーヒーショップ」に設定し、コーヒーショップの検索需要を狙うことも戦略として考えられます。
このような場合でも追加カテゴリに「カフェ・喫茶店」を設定し、アクセス数を計測するなどの手段でカテゴリの有用性を確認することを忘れないようにしましょう。
最適なカテゴリの選択はGoogleビジネスプロフィールの運用において重要な要素のひとつ
Googleビジネスプロフィールにおけるカテゴリの設定は、検索結果にも大きく影響します。
また、設定したカテゴリによってGoogleビジネスプロフィールの機能も変化するため、Googleビジネスプロフィールの機能を十分に活用するには、適切なカテゴリの設定が重要となります。
カテゴリを選ぶ際にはGoogleトレンドなどを活用してカテゴリの人気度を計測するなど、いくつかの手法が活用できます。
カテゴリの設定には費用も時間もかからないため、適切なカテゴリを設定することは費用対効果の高い集客対策になるといえます。
<参照>
- moz:State of Local SEO Industry Report 2020
- moz:How to Choose Google My Business Categories (With Cool Tools!)
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