持続可能な観光に必要なことは?:「持続可能な観光推進モデル事業」成果報告会レポート 

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観光庁は2025年2月、令和6年度「持続可能な観光推進モデル事業」成果報告会を開催しました。

本報告会では、全国6地域の先進的な取り組みが発表され、持続可能な観光の実現に向けた事業成果や今後の展望が共有されました。

各地域が抱える課題やその解決策を紹介するとともに、観光業界が持続可能な未来へ進むためのヒントが示された本報告会の内容をレポートします。

関連記事:「農泊×インバウンド」今後の取り組みとは?【「農泊モデル地域創出支援事業」選定発表会レポート】

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6地域が、持続可能な観光地づくりに向けた取り組みを発表

観光庁は、「日本版持続可能な観光ガイドライン」を活用しながら、観光GXグリーントランスフォーメーション)や自然環境・地域資源の保全・活用を進めるため、「持続可能な観光推進モデル事業」を実施し、先進的なモデルケースの創出を目指しています。

報告会では、令和6年度「持続可能な観光推進モデル事業」で採択された6地域が、取り組み内容や成果とともに、持続可能な観光地マネジメントを推進する上でのポイントを紹介しました。

関連記事:観光庁「日本版持続可能な観光ガイドライン」発表

【宮城県東松島市】「歩く」と「守る」を両立した観光商品開発

宮城県松島市は、豊富な観光資源を有し、「Green Destinations Top100(2022年)」や「ベスト・ツーリズム・ビレッジ2023」に認定されるなど、持続可能な観光における先進地域のひとつです。

しかしその一方で、「地域の自然環境や文化遺産を守りながら、観光客を引きつける取り組みが十分にできていない」という課題がありました。そこで目指す姿として、「地域住民と観光客がともに楽しみ、学び、成長できる場所を作ること」を掲げました。

<取り組みと成果>

本事業の目的は、持続可能な観光モデルを構築し、地域の観光資源を最大限に活用することです。そのため、「歩く」と「守る(保全)」を両立する仕組みづくりに注力しました。

具体的には台湾の「トレイロロジー(歩道学)」を参考にした「奥松島版トレイロロジー」を開発。トレイロロジーとは、環境負荷の低減や生態系との共生に重きを置く土木工事(道づくり)の考え方です。東松島市では、地域の魅力を体験させるだけではなく、「歩く」に加え「保全する」ために以下の取り組みを行いました。

  • 地域の課題抽出と環境配慮型トレイルの開発
    台湾の専門家と連携し、奥松島のトレイルを整備。「歩く」と「守る」を両立するルートづくりを進めました。
  • 4日間のフィールドワークによる実証
    地域事業者6名が参加し、専門家とともにトレイルを歩きながら持続可能な観光のあり方を検証。震災遺構や自然資源の活用について意見交換を行いました。
  • 地域内のグッドプラクティスの活用
    フィールドワークでは地域内ですでに行われてきた優れた取り組み(グッドプラクティス)を有識者が体験し、外部の視点と既存の取り組みの統合を目指しました。

<今後の展望>

株式会社インアウトバウンド東北の小野寺氏は、今後の展望について、これまでの実績を活かし、国内外の地域との連携強化を進めていくと説明。「本事業を通じて得た成果を基盤に、地域の自然文化を大切にしながら、持続可能な観光モデルの確立を目指していきます」と語りました。

【山形県鶴岡市】文化資源を守り活かす、持続可能な地域づくり

山形県鶴岡市の手向(とうげ)地区は、宿坊街を有する歴史ある集落です。

観光資源が豊富な一方で、「既存の法制度から漏れており、守られるべき文化資源が守られていない」「地域資源が本来持つ文化的意義や文脈から外れて、対外的な価値(市場価値が得やすい商業的文脈)で表現されてしまう」といった課題がありました。

手向まちづくり会社設立準備会の加藤氏は、「地域にとって大切な文化資源は、地域の文脈で守る必要がある」と説明しました。

<取り組みと成果>

本事業の目的は、地域ならではの歴史・文化資源を適切に保全し、そうした資源を活かした地域づくりを推進することです。そのために、「文化資源を守るための公的な仕組みの模索」と「持続可能な地域づくりの体制強化」に重点を置きました。

  • 文化財の保全と活用の方針策定
    北海道大学の専門家や、同様の取り組みを進める地域の実践者、行政担当者との協議を重ね、文化財や文化行政に対する現状の共有や、活用できそうな制度を探求。文化財の保全と活用の方向性について認識を共有しました。
  • 持続可能な地域づくりのための体制構築
    「手向地区まちづくり会社(仮称)」の設立を決定。2025年7月の設立に向け、文化資源の保全と活用を推進する新たな組織の立上げを行っています。地域の意見を集約し、行政と協働しながら、具体的な施策を進めていく仕組みを整え、地域が一丸となってサステナブルツーリズムを推進する体制を構築しました。

<今後の展望>

現在、文化財の保全・活用に関する行政との認識の共有が進んでいます。今後は文化資源の保存と活用のためのガイドライン策定なども念頭におきながら、地域内のプレイヤーが相互に連携しながら、持続可能な地域づくりを進めていきます。

この続きから読める内容

  • 【岐阜県高山市】飲食店における訪日客の受け入れ体制強化
  • 【神奈川県箱根町】食品リサイクルを通じて観光地ブランドの確立目指す
  • 【三重県明和町】住民参加型で行う史跡活用
  • 【鹿児島県与論町】「住んでよし、訪れてよし」な観光地へ
  • 持続可能な観光で重要なのは「組織づくり」
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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