国際航空運送協会(IATA)は、2025年5月の世界の旅客需要に関するデータを発表しました。
5月の航空総需要(RPK)は前年同月比で5.0%増加し、総供給量(ASK)は同5.0%増加しました。また搭乗率は、同0.1ポイント減の83.4%でした。
国際線需要は、全地域で前年を上回る成長が見られました。国内線需要は、米国でマイナス成長となった一方、中国とブラジルでは引き続き需要の高まりが見られました。
*RPK(Revenue Passenger Kilometers)…有償旅客キロ(有償旅客数×輸送距離)
*ASK(Available Seat Kilometers)...有効座席キロ(総座席数×飛行距離)
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【国際線】米国路線の成長が鈍化
2025年5月の国際旅客需要は、市場全体で前年同月比6.7%増加し、全地域で前年を上回る成長が見られました。
南北アメリカに向かう主要な国際路線については、多くで成長が鈍化し、ヨーロッパと北米を結ぶ大西洋横断路線がわずかに成長が加速したほかは、減速しました。
各エリアの成長率は、アジアが前年同月比13.3%増と全市場で最も大きくなっています。次いで、アフリカが9.5%増、ラテンアメリカが8.8%増、中東が6.2%増、ヨーロッパが4.1%増、北米が1.4%増となっています。

【国内線】中国、ブラジル市場が成長
2025年5月の国内旅客需要は、市場全体で前年同月比2.1%の増加となりました。米国を除くすべての地域で、プラス成長を記録しています。
特に、中国の国内旅行市場の需要は、前年同月比7.4%増を記録。2025年3月以来、毎月のように成長を加速させています。またブラジルも2023年1月以来途切れることなく成長を記録しており、同18.3%増となりました。

5月の航空需要は市場でばらつき 夏の予約は好調に推移
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュ氏は、「5月の航空需要は、市場によりばらつきが見られた」とコメント。アジアが全体をリードした一方、北米では、米国国内市場の需要減により、全体で前年同月比0.5%の減少となりました。
また、6月下旬に中東で発生した混乱に関しては、「航空会社が乗客の不便を最小限に抑えながら安全な運航を維持しているにもかかわらず、地政学的な不安定さが一部の地域で依然として課題となっていることを改めて認識させられる。このような不安定さが原油価格(5月中は低水準を維持)に与える影響も、監視すべき重要な要素である」と述べました。
一方で、航空需要の先行きについては「北半球の夏の旅行シーズンのピークに向け、消費者の予約は好調に推移しており、楽観的な見方ができる」としています。
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<参照>
国際航空運送協会(IATA):Passenger Growth Hits 5% in May
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