【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】 |
Facebookには、ビジネス利用を目的としたFacebookページがあります。このアカウントを用いることで、個人アカウントではできないさまざまなビジネス機能を利用でき、ユーザーへ向けたPRとして大きな効果をもたらすことが期待されます。
特に、訪日外国人向けの情報発信が求められる今、韓国や台湾、香港をはじめとする多くの国や地域にリーチできるFacebookは、インバウンド向けの情報発信に非常に適したプラットフォームといえます。
しかし、Facebookの個人アカウントとの違いや、活用方法をあまり理解していない場合、機能を存分に活用することは難しいでしょう。
そこで本記事では、それぞれの違いやFacebookページを活用する利点などを紹介します。
個人アカウントとFacebookページの違い
Facebookページは、企業向けの機能が多く盛り込まれており、個人アカウントとは利用目的や機能が異なります。
ここでは、Facebookページを活用するメリットや個人アカウントとの違い、見分け方を中心に紹介します。
Facebookページとは?主な機能やメリットを紹介
Facebookページは個人アカウントとは別に、目的別に所持できるアカウントのことを指します。ビジネス向けの機能も豊富なことから、主に企業や団体がユーザーとのつながりを深めながら、認知度を高めたりブランドを確立したりすることを目的に運用されています。
例えば、Facebookページにリアクションをしたユーザーの把握、広告配信、投稿に対する反響を解析するためのインサイト機能などが利用できます。
Facebookページならではのメリットとして、Facebook内外に広告を出稿でき、さらにInstagramや検索エンジンなどとも連携が可能であるため、より多くのユーザーにPRできる点が挙げられます。
Facebookページの機能を用いることで、商品の予約や購入も可能となるため、広告からページを見に来たユーザーが、商品をスムーズに購入しやすい環境となっています。
他にも、Facebookを通じたユーザーとの実名でのコミュニケーションによる信頼度の向上や、イベントの開催などによる集客効果がメリットとして挙げられます。
個人アカウントとの違い
大きな違いとして、個人アカウントは検索エンジンで上位に表示されるのが難しいのに対し、Facebookページを利用すると上位表示される可能性があります。また、個人アカウントとFacebookページにはその他にもさまざまな違いがあり、主な違いは以下の表にまとめています。
個人アカウント | Facebookページ | |
登録 | 実名のみ | 会社名や商品名なども可能 |
アカウント数 | 1人につき1アカウント | 制限なし |
友達申請 | 最大5,000人まで可能 | 不可 |
公開範囲 | Facebook登録ユーザー間のみ | 一般検索ユーザーまで可能 |
リアクション | いいね!、コメント投稿可能 | いいね!、コメント投稿不可 |
広告配信機能 | なし | あり |
予約投稿機能 | なし | あり |
インサイト解析機能 | なし | あり |
管理者複数共有 | 不可 | 複数人で共有可能 |
個人アカウントと異なり、Facebookページではビジネス利用に特化した機能となっています。
Facebookページは、商品名やサービス名をアカウント名に設定できるため、ページの詳細を見なくてもどのような商品を取り扱っているアカウントであるかが、一目でわかる仕様にできます。
さらに、公開範囲が個人アカウントよりも大幅に広がっていることも特徴です。Facebookに登録しているユーザーでなくてもFacebookページであればページを閲覧できるため、より多くの人にPRできることが期待されます。
Facebookページでよくある間違い
Facebookページを作成する際によく起こるミスとして、個人アカウント名を企業名で登録してしまうケースが散見されます。個人アカウントとは、各個人が私用目的で登録するアカウントであり、基本的には実名での登録で、1人につき1つまでしかアカウントを持てません。
一方で、Facebookページは、Facebookページを管理する目的で作成するアカウントであり、個人アカウントとは用途が異なるものとなっています。
個人アカウントとビジネスアカウントの見分け方として、企業IDのページに「友達」の欄が表示されている場合は個人アカウントであり、表示がない場合は正しくビジネスアカウントとして作成されています。
Facebookページの作成方法完全ガイド
Facebookページを作成するには、まずFacebookの個人アカウントが必要です。まだお持ちでない場合は、先に作成を済ませておきましょう。以前は個人アカウントなしでも作成できましたが、現在は必須となっています。
このセクションでは、個人アカウントをお持ちであることを前提に、Facebookページの作成手順をステップバイステップで解説します。
【準備するもの】Facebookページ作成前に用意しておくとスムーズ!
Facebookページ作成を始める前に、以下の情報や素材を手元に準備しておくと、スムーズに進められます。
- ページ名: 企業名、ブランド名、商品名など
- カテゴリ: ビジネスに合ったカテゴリ(例:飲食、美容、ITサービスなど)
- 自己紹介文: ページの内容を簡潔に説明する文章
- プロフィール写真: 企業のロゴ、店舗のマークなど、ビジネスを象徴する正方形の写真
- カバー写真: 店舗の外観、商品、サービスのイメージ画像など、ページのトップに表示される横長の画像
- 連絡先情報: 必要に応じて電話番号、メールアドレス、ウェブサイトURL、住所、営業時間など
Facebookページの作成手順
まず、Facebookページを管理するご自身の個人アカウントでFacebookにログインしてください。

1. Facebookページ作成画面へアクセス
右上のメニューから「作成」を選択し、「ページ」をクリックします。または、こちらのURLから直接アクセスすることも可能です。
2. ビジネスタイプを選択
「ビジネスまたはブランド」を選択します。
3. ページ名とカテゴリの入力
「ページ名」と「カテゴリ」を入力します。ページ名はビジネスの正式名称でなくても問題ありません。ユーザーが検索しやすい略称なども効果的です。カテゴリは入力すると候補が出てくるので、最も当てはまるものを選択しましょう。任意でページの自己紹介も入力できます。
4. 「Facebookページを作成」をクリック
5. プロフィール写真とカバー写真の設定
ページをカスタマイズするため、準備しておいたプロフィール写真とカバー写真を追加します。
- プロフィール写真:企業・店舗のロゴやマークなど、ビジネスを象徴する写真が推奨されます
- カバー写真:オフィス、店舗、サービス、商品など、ビジネスの雰囲気が伝わる写真を設定しましょう
6. 「完了」をクリックして基本設定を終了
これでFacebookページの基本的な作成は完了です。作成後も引き続き、詳細情報の追加や初期設定を進めていきましょう。
Facebookページ作成後の初期設定
Facebookページを作成したら、すぐに以下の初期設定を行いましょう。これらの設定を完了させることで、ユーザーへの情報提供が充実し、信頼性も高まります。
1. 基本情報の追加
ページを作成する際に設定した、ページ名とカテゴリ以外の情報を追加する方法を紹介します。
Facebookページでは住所やサイトのURLを設定でき、これらの細かい情報を設定しておくことで、サイトの閲覧数増加や、購入までの動きの円滑化が期待されます。手順は下記の通りです。
1. 始めにトップページの「編集」をクリックします。

2. 「基本データを編集」をクリックします。

3. 詳細や電話番号、Webサイトおよびメールアドレスなどを記載する欄が表示されるため、これらの項目を必要に応じて入力します。

住所や営業時間も詳細に入力できるため、こちらも必要であれば入力します。すべての入力が終了したら基本情報の追加は完了となります。
2. 「アクションボタン」の追加
Facebookページの上部に表示される「アクションボタン」は、ユーザーに特定のアクションを促すための重要な機能です。
例えば、「予約する」「問い合わせる」「購入する」「詳細を見る」など、ビジネスの目的に合わせて設定できます。
まずはFacebookページにアクセスし、カバー写真の下に表示される「+ボタンを追加」をクリックします。続いて、表示されるオプションの中から、ビジネスの目的に合ったアクションを選択します。選択したアクションに必要な情報を入力したらアクションボタンの設定は完了です。
3. 最初の投稿と紹介
ページを作成したら、最初の投稿を行い、あなたのビジネスやページの目的についてユーザーに紹介しましょう。
どのような情報を発信していくのか、ページをフォローするメリットなどを簡潔に伝えることが大切です。
4. ページ役割の割り当て
複数のメンバーでFacebookページを管理する場合、それぞれの役割(管理者、編集者など)を割り当てることができます。これにより、安全かつ効率的な運用が可能になります。
Facebookページの左メニューから「設定」をクリックしたら、「ページ役割」を選択します。新しい役割を割り当てる人の名前またはメールアドレスを入力し、役割を選択して追加します。
Facebookページにかかる費用
Facebookページを開設する際に費用はかかりませんが、広告を活用する場合は別途料金が必要となります。
この項では、広告料金のシステムや外部委託をした場合の大まかな予算について紹介します。
関連記事:Facebook広告の費用の目安は?2種類の料金形態とメリット・デメリットを解説
Facebook広告
Facebook広告はFacebook内のさまざまなページに表示されます。Facebook広告の課金方法としては、クリック課金とインプレッション課金の2種類が代表的なものとなっています。
Facebook広告の出稿費用は広告主が自ら設定でき、キャンペーンや広告セットごとの設置が可能です。1日の上限予算や掲載期間内を通した上限予算も設定できるため、予算オーバーなどの懸念を減らせる点が魅力的です。
Facebookの広告料金請求のしくみと1日の予算
Facebookにおける広告料金の請求は、「予算」と「消化金額」で管理されています。設定した予算を超える料金を請求されることはありませんが、この2つの意味を理解しておくことは、広告料金を設定する上で重要です。
「予算」は広告の掲載で消化する予定の金額であり、「消化金額」は実際に支払うことが決定している金額をさします。1週間の平均金額が設定されており、日々の最適化項目によってほぼ1日の予算に相当する結果が出るようになっています。
例えばある日に多くの成果が期待される日があった場合(イベント開催日など)、1日の予算のうち最大25%を超えた金額を消化することがあります。この仕組みが好ましくない場合は、キャンペーン予算を検討した方が良いかもしれません。
この予算と消化金額の仕組みは、広告の配信と設定された予算の消化を可能な限り効率的かつ効果的にするための工夫がなされています。このような柔軟な対応をとることで動きの激しい広告オークション市場でもビジネスチャンスを逃さず広告を有効的に活用できることが期待できます。
自社に合った方法でアカウントの運用を
Facebookページは、個人アカウントよりもビジネス利用に向いた機能を豊富に実装しています。Facebookページの開設そのものは無料であり、ユーザーアカウントさえ取得していれば誰でもページを作成することが可能です。
Facebookページには商品だけでなく、企業の住所やWebサイトのリンクなど、多くの情報をまとめて掲載できます。そのため、ユーザーも広告からFacebookページを閲覧した際に、購入までの動線がわかりやすく、購入に至りやすいと考えられます。
さらに、広告費も企業側で設定することが可能であるため、決められた予算内でより効果的な広告を運用することも容易なシステムとなっています。自社に合うプランでアカウントを運用することで、さらなる集客が期待できます。
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