世界の国際線需要、中東は軍事紛争によるマイナスから回復【IATA旅客需要データ 2025年7月】

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国際航空運送協会IATA)は、2025年7月の世界の旅客需要に関するデータを発表しました。

7月の航空総需要(RPK)は前年同月比で4.0%増加し、総供給量(ASK)は同4.4%増加しました。また搭乗率は、同0.4ポイント減の85.5%でした。

国際線需要は市場全体で増加したものの、搭乗率の伸びが鈍化しました。国内線需要は、引き続きブラジルが力強い成長を記録した一方、インド市場のみマイナス成長となりました。

*RPK(Revenue Passenger Kilometers)…有償旅客キロ(有償旅客数×輸送距離)
*ASK(Available Seat Kilometers)...有効座席キロ(総座席数×飛行距離)

関連記事:世界の国際線需要、中東の軍事紛争が影響するも伸長 今後も高水準の搭乗率見込む【IATA旅客需要データ 2025年6月】

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【国際線】ラテンアメリカが好調 中東は軍事紛争の需要減から回復

2025年7月の国際旅客需要は、市場全体で前年同月比5.3%増加しました。一方で、搭乗率はアフリカを除き、すべての地域で減少しています。

地域別にみると、ラテンアメリカが前年比9.3%増と最も成長し、次いでアジア太平洋地域が同8.7%増、中東が同5.3%増となりました。中東は軍事紛争の影響を受けて6月に需要の伸びが落ち込んでいましたが、回復しました。

そのほかの地域は、欧州が同4.0%増、アフリカが同2.8%増、北米が同2.4%増となりました。アフリカ北米も6月に前年比減少を記録しましたが、7月は増加に転じました。

▲国際線のRPK伸び率(前年比):IATAより訪日ラボ作成
▲国際線のRPK伸び率(前年比):IATAより訪日ラボ作成

【国内線】日本の搭乗率、2000年以降の7月として過去最高

2025年7月の国内旅客需要は、市場全体で前年同月比1.8%の増加となりました。

ブラジルが同9.4%増と最も成長し、次いでオーストラリア(同4.3%増)、中国(同3.8%増)、日本(同2.9%増)、米国(同1.5%増)となりました。一方で、インドは同1.3%減となり、発表された市場のうち唯一のマイナスを記録しました。

また、日本は搭乗率81.4%を記録し、少なくとも2000年以降で、7月としての過去最高を記録しました。

▲国別国内線のRPK伸び率(前年比):IATAより訪日ラボ作成
▲国別国内線のRPK伸び率(前年比):IATAより訪日ラボ作成

今後数か月は好調な勢いが続く見込み

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、7月の市場動向を踏まえて「北半球の夏は航空会社にとって好調なシーズンだった」と振り返りました。

今後については、「5か月連続で(航空需要の)成長は鈍化したものの、9月の航空便数は前年比2%増となっており、航空会社は今後数か月間、市場の勢いを活かせる態勢が整っている」として、前向きな見方を示しました。

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<参照>

国際航空運送協会(IATA):Passenger Demand Grows 4% in July

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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