• 訪日韓国人のハイシーズンは1月、全体の1割が1月に訪日
    • 短期間の滞在が多く、1人当たり消費額は低い傾向
    • 驚異的な回復ペース、受け入れ環境整備がカギ

インバウンドにおける韓国市場の特徴とは

訪日韓国人数は2019年には約558万人で、2023年には約696万人となりました。2023年、訪日韓国人は一人あたり10万7,047円を訪日旅行時に使っています。訪日韓国人のインバウンド市場で特筆すべき点は「12月~1月の訪日数の多さ」「滞在日数の短さ」「コロナ後の回復の速さ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日韓国人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. 訪日韓国人のハイシーズンは1月、全体の1割が1月に訪日

コロナ前の訪日韓国人観光者数の遷移を月別に見てみると、1月に最も多くの韓国人が訪日していると分かります。2019年1月には約78万人の韓国人が日本を訪れ、2019年の訪日韓国人全体の約1割が1月に訪日しています。韓国の大学などは12月から2月まで冬期休暇があるため、この時期に家族旅行や友人同士で日本に来る韓国人が多いことが、1月の訪日韓国人の多さに現れていると言えます。

コロナ後の2022年と2023年には、12月に最も多くの訪日韓国人が訪れました。日本の温泉やスキーなどを楽しみながら年越しをする韓国人もいるようです。

2. 短期間の滞在が多く、1人当たり消費額は低い傾向

2023年第3四半期の訪日韓国人の滞在日数を見てみると、全体の20.4%が3日以内の滞在となっています。最も多いのは4〜6日間の67.2%ですが、全体としては短期の訪日旅行を計画する韓国人が多いことが読み取れます。

滞在日数が少ないほど消費額も少なくなる傾向にあることから、全国籍中1人当たり消費額は最低水準となっています。コロナ禍で全体の滞在期間が長期化する傾向があるなかでもこの数値だと考えると、今後はより滞在の短期化が進む可能性もあります。

インバウンド対策としては、滞在期間を伸ばしてもらえるよう、コト消費などの観点から魅力的なコンテンツを用意することが有効であると考えられます。

3. 驚異的な回復ペース、受け入れ環境整備がカギ

全国籍中、2022年の訪日客数が唯一100万人を超えたのが訪日韓国人で、続く2023年も訪日数が全国籍中トップとなりました。

コロナ後早い段階から両国間でビザの要件緩和を進めたことや、比較的親日派であるユン大統領の就任による日韓関係の改善、そしてコロナ禍中にも両国のエンタメなどを通した文化的交流が継続していたことなどが要因だと考えられます。

この訪日熱を逃さず、リピーター化してもらえるよう、訪日した際に満足してもらえるような環境整備が急務であると考えられます。

韓国人の特徴

韓国人の性格・国民性

韓国人は儒教文化の中で生きているため、年齢の上下を重要視します。初対面の人でも年齢を聞くのはこのためで、年齢が少しでも上の人には敬語を使う人が多くいます。特に年配の人には最大限の礼儀を以て接する人が多く、電車やバスで年配の人を見かけると多くの人が席を譲ります。

また、感情的になりやすい人が多いのも韓国人の特徴で、喜怒哀楽がはっきりとしています。多くの人は面子を気にするため、人前で怒鳴りつけるなどの行為は絶対にしてはいけません。台湾や香港と同じく気の強い女性が多い韓国ですが、交際の時に主導権を持つのはもっぱら男性が多いそうです。

また、韓国は日本以上に学歴が重視される社会構造となっているため、国立大学を出て有名企業に就職するために多くの韓国人が幼少期から勉強に精を出しています。その分娯楽を知らない人も多く、兵役が義務付けられていることもあり多くの韓国人はエンターテインメントとは遠い生活を送っているようです。しかし、最近ではK-POPの流行や日本から漫画やアニメが輸入されたことで少しずつ娯楽文化も広がりを見せているようです。

韓国人と接するうえで気を付けておきたいマナー

韓国人は、儒教文化の影響で上下関係を非常に大事にします。韓国語にも敬語が存在し、言語においても日本語以上に上下の差が重視されていると言われています。

目上の人と握手をする際は右手を用いて、左手を右肘に添えるのが良いとされています。

また宴会の際には、目上の人が箸をつけてから食べ始める、目上の人の前でお酒を飲む時には顔を背け口元を手で隠す、お酒を継ぎ足す際にはグラスが空になってから継ぎ足す等いくつかの決まりごとがあります。目上の人の前での喫煙も礼儀に欠けるとされています。

韓国人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、韓国は2019年時点で「親日度ランキング」全20か国のうち20位となっており、親日度が特別に高い訳ではないことが分かります。(*1)また、第二次世界大戦の影響などもあり特に中高年を中心に反日感情が存在します。

国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、韓国には2015年時点で2,998校の日本語教育機関と15,345人の日本語講師が存在し、531,511人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

(*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2019」 (*2)国際交流基金 2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)

韓国人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

韓国はAndroidがiOSより人気で、約78%のシェアを持っています。韓国にはサムスン電子やLG電子等の大手Androidスマートフォンメーカーが存在し、これらの企業が製造するスマートフォンの国内における人気が高いことが原因と言えます。

また、人気のSNSアプリはiOS・Android共にKakaoTalkがランクインしています。KakaoTalkは韓国企業・株式会社カカオの開発したチャットアプリで、日本ではあまり使われていませんが韓国ではLINEを大幅に凌ぐ人気を持っています。

2023年・2024年 韓国の祝日カレンダー

▲韓国の祝日・休日カレンダー(2023年):訪日ラボ作成
▲韓国の祝日・休日カレンダー(2024年):訪日ラボ作成
2023年 2024年
元日 1月1日 1月1日
旧正月 1月21日~1月24日(1月24日は振替休日) 2月9日〜2月12日(2月12日は振替休日)
三一節(独立運動記念日) 3月1日 3月1日
選挙 4月10日
子どもの日 5月5日 5月5日〜5月6日(5月6日は振替休日)
釈迦誕生日 5月27日(5月29日は振替休日) 5月15日
顕忠日(戦没者追悼日) 6月6日 6月6日
光復節(独立記念日) 8月15日 8月15日
秋夕 9月28日~9月30日 9月16日〜9月18日
開天節(建国記念日) 10月3日 10月3日
ハングルの日 10月9日 10月9日
聖誕節(クリスマス) 12月25日 12月25日

韓国の歴史

朝鮮半島には紀元前1,500年頃に中国大陸より農耕文化が伝わりました。紀元前57年頃から1世紀にかけて新羅、高句麗、百済、伽耶が次々と興り、668年には新羅が朝鮮半島を統一しました。その後936年には高麗が朝鮮半島を統一し、1259年にはモンゴル帝国(元)の属国となりました。高麗の政権を掌握した李成桂は1388年に首都・開城を支配下に置き、李氏朝鮮が始まりました。4代目の世宗大王はハングルを作り、現在でも韓国語及び朝鮮語の文字として用いられています。

1897年に李氏朝鮮の高麗は国号を大韓帝国と改め、1910年には日韓併合条約により朝鮮半島は日本の領土となります。当時の朝鮮半島に住んでいた人々は日本の統治に抵抗し、三一独立運動などでは官民共に多くの被害が出ました。日本は朝鮮半島の人々との軋轢を深める一方で、統治下の朝鮮半島で電気、水道、ガス等のインフラや電話回線の敷設、鉄道網や道路の敷設を行い、朝鮮半島の近代化に努めました。

1945年に第二次世界大戦が終わると、北緯38度線を境に北はソ連領、南はアメリカ合衆国領となりました。その後1948年には北側が朝鮮民主主義人民共和国、南側が大韓民国として独立します。1950年には朝鮮戦争が勃発し、多くの被害者が生まれ国土も大きく疲弊しました。

その後、韓国は1990年まで独裁政権が続きましたが1997年以降は民主化が進められ、現在ではIT大国として名を馳せる一方、極度の学歴社会や汚職社会などが問題となっています。現在の大韓民国はサムスン電子やLG電子などの大手家電メーカーや、ヒュンダイなどの自動車メーカーを抱える産業大国でもあります。

韓国宗教観

韓国には無宗教も多く存在しますが、最も信仰を集めているのはキリスト教です。キリスト教にもさまざまな宗派が存在しますが、2010年の統計では全人口の18.3%がプロテスタント、11.0%がカトリック、2.3%がその他の宗派となっています。仏教徒は22.8%で、無宗教は43.3%を占めています。

キリスト教で最も影響力があるのは韓国発祥の統一教会で、全世界で数万人程度の信徒がいると考えられています。

国内には多くの寺や教会が存在し、それぞれの宗教の中心として機能しています。宗教様式に則った冠婚葬祭も一般的に行われているようです。

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