• シンガポールで起こる「訪日ブーム」シンガポール人の6%が日本に旅行した2016年 :訪問率でいうと中国よりも多い結果に
  • 冬に東南アジア圏の訪日客を呼び込みたいのならシンガポール人! 12月に20%の訪日が集中
  • 異常なリピーター率の高さ :72.5%は韓国をもしのぐ結果に
出典:観光庁 平成28年 訪日外国人消費動向調査

インバウンドにおけるシンガポール市場の特徴とは

2016年の訪日シンガポール人は36万人を記録し、2012年と比較すると倍以上に増加しています。2016年、訪日シンガポール人は一人当たり163,210円を訪日旅行時に使いました。東南アジア圏の国にしては比較的多くのお金を訪日旅行時に使っており、それに伴いインバウンド消費額自体もここ5年間で3倍以上に伸びています。2016年に訪日したシンガポール人を年齢・性別にみてみると、男女ともに20歳~49歳が大きな割合を占めています。特に20歳~29歳の女性は全体の15%を占め、ボリュームゾーンとなっています。

また、訪日シンガポール人のインバウンド市場で、特筆すべき点は「リピーター率の高さ」「12月の訪日数の多さ」「訪日率の高さ」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日シンガポール人のインバウンド市場の3つの特徴を解説

①リピーター率の高さ

先述の通り、2016年に訪日したシンガポール人の72%はすでに訪日経験がある「リピーター層」でした。訪日リピーターが7割以上を占める国は、シンガポールに加え台湾と香港のみです。物価レベルが日本とさほど変わらず、なおかつ地理的にも近い日本にはここ数年観光客が増加傾向にありましたが、日本の観光地としての魅力やインバウンド受け入れ環境の整備により「再び訪れたい」と考えるシンガポール人が増えていることが予測できます。

②12月の訪日数の多さ

また、訪日シンガポール人は、12月に多く訪れる傾向があります。2016年の観光庁による訪日外国人消費動向調査によると、2016年に訪日したシンガポール人のうち約20%が12月に訪日しています。2016年のみならず毎年12月に訪日シンガポール人は増加しています。理由としては、シンガポールでも日本と同様に12月下旬にクリスマス休暇があり、シンガポール人は年末の長期休暇に日本を旅行先に選んでいるという点が挙げられます「日本の冬」はシンガポール人にとって人気となりつつあり、訪日シンガポール人を集客・誘致する際にはこの時期を狙うのが無難でしょう。

③訪日率の高さ

「高リピーター率」と「年末休暇中の訪日旅行の人気」、上記2つの特徴を証明する数値がシンガポール人の間における「訪日率(人口のうちどれくらいの人が訪日したかを表す数値)」の高さです。先述の通り、2016年に訪日したシンガポール人の数は約36万人でした。この数をシンガポールの人口である561万人で割ると、0.06(=6%)となります。一見するとこの数値は小さく見えますが、訪日主要国である中国では0.4%、近年インバウンド業界で注目を集めるタイでも1.9%となっており、他のアジア圏の国と比較すると高い数値です。シンガポールにおいて訪日意向は高いということができ、今後日本のインバウンド市場にとって注視していくべきターゲットとなってくるといえます。

シンガポール人の特徴

シンガポール人の性格・国民性

シンガポール人の性格・国民性には、一般的に以下のような特徴があるといわれています。

  • 負けず嫌い
  • シンガポールには「キアス(KIASU)」という言葉があります。日本語で翻訳すると「負けたくない」「1番でなくてはならない」という意味になります。東南アジア経済の中心であるシンガポールは一般的に競争社会であり、他人に負けることを良しとしない風潮が存在しています。たとえ限定商品やコンサートのチケットを手に入れるためだけにでも長蛇の列ができます。
  • 効率性を重視する
  • 東南アジアの経済の中心であるシンガポールにはビジネス目的で世界中から人が集まります。こうした背景もあってか、シンガポールでは「時間・お金を無駄にしない」という文化が根付いています。
  • ルールを守り礼儀正しい
  • 東京23区とほぼ同じ面積であるシンガポールでは、治安も良く町も清潔に保たれています。これを可能にしているのはシンガポール政府によってつくられた環境公衆衛生法。たまに耳にするようにシンガポールでは公衆の場所を汚す行為に対して罰金を科しています。喫煙やチューイングガムでさえも厳しく取り締まられており、こうした理由からシンガポール人はルールをきちんと守り、他人に対しても礼儀正しい傾向にあります。
  • お得感に敏感
  • Buy 1 Free 1(1つ買えばもう一つ無料)のような宣伝がシンガポールの街中では多くみられます。シンガポール人はお金の話を比較的好んでおり、ものの値段や割引に関する話は日常茶飯事です。

<参照>

  • The Smart Local:15 Traits That Make Us Singaporeans
  • 明石書店出版:田村麗子著「シンガポールを知るための65章」

シンガポール人と接するうえで気を付けておきたいマナー

中華系の民族が国民の74%をしめるシンガポールでは、年上を敬うなど基本的に中華式のマナーをもとに行動することが求められます。シンガポール人と食事をする際に特に気を付けるべきことは、以下の点です。 とりわけ食事の際は、

  • 箸で誰かを指してはいけない
  • 箸をご飯茶わんの中に立てはいけない
  • 魚を食べる際、魚をひっくり返してはいけない
  • 左手で食べ物に触れない
  • テーブル上では年上の人の指示に従う

などのことを頭に入れておくべきでしょう。

<参照>

  • 明石書店出版:田村麗子著「シンガポールを知るための65章」
  • 外務省:シンガポール共和国(Republic of Singapore)
  • MARINA BAY SANDS ホームページ:シンガポールのテーブルマナー

シンガポール人の親日度・日本語学習者数

電通の全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」による調査によると、シンガポールは「親日度ランキング」において10位にランクインしており、比較的親日度は高いものであると予測できます。(*1) しかし、前回2016年の調査では4位だったため、親日度においては若干の低下が見られたかたちです。シンガポールには、2015年時点で227人の日本語講師、30の日本語教育機関が存在しています。学習者は2015年時点で10,798人です。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン:「ジャパンブランド調査2017」の結果より
  • (*2)国際交流基金:日本語教育の実施状況 シンガポール(2016年度)

シンガポール人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

シンガポール人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

シンガポールでもっとも使われているOSはAndroidです。全体の52%がAndroidを使用しています。対してiOSはAndroidに次ぐ二番手となっています(シンガポール人の34%が利用)。 シンガポールで人気のSNSとしてはFacebook関連のサービスが上位を占めています。WhatsApp Messengerは、日本でいうLINEのような主要メッセージアプリとして多くのシンガポール人に使われています。Android端末においては、Instagramも比較的ダウンロード数が多い模様。その他特筆すべき点としてはLinkedInの利用率の高さ。シンガポール人の多くはビジネス用にLinkedInのアカウントを所持しています。 日本では人気のあるAmazon、メルカリ、楽天などを筆頭とするeコマース市場は、そもそも国の面積が東京23区とほぼ変わらない分、至る所にショッピングモールがあるため、シンガポールではそこまで大きな市場ではありません。

シンガポールのイベント・祝日カレンダー(2017年・2018年)

2017年2018年
元旦1月1日(日)1月1日(月)
春節1月28日(土)~1月29日(日)2月16日(金)~2月17日(土)
聖金曜日(グッド・フライデー)4月14日(金)3月30日(金)
労働者の日(レイバー・デー)5月1日(月)5月1日(火)
釈迦誕生祭(ベサック・デー)5月10日(水)5月29日(火)
ハリラヤ・プアサ(断食明け大祭)6月25日(日)6月15日(金)
独立記念日(ナショナルデー)8月9日(水)8月9日(木)
ハリラヤ・ハジ(メッカ巡礼祭)9月1日(金)8月22日(水)
ディーパバリ(光の祭典)10月18日(水)11月6日(火)
クリスマス12月25日(月)12月25日(火)

シンガポールの歴史

14世紀ごろまでは現在シンガポールが位置する場所に正式な国は存在していませんでしたが、マラッカ海峡の玄関口であるシンガポール付近は、主に外国の交易船の停泊所として利用されていたり、海賊が住んでいたといわれています。 その後、当時隆盛を極めていたオランダ・ポルトガルの支配下に置かれますが、19世紀になると英・東インド会社による植民地支配がスタート。近代シンガポールの父ともいわれるトーマス・ラッフルズがシンガポールの立地・アクセスの良さに目をつけ都市化を進めます。このようにイギリスと深い結びつきがあるシンガポールは、太平洋戦争時に日本軍に攻撃され、宗主国であったイギリスはシンガポールを手放します。日本はシンガポールを「昭南島」と改名。後の暴動を抑えるために、反日感情をもっていた中華系民族などに徹底的な弾圧を行いました。その後、日本の敗戦によりシンガポールは再びイギリス領に戻りますが、今度は独立運動が激化。シンガポールで大多数を占める2大民族であるマレー系・中華系人民は、政治面でこそ対立しましたが、1965年、英連邦加盟国というかたちで独立を達成。シンガポールが誕生しました。 その後、アジア諸国へのアクセスの良さや、無関税の自由港であったことを理由に、貿易・金融市場を大幅に発展させることに成功。観光地としてもマリーナベイサンズが世界的な人気を集めており、カジノの国としても多くの観光客を魅了しています。

<参照>

  • 外務省:シンガポール共和国(Republic of Singapore)
  • 明石書店出版:田村麗子著「シンガポールを知るための65章」

シンガポール宗教観

2015年時点で国民の約74%が華人であるシンガポールでは、長年仏教と道教が最大の割合を占めていました。しかし、近年ではどちらの宗教も信仰者が減っています。1980年の時点で道教はシンガポール国民のうち30%の信仰者を抱えていましたが、2015年にはその数は10%にまで下がっています。仏教とも2000年に43%と最大に増えた後、2015年には33%と縮小しました。 一方、最近シンガポールで増え始めているのはキリスト教徒です。1980年にはシンガポールの人口の10%がキリスト教を信仰していましたが、2015年にはその数は19%にまで増えました。背景には華人の間で英語教育が進んだことがあると考えられます。 シンガポールの国勢調査によると、2010年段階ではもっとも多いのが仏教徒(33.3%)となっており、次点にキリスト教徒(18.3%)が続きます。その他にもイスラム教徒(14.7%)、道教徒(10.9%)なども混在しているため、訪日シンガポール人と接する際には、宗教上のマナー・タブーとされていることに理解を深めておくことが重要です。

<参照>

  • 明石書店出版:田村麗子著「シンガポールを知るための65章」