アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策②準備編

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訪日外国人観光客の増加を背景に、様々なインバウンド対策を行っている飲食業界。2016年7月27日の株式会社JR東日本都市開発のプレスリリースによると、JR東日本は今年11月下旬までに、JR両国駅に「-両国- 江戸NOREN」を開業します。

これは、「味」「素材」「料理人」のこだわりを楽しめる複合飲食施設。「江戸」をコンセプトにした建物内で日本食を楽しむことができ、「日本食」に関心の高い訪日外国人観光客の集客を狙うとのことです。

他にもこのように、「日本食」を訪日外国人観光客に楽しんでもらう動きは多く見られ、飲食業界×インバウンドは今、注目のキーワードになっています。

先日の記事(アサヒ「飲食店おもてなし ヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編)の続編として今回は飲食店のインバウンド対策・準備編について解説。「飲食店おもてなし ヒントブック」内で紹介されていた飲食店の、インバウンド対策事例に加え関連情報をご紹介します。

<関連リンク>

アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編

訪日外国人観光客増加に伴って様々な取り組みを始めている飲食業界。8月24日の日本経済新聞によると、岐阜県高山市のまちづくり推進会社「まちづくり飛騨高山」は市内に訪日外国人観光客を対象とした飲食施設を建設すると発表しました。飲食×インバウンドの動きは全国各地で見ることができます。アサヒビール株式会社からは、全国の飲食店へインバウンド対策を提起するため「飲食店 おもてなしヒントブック」という資料が配信されています。「海外から日本に訪れるお客さまをおもてなしするためのノウハウ集」と題して作成され...


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

飲食店のインバウンド対策・準備編:ポイントは「外国語メニュー」「動画」「多言語端末」の3つ

飲食店訪日外国人観光客の受け入れ準備をする場合、「外国語メニュー」の導入、「動画」の配信、「多言語端末」の活用、この3つがポイントです。

訪日外国人観光客の集客に向け、既にインバウンド対策に取り組んでいる飲食店事例を参考にこの3つについて説明していきます。

 

「外国語メニュー」によるインバウンド対策例:「菜々 土古里」

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

「菜々 土古里」は東京都新宿区にある韓国料理店。同店では、訪日外国人観光客を受け入れるため、多言語版メニューを準備しています。メニューには日本語、英語、中国語の3言語が併記されています。

百貨店内にあることから、訪日外国人観光客の来客も多く、タイ語やスペイン語のメニューを用意することや、店頭のサンプルにも英語併記を加えることも検討しています。

Bizitjapanからメニュー英語表記例のデータベースが無料公開:料理名3,000個を英語に翻訳

「外国語メニュー」の提供に関するインバウンド対策として、英語情報発信のサポートを行う会社Bizitjapanから、面白い取り組みが始まっています。

同社では8月10日よりインバウンド対策を検討している飲食店に向け、メニュー英語表記例のデータベースを無料公開しました。その数、約3,000件。具体的な例を挙げると、

  • 「ガパオ」-「Gaprao-stir-fried minced pork and basil with rice」
  • 「ビスマルク風ピザ」-「Pizza Bismarck – pizza with soft cooked egg on top」

このように表記されます。ホームページから登録するだけで誰でも利用できるため、外国語メニューの提供によるインバウンド対策を検討している飲食店にとって大変有効なツールです。

 

「動画」によるインバウンド対策例:「浅草 つる次郎」

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

浅草に位置するお好み焼き店「浅草 つる太郎」。同店では、お好み焼きという素材を生かし、動画を見ながら実際に訪日外国人観光客に、お好み焼きを焼いてもらうという取り組みをしています。

店内はWi-Fiが完備してあるため、快適なネット環境になっています。それぞれの訪日外国人観光客が、自分の端末(スマホやタブレットなど)でお好み焼きの焼き方を動画で学ぶことができます。

その他にも、訪日外国人観光客がお好み焼きを作っている様子を写真で撮影し、プレゼントするサービスも始めました。

日本文化を気軽に体験できることや、写真撮影などのおもてなしサービスが好評で訪日外国人観光客の来客も増えています。

YouTubeでも訪日外国人観光客向けにお好み焼きの作り方に関する動画を配信

[embed]https://www.youtube.com/watch?v=bFGXzkTLA1Y[/embed]

YouTubeで検索してみると、「浅草 つる次郎」よりお好み焼きの作り方に関する動画が、アップロードされています。約17分に及ぶ動画で、訪日外国人観光客にもわかりやすいように、お好み焼きの作り方が説明されています。

 

「多言語端末」によるインバウンド対策例:「金の蔵」

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

「飲食店おもてなし ヒントブック」より引用

大手居酒屋チェーン「金の蔵」池袋サンシャイン通り店では、多言語対応注文端末を導入しました。

海外では珍しい飲み放題サービス、食べ放題サービス体験できることから居酒屋は訪日外国人観光客に人気でした。しかし、言語の関係で注文がスムーズにいかないことがあり、多言語対応注文端末の導入を開始しました。

言語を選択し、好きなメニューを選ぶだけで注文が完了することから、訪日外国人観光客に好評です。

大日本印刷では「飲食店向け多言語対応セルフオーダーシステム」を開発:訪日外国人観光客の注文時の不安を解消

大日本印刷イノベーション事業部では「飲食店向け多言語対応セルフオーダーシステム」を開発しています。

これは多言語対応の画面タッチ式の注文システム。訪日外国人観光客からの注文が厨房、会計に直結するため、飲食店におけるインバウンド対策として便利です。

一般的に外国語対応可能なスタッフの確保は、人件費がかかります。「金の蔵」のようなこうした「多言語対応注文端末」の導入は、長期的には安価で、何よりも楽。訪日外国人観光客に快適に食事を楽しんでもらうために有効なインバウンド対策だと考えられます。

 

まとめ:訪日外国人観光客の受け入れ準備のポイントは「外国語メニュー」「動画」「多言語端末」

先述の通り、飲食店における訪日外国人観光客の受け入れ準備にあたって、ポイントになってくるのは

  1. 「外国語メニュー」の導入。
  2. 「動画」の配信による説明。
  3. 「多言語端末」の活用。

この3つになります。それに加え、今回併せてご紹介したBizitjapanによるメニュー英語表記例のデータベースの活用も、訪日外国人観光客受け入れの準備対策として検討すべきかもしれません。

アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド」シリーズ。以下リンクから集客編、接客・料理編もご覧いただけます。

<関連リンク>

アサヒ「飲食店おもてなしヒントブック」から学ぶ飲食店インバウンド対策①集客編

訪日外国人観光客増加に伴って様々な取り組みを始めている飲食業界。8月24日の日本経済新聞によると、岐阜県高山市のまちづくり推進会社「まちづくり飛騨高山」は市内に訪日外国人観光客を対象とした飲食施設を建設すると発表しました。飲食×インバウンドの動きは全国各地で見ることができます。アサヒビール株式会社からは、全国の飲食店へインバウンド対策を提起するため「飲食店 おもてなしヒントブック」という資料が配信されています。「海外から日本に訪れるお客さまをおもてなしするためのノウハウ集」と題して作成され...

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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