文化庁は、「佐渡島の金山(さどのきんざん)」について世界文化遺産の登録が決まったことを発表しました。
国内での文化遺産の登録は、2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」に続き21件目となります。
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「佐渡島の金山」が世界遺産に
第46回世界遺産委員会にて、新潟県の「佐渡島の金山」が世界遺産に登録されることになりました。
「佐渡島の金山」は、17世紀における世界最大の金生産地です。世界的に機械化が進む16〜19世紀にかけて、伝統的手工業による生産技術を極限まで高め、世界の金の約1割を生産していたとも言われています。
大量かつ高品質な金生産を実現し、世界的にも類を見ない事例として評価されました。
日韓対立や再提出を経て登録へ
「佐渡島の金山」は2021年に推薦候補に決定していましたが、日韓対立を背景として国際連合教育科学文化機関(UNESCO)への推薦は見送られた過去があります。韓国は以前から「佐渡島の金山」にて朝鮮半島出身者の強制労働があったと主張しており、日本政府は韓国の意見に反論しつつ慎重な姿勢を取っていました。
2022年には再度ユネスコに推薦することを決めましたが、書類の不備が原因で登録は持ち越しとなりました。
その後、2023年1月に推薦書を再提出。ユネスコの諮問機関「イコモス」が現地調査し、世界遺産の登録を考慮するに値するとしつつ、資産の範囲の修正などを求める「情報照会」の勧告を出しました。政府は新潟県などと協力し、世界遺産登録を目指して対応していました。
今回、朝鮮半島出身労働者に関する歴史を現地の展示に反映するなどの対応をとったことで、韓国も登録に合意したと報道されています。
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経済効果は520億円、集客に効果があるか
2024年3月に発表された「2023年度 佐渡観光データ調査分析業務報告書」によると、2023年の佐渡島来訪者数はコロナ前の88%まで回復したものの、直近20年では減少の一途を辿っており、1994年の半数以下となっています。
また佐渡市の観光は夏が繁忙期、冬が閑散期となり、時期によって来訪者数に大きな差があるため、この差を埋める訪日外国人をいかに呼び込めるかが重要です。
世界遺産登録から1年後の佐渡市への経済波及効果は約520億円になると見込まれています。
この好機を取り込むべく、佐渡市はタクシー不足に対応するためのライドシェアや、古民家分散型宿泊施設の開業など、観光客受け入れ環境の整備を行なっています。
盛山文部科学大臣は、今回の登録に当たって、「世界遺産の登録はゴールではなくスタート。世界中の多くの人々が現地を訪れ、その魅力に触れられるよう、価値の発信や受け入れ環境の整備などが進められることを期待する」とコメントしています。
また、イコモスは、観光客の増加が資産に負の影響を与えないように配慮することなどを勧告したということです。
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<参照>
- 文化庁:「佐渡島の金山」に係る世界遺産委員会決議についてお知らせします(概要)
- 佐渡市:2023年度:佐渡観光データ調査分析業務報告書
- 佐渡市:佐渡版ライドシェアを開始します!
- 株式会社NOTE:四者連携協定によるプロジェクト第一弾 佐渡初の分散型ホテル 「NIPPONIA 佐渡相川 金山町」が2024年7月18日(木)に開業致します。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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