湿度が高く厳しい日本の夏。熱中症は日本人だけでなく、訪日外国人観光客にとっても問題です。初来日で日本の気候を経験したことのない場合は、なおさらのことでしょう。
しかし、日本語に不慣れな相手に対して、熱中症の危険性、対処法を説明するのはとても困難です。今回は、熱中症の解説に加え、訪日外国人観光客向けに利用できる資料をご紹介します。
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熱中症対策の症状、対処法
夏になると、日本では熱中症患者の発生が毎年のように報道されていますが、これは地球温暖化。ヒートアイランド現象などの影響で患者数が増加しているためだと思われます。環境省や厚生労働省などが啓発活動を行っているものの、湿度が高く厳しい日本の夏を乗り越えることは、日本人でさえ難しいようです。日本の気候に身体が慣れていない訪日外国人観光客にとっては、なおさら過酷に感じられるのではないでしょうか。
熱中症で身体を壊してしまっては日本旅行を楽しむことができません。インバウンドビジネスに取り組むためにも、改めて熱中症の症状、対策方法を確認しておきましょう。
症状の重さは3段階に分けることができ、以下の通りとなっています。
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重症度1
- 手足がしびれる
- めまい、立ちくらみがある
- 筋肉のこむら返りが起こる
- 気分が悪い、ボーっとする
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重症度2
- 頭痛で頭ががんがんする
- 吐き気を催す
- 倦怠感があり、身体がだるい
- 意識状態に影響が現れる
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重症度3
- 意識がなくなる
- けいれんにより、身体がひきつる
- 呼びかけに対して、ちゃんと答えることができない
- まっすぐに歩いたり、走ったりできない
- 身体が熱い
個人的にできる予防策は帽子の着用、こまめな水分、塩分の補給、直射日光の回避など。熱中症患者に対してはスポーツドリンク、食塩水(0.1~0.2%)を飲ませること、濡れタオルを身体に当てたり、扇ぐなどして身体を冷ましたりすることで、症状を改善させることができます。なお、良くならない場合は、病院で治療を受ける必要があります。日本では身近なトラブルとはいえ、熱中症の死亡例が毎年現れているので、軽く見てはいけません。
訪日外国人観光客向けに使える熱中症対策の資料
東京オリンピック、パラリンピックが開催されるのは2020年夏。日本の夏を知らない訪日外国人観光客が一斉に来日することが予想されており、日本人だけでなく、訪日外国人観光客も視野に入れた熱中症対策が行われています。
訪日外国人観光客に対応するには多言語対応は不可欠ですが、内容が特殊であればあるほど困難になります。挨拶を覚えるだけなら簡単ですが、医学に関連のある熱中症をちゃんと分かるように説明するのは、相当な語学力がなければ不可能だと言ってもよいでしょう。
そのうえ複数の言語に対応する場合にはかなりのコストがかかるため、民間の観光業者などが独力で多言語対応し、情報発信することは効率が悪いと思われます。
自治体や官公庁のWebサイトで訪日外国人観光客向けの熱中症対策の資料配布などが行われているので、これらをうまく活用するほうが賢いやり方だと言えるのではないでしょうか。以下、役立ちそうなWebサイトをご紹介します。
熱中症予防声かけプロジェクト
「熱中症予防声かけプロジェクト」は、環境省が民間企業などとともに行っている取り組みで、2012年にスタートしました。
熱中症の予防方法などについて解説しており、それらに関わる「こまめに水分補給しよう」「暑いところを避けよう」などの表現を、動画で紹介しています。
この動画に類似の内容を紹介するポスターの配布も。数量限定ではあるものの、送料を含む料金は一切無料になっており、気軽に取り寄せることができそうです。
また、日本語、英語、中国語、韓国語で表現した熱中症注意情報をWeb上で発信しており、訪日外国人観光客に直接見せることも可能です。当日~2日後までの予報を行っており、観光プランや服装の決定に役立ててもらえるのではないでしょうか。
埼玉県、島根県などのWebサイト
島根県、埼玉県のWebサイトでは多言語で熱中症の症状、予防方法などを解説しています。対応言語は島根県が日本語(ふりがな付き)、英語、中国語、ポルトガル語、タガログ語の5ヶ国語、埼玉県は日本語(ひらがなのみ)、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語の6か国語。
インバウンドビジネスを意識したものではないため、観光業者にとっては対応言語には過不足があると思えるかもしれません。しかし、これだけあれば必要最低限の多言語対応ができるのではないでしょうか。訪日外国人観光客にWebサイトを見てもらう、PDFとしてダウンロードして見てもらうなどして熱中症に関する知識を身に付けてもらうことができそうです。
まとめ:熱中症に関する既存の資料をうまく活用しよう
熱中症の危険性を訪日外国人観光客に説明するには多言語対応が必須です。内容の難しさを考慮すると、できる限り訪日外国人観光客の母国語を使うことが望ましく、1つだけではなく、いくつもの言語に対応する必要があります。
観光業者が独自に対応することはコスト面から考えて困難かもしれません。しかし、官公庁、自治体などは熱中症に関する資料を複数言語で制作しており、これらを役立てることができるのではないでしょうか。著作権などに配慮しつつ、上手に活用したいものです。
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