九州ふっこう割で熊本地震からの復興なるか:6月は既に復調傾向、インバウンドへの効果は8月以降に期待

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2016年(平成28年)4月14日に熊本県を襲った熊本地震。観光業にとって、かき入れ時となるゴールデンウィーク前に震災が発生し、宿泊キャンセルが相次ぎました。その数、2016年5月時点で56.8万件に及ぶほどに。

国内だけでなく、もちろんインバウンド市場にも打撃を与え、九州地方の主要訪日国である韓国を中心として、2016年5月の九州への外国人入国者数は前年度割れしました。

政府は、観光業の復興に向け支援施策を発表し、その取り組みとして「九州ふっこう割」が開始されました。先日のJNTOの訪日外客数プレスリリースでも触れられていたこの「九州ふっこう割」とはどのようなものなのでしょうか?九州の復興政策における位置づけなども含めて解説していきます。

 

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「九州ふっこう割」とは?九州行き旅行商品が最大70%OFFに

九州ふっこう割とは、九州旅行商品が最大70%割引される制度です。熊本地震によるキャンセルで損害を受けた九州の宿泊施設や観光施設を支援し、九州の観光復興を目的として設けられた制度です。

この制度を元に、九州各県が旅行関連会社に割引商品の企画・販売を依頼。旅行関連会社は割引額とキャンペーンの一部費用を助成金として受け取れる仕組みとなっています。

「九州ふっこう割お知らせサイト」スクリーンショット

九州ふっこう割お知らせサイト」スクリーンショット

夏休み期間を中心とした7―9月が第1期で、最大70%割引することで、夏休み需要に上乗せをすることが狙い。第2期は10―12月で、最大50%割引されます。それぞれ詳細は、

  • 第1期:7-9月

    • 熊本・大分:最大70%OFF
    • 福岡・佐賀・長崎・宮崎・鹿児島:最大50%OFF
  • 第2期

    • 熊本・大分:最大50%OFF
    • 福岡・佐賀・長崎・宮崎・鹿児島:最大40%OFFの割引

と、被害の大きかった熊本・大分両県の割引率が大きく設定されています。

九州ふっこう割の対象となる旅行プランは

  • 九州内の宿泊旅行
  • 九州への交通付き宿泊旅行
  • 九州内への日帰り旅行

と、宿泊に限定されておらず、日帰りのアクティビティなどもカバーしていることも特徴です。

「九州ふっこう割」の財源は国の支援助成金180億円を活用したもの

熊本地震による観光需要の減退に対する政府の支援は、応急的取り組みと短期的対応に区分されています。

応急的取り組みは、熊本地震の影響によって相次いだ宿泊施設利用のキャンセル、設備の損壊などの被害に対する資金面の支援です。

そして、短期的対応としての取り組みが、九州行き旅行商人の割引文を助成金でカバーすること、つまり、今回の「九州ふっこう割」による支援です。

九州ふっこう割のために用意された予算はおよそ180億。この予算がなくなり次第、この九州ふっこう割キャンペーンは終了になるとのことです。

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発売開始から40時間で21万枚が売り切れ!SNSでの反応は?

熊本県が販売した「九州ふっこう割熊本宿泊券」21万枚が発売開始から40時間で完売するなど、九州ふっこう割関連クーポンは非常に好調な売れ行きの模様。

この大胆な割引施策は、もちろん訪日外国人観光客も利用可能で、大手旅行代理店などは訪日外国人観光客向けに九州ふっこう割を活用した旅行商品を展開しています。

JNTO(日本政府観光局)やHISは、このキャンペーンをFacebookページにて訪日外国人観光客向けに周知。


JNTOの投稿では359いいね、39シェア(※記事執筆時点)

くまモンと九州の観光名所
▲Visit Japan InternationalのFacebook投稿:編集部スクリーンショット

Facebook:Visit Japan Internationaliによる投稿(https://www.facebook.com/visitjapaninternational/photos/a.233100593429028/1149682205104191/)


HISの投稿では1105いいね、108シェア(※記事執筆時点)

九州の温泉や風景
▲九州をPRするFacebook投稿:編集部スクリーンショット


Facebook:HISの投稿(https://www.facebook.com/DestinationJapanByHIS/posts/10153859161815914)


どちらの投稿においても好反応を博しています。

九州のインバウンド市場も復調基調:6月の九州入国者数は前年比10.8%増

国土交通省九州運輸局がまとめている「九州への外国人入国者数の推移について」によると、6月はすでに復調傾向にあるとのこと。

九州への外国人入国者数は、熊本地震の影響を受け、4月は前年比7.6%減、5月は24.4%減で、大幅な減退をしました。しかしながら、6月は前年比10.8%増加しており、すでに復調傾向にあることがわかります。

九州への外国人入国者数の推移:国土交通省九州運輸局「九州への外国人入国者数の推移について」より引用

九州への外国人入国者数の推移:国土交通省九州運輸局「九州への外国人入国者数の推移について」より引用

 

まとめ:国内旅行ではすでに効果あり、インバウンドでの効果は一歩遅れてくる模様

今回ご紹介した「九州ふっこう割」の販売開始は7月1日。海外旅行は通常に考えて渡航の1ヶ月以上前に計画・手配をすることを考えれば、この九州ふっこう割が九州のインバウンド市場に効果をもたらすのは8月ごろからと推測できます。

すでに6月の時点で風評被害から復帰しつつある九州。九州ふっこう割の効果で8月以降は更なるインバウンド需要の増加が見込まれます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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