「宿坊」とは?訪日外国人観光客に人気の理由:「宿泊施設不足の解消」と「日本文化の体験の提供」を実現

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訪日外国人観光客の増加に伴い、同観光客によるインバウンド消費額も増加しています。さらに、2020年の東京オリンピックに向け、政府は観光ビジョンの中で、訪日外国人観光客数の目標を4000 万人まで引き上げました。そんな追い風を受けている日本のインバウンド市場。しかし、日本国内では、訪日外国人観光客向けの、宿泊施設不足が問題となっています。

一般財団法人日本経済研究所から発表された「ご当地インバウンドにチャンスあり ~再発見! Gaikokujin に学ぶ魅惑の日本~」では、「外国人旅行者が日本で体験してみたい19のこと」と題して、訪日外国人観光客が、訪日時に体験したいことが紹介されています。その中の1つとして、取り上げられている「宿坊」。今回は、その「宿坊」に関してご紹介。宿泊施設不足といった課題を解決し、また日本文化を体験できるアクティビティーとなり、一挙両得のインバウンド対策となりうるでしょう。

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「宿坊」とは

「宿坊」とは、神社やお寺の中にある宿泊施設を指します。本来は、僧侶のみが宿泊する場所、または、参拝者が心身を清めるための施設でした。

しかし、現在では訪日外国人観光客を含めた、一般観光客などの宿泊も受け入れています。

「宿坊」と言っても様々な形態があり、お寺、神社の建物そのものに宿泊できるもの、敷地内にある別の建物に宿泊するものがあります。また、期間に関しても、常時受け入れているものから、季節限定で受け入れているものまで存在しています。

「写経」「座禅」など修行体験も提供:訪日外国人観光客に「和」を感じてもらう取り組みを実施

「宿坊」では、神社やお寺に泊まるだけではなく、修行体験も行うことができます。具体例としては、

  • 写経-仏教の経典を書写すること。祈願成就としても行われる。
  • 座禅-姿勢と呼吸を整える禅修行。
  • 精進料理-肉類が入っていない、栄養バランスが良い料理。
  • 法話-仏様の教えや人生のヒントを僧侶が聴衆の前で話すこと。
  • 読経-仏教の経典を音読すること。
  • 滝行-滝の水に打たれ、自然の中で精神統一を図ること。

が体験できます。
神社やお寺など、「和」「禅」を感じる宿泊施設内で「日本文化」も体験できるとして、「宿坊」は訪日外国人観光客にも人気です。

日本財団も「宿坊」に着目:寺院滞在を通じて訪日外国人観光客に日本文化を紹介

2016年2月25日のプレスリリースによると、日本財団は、文化体験プログラム「いろはにほん~Experience the Soul of Japan~」の開始を発表しました。

これは、「宿坊」をテーマとしたプログラム。日本文化の価値を再発見・再認識し、日本に対する理解と文化財に対する関心を高めることを目的としています。第一回目は、日本文化のひとつである「禅 / ZEN」をテーマに、坐禅や読経、茶礼等の体験が提供されました。同年3月8日に行われ、YouTube上では、プロモーション動画が紹介されています。

「宿坊ファンド」も登場:訪日外国人観光客がターゲットに

2016年8月19日の日経新聞によると、宿坊に投資するファンドが登場したとのこと。不動産ファンドである「燦キャピタルマネージメント」が全国寺社観光協会と連携。不動産投資に関心のある富裕層や、投資家から集めた資金で、訪日外国人観光客向けに、宿坊を広めていく計画を発表しました。

燦キャピタルは2016年8月、大阪市天王寺区に点在する寺社のための、宿坊を建設する会社「SPC」を設立。同地区から、宿坊の整備、運営を始めていき、2017年3月に30室前後の宿坊が、完成する見通しです。今後数年間で、全国で500件程度の宿坊の、稼働を目指します。

このように、「宿坊」というインバウンド市場に可能性を感じ、新たなビジネスが始まっている理由は何なのでしょうか?

「日本の伝統文化体験」は主に欧米圏からの訪日外国人観光客に人気:「宿坊」は安価であり、且つ宿泊施設不足解決にも有効

平成27年版観光白書について 観光庁より引用

平成27年版観光白書について 観光庁より引用

観光庁がリリースする「観光白書」には訪日外国人観光客を対象に行ったアンケート調査などの結果も掲載されています。

右のグラフは、同資料から引用した「訪日前に期待していたこと」という質問に対する訪日外国人観光客の出身国別の回答です。

「ショッピング」と回答しているのは、アジア圏からの訪日外国人観光客の割合が高く、一方で、「日本の歴史・伝統文化体験」と回答しているのは、多くが欧米圏からの訪日外国人観光客であるという傾向があります。

また、下記の記事でもご紹介した通り、日本では、まだまだ訪日外国人観光客向けの宿泊施設が不足しているのが現状。「宿坊」が普及することにより、宿泊施設不足の解消に貢献できる可能性があります。

また、「宿坊」は比較的安価なため、訪日外国人観光客にも利用しやすいという利点もあります。

ラブホテルは訪日客の宿泊施設不足の救世主!?:大阪の宿泊施設の41%がラブホテル 政府も改装支援方針決定

先日7月29日に観光庁より宿泊旅行統計調査の5月の第2次速報および6月の第1次速報が発表されました。観光庁によれば、6月の全体の延べ宿泊者数は3,771万人泊で、前年同月比+0.7%、外国人延べ宿泊者数は、前年比+13.1%とのこと。そこで問題に上がってきているのが宿泊施設不足です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時には、およそ1万室以上の客室不足が懸念されています。その解決策として注目されているのが「ラブホテル(レジャーホテル)」。先月6月11日に、政府がラブホテルの改...

まとめ:「宿坊」は訪日外国人観光客へ「宿泊施設不足の解消」と「日本文化の体験の提供」を実現。新たなインバウンド対策として期待

先述の通り、「宿坊」は宿泊施設不足の解消、日本文化の体験の提供の実現を可能にします。これから、宿泊業界において、インバウンド対策をとる場合、神社やお寺など「日本の伝統」を感じることのできるサービスを提供するのも、有効な選択肢になります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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