格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。
近年ではリピーターの訪日外国人観光客も増えてきており、このような人たちは前回の訪日時に体験できなかったことを求め、地方に訪問する傾向にあります。
インバウンド動向において、地方にもスポットライトが当たりはじめる中、情報伝達の不足や、インバウンド対策の遅れを理由に、地方間でも訪日外国人観光客の訪問数に差が出始めています。
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションについてより詳しい資料のダウンロードはこちら
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- 北陸3県に宿泊する訪日外国人観光客の割合はわずか1%:インバウンド誘致に苦戦
- 北陸3県(福井県、富山県、石川県)でインバウンド誘致の取り組みが始まる
- [福井県]「外国人の視点」から地域の魅力を発信:「Fukui レポーターズ」を募集
- [富山県]「宇奈月温泉」の宿泊施設が海外からインターン生を受け入れ:海外の若者の声をインバウンド誘致に活かす
- [石川県]サイクリングを通じた「スポーツツーリズム」で訪日外国人観光客誘致へ
- 「訪日外国人旅行者数 2000 万人の受入に向けた北陸信越ブロック連絡会」が設立:北陸信越におけるインバウンド受け入れ環境改善が目的
- まとめ:「外国人」の視点からの地域の魅力を発信する北陸3県:インバウンド誘致は加速へ
目次
北陸3県に宿泊する訪日外国人観光客の割合はわずか1%:インバウンド誘致に苦戦
2016年6月30日に観光庁によりリリースされた「宿泊旅行統計調査」によると、2015年度の訪日外国人観光客延べ宿泊者数は、全体で約6500万人でした。
その中で、北陸3県である福井県、富山県、石川県に宿泊した訪日外国人観光客の数はそれぞれ6万人、21万人、52万人。合計で79万人です。
この数は、日本全体の訪日外国人観光客の宿泊者数と比較した場合、わずか1%でしかありません
北陸新幹線の開通により、北陸を訪問する訪日外国人観光客の数は増加していると思われがちですが、インバウンド誘致が思った以上に進んでいないことがわかります。
北陸3県(福井県、富山県、石川県)でインバウンド誘致の取り組みが始まる
そのような背景を受け、福井県、富山県、石川県の3県では訪日外国人観光客誘致のための取り組みを始めています。
[福井県]「外国人の視点」から地域の魅力を発信:「Fukui レポーターズ」を募集
福井県庁の国際経済課のページでは、「Fukuiレポーターズ」を募集しています。
「Fukuiレポーターズ」とは、SNSにより福井県の観光情報の発信を行う留学生や福井県に在住する外国人を指します。基本的に英語と中国語での情報発信をします。
主な任務は
- 福井のことを知り、発信するための催しに積極的に参加し、情報を発信すること
- 海外展開する企業を積極的に訪問し、技術や商品等の情報を発信すること
- 福井県の観光地等を自ら積極的に訪問し、観光や食等の情報を発信すること
- 他のレポーターズの発信した福井の情報の拡散に努めること
- 福井県が開催する意見交換会に積極的に参加すること
となっており、外国人視点から新たな観光資材の発掘を目指します。
[富山県]「宇奈月温泉」の宿泊施設が海外からインターン生を受け入れ:海外の若者の声をインバウンド誘致に活かす
富山県では同県を代表する温泉「宇奈月温泉」周辺の7つの宿泊施設が、台湾とタイの大学からインターンシップを受け入れています。海外の若者の声をインバウンド誘致へ活用することが目的です。
富山県では、2015年の訪日外国人観光客数が前年比46%増えています。海外の口コミサイトでは立山黒部アルペンルートが国内観光地ランキングの上位にランクインしており、このペースでインバウンド誘致を加速させていくとしています。
[石川県]サイクリングを通じた「スポーツツーリズム」で訪日外国人観光客誘致へ
石川県七尾市の和倉温泉旅館協同組合は、海外メディアを活用し、訪日外国人観光客誘致を狙います。
今月23日から、アメリカで年間3万部を発行する自転車専門誌の記者を七尾市周辺に招待。サイクリングを通じた石川県の魅力を、年明けの誌面で紹介してもらうとのこと。
その後は、アメリカ人記者からのアドバイスをもとに、和倉温泉周辺にサイクリングコースを設定。英語版サイクリングコースマップの作成も実施します。このように、石川県七尾市では「スポーツツーリズム」を通じてインバウンド誘致を狙っていいきます。
石川県では、北陸新幹線開通により、主に金沢市を中心にインバウンド需要が高まっていました。しかし、基本的に金沢市の観光が中心になっており、和倉温泉など金沢市周辺の地域ではなかなかインバウンド誘致が進んでいませんでした。
今回のサイクリングを通じたスポーツツーリズムによる地域復興で、まず能登地方の自然を短時間で楽しめるサイクリングを知ってもらい、最終的には、金沢市以外でも訪日外国人観光客の宿泊を喚起することが目的です。
ご紹介したように北陸地方では、先述のように各県・自治体ごとにインバウンド誘致の取り組みをおこなっています。それに加え、北陸地方が一体となってインバウンド誘致を喚起するための団体も設立されています。
東京五輪に向け、盛り上がりを見せるスポーツツーリズム:観光資源を組み合わせ、独自性のある地域づくり
2010年頃から、観光庁による取り組みがスタートし、近年、注目を集めているスポーツツーリズム。2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向け、さらに盛り上がっていくことが予想されます。今回は、日本におけるスポーツツーリズムの動向、対象となる訪日外国人観光客などをご紹介します。 目次スポーツツーリズムとは古代オリンピックから存在する歴史の長い旅行形態スポーツツーリズムに関する日本の動向日本が目指すスポーツツーリズムのあり方とは他の観光資源と組み合わせ、独自性の強い地域づくり主な対象は韓国...
1300万のインバウンド消費!Mt.富士ヒルクライムに見るスポーツツーリズムとインバウンド効果:前編
先日、6月12日(日)に行われた「富士の国やまなし 第13回Mt.富士ヒルクライム」。同大会は富士スバルラインの料金所手前から五合目までの距離25km、1,270mを駆け登る自転車のヒルクライム(坂登り)レースです。同日6月12日に「富士の国やまなし 第13回Mt.富士ヒルクライム」公式HPに発表されたリザルトをみると、意外と外国人名がチラホラ目につきます。訪日ラボで訪日豪州人観光客のサイクリングの人気についてお伝えしたように、スポーツツーリズムの波がじわじわと広まっています。今回は、「富...
「訪日外国人旅行者数 2000 万人の受入に向けた北陸信越ブロック連絡会」が設立:北陸信越におけるインバウンド受け入れ環境改善が目的
2015年3月には「訪日外国人旅行者数 2000 万人の受入に向けた北陸信越ブロック連絡会」が設立されています。
これは、北陸信越地域において、同連絡会が各地域ごとのインバウンド受け入れの現状と課題を把握し、訪日外国人観光客誘致のために必要とされる改善案を提案、実行するための機関です。
2015年12月21日に開催した同連絡会では、富山県、新潟市、金沢駅、石川県のインバウンド受け入れ環境に関する課題の取組状況、改善結果について、とりまとめを行いました。
富山県では、立山黒部アルペンルート繁忙期における訪日外国人団体観光客用貸切バスの確保が、困難になっていることから海外の旅行会社に対し早期のバス予約の呼びかけを行いました。
新潟市では、「手ぶら観光」促進のため、6言語対応の手荷物配送サービスを開始。金沢駅ではコインロッカーの増設を行いました。
石川県では世界農業遺産に登録された「能登の里山里海」の景観や「霊峰白山と手取峡谷」の景色など、魅力的な石川県の観光資材を活用するため、休憩施設である「寄り道パーキング」の整備を進めています。ゆっくりと周遊するために駐車スペースや観光案内板が設置してあります。
北陸地方では県ごとの取り組みに加え、地方が一体となった大枠の訪日外国人観光客誘致の取り組みも同時に行われています。
訪日外国人の「手ぶら観光」の促進へ 国交省「手ぶら観光カウンター」を大幅に拡充 地方におけるインバウンド効果に期待
平成28年8月17日の発表によると、国土交通省は訪日外国人観光客の「手ぶら観光」を推進するため、整備や機能強化をおこなう民間事業の2次募集を行っています。認定された事業には国から経費の1/3が支給される予定です。これから整備が進んでいくであろうインバウンド対策「手ぶら観光」。一体どのようなシステムなのでしょうか? 手ぶら観光・受け入れ環境整備で注目浴びる「荷物預かり」サービスについてより詳しい資料のダウンロードはこちら 「荷物預かり」の資料をDLして詳しく見てみる [cta_toc_...
まとめ:「外国人」の視点からの地域の魅力を発信する北陸3県:インバウンド誘致は加速へ
訪日外国人観光客の訪問が、比較的少ない傾向にある北陸地方。そんな現状を打破するために、各県において「外国人の視点」から地域の魅力を発信することで、インバウンド誘致に取り組んでいます。
また、「訪日外国人旅行者数 2000 万人の受入に向けた北陸信越ブロック連絡会」が設立されたことにより、大枠での訪日外国人観光客集客に関する課題の把握、解決策の実行が可能になりました。
各県の取り組みと地方一体となったでのインバウンド受け入れ環境整備により、これから北陸地方は、新たな訪日外国人観光客に人気のスポットになっていくことが予測されます。
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションについてより詳しい資料のダウンロードはこちら
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
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