訪日外国人観光客が日本国内を周遊するにあたって、国内の交通機関におけるインバウンド対策は必須です。
これまでのご紹介した交通業界のインバウンド誘致に向けた取り組みとして、JR東日本では、インバウンド向けに鎌倉駅のリニューアル実施や、運行廃止の寝台特急「北斗星」を再利用したインバウンド向けホステルを開業。小田急電鉄では、タイに新事務所を開設しました。また、東京メトロでは訪日外国人観光客向け対策広報キャンペーンとして「すすメトロ!」を展開しています。
国内の鉄道業界におけるインバウンド対策が進む中、東急電鉄でも訪日外国人観光客誘致に向けた新たな対策が行われます。
<関連記事>
鎌倉駅のインバウンド対策とは?:JR東日本が駅舎リニューアル、訪日外国人向け「観光案内所」拡充も
格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。訪日外国人観光客に人気の観光地は、以前であればゴールデンルートに偏っていました。しかし、最近では今まで注目度の少なかった地方部にも訪日外国人観光客は増えています。そういった背景を踏まえ、地域の魅力をより多く発信するため、鉄道会社や自治体は、駅や訪日外国人観光客向け観光案内所のリニューアルを実施しています。 目次JR東日本株式会社「JR...
JR東日本、運行廃止の寝台特急「北斗星」を再利用したホステルを開発:訪日外国人観光客向け宿泊施設不足の現状が背景に
訪日外国人観光客の増加から、東京や大阪などの大都市圏、京都など人気観光地では、宿泊施設不足に陥っています。宿泊施設不足を解消するため、民泊やラブホテルを改装して利用する、などの対策が進んでいますが、鉄道会社であるJR東日本グループでは一風変わったインバウンド対策が行われています。<関連記事>目次運行廃止の寝台特急「北斗星」を再利用したホステルを開発:訪日外国人観光客がターゲットに総武快速線の馬喰町駅直結のビルに開業:英語対応や、無料Wi-Fiの導入なども翌年には女性専用のカプセルホテル「神...
小田急、タイ・バンコクに新事務所開設:訪日タイ人観光客誘致 インバウンド対策に取り組む
訪日外国人観光客の増加を背景に、鉄道業界では様々なインバウンド対策に乗り出しています。近畿日本鉄道では、車両を豪華に仕上げた観光列車の導入を始めます。26日、同社は、大阪阿部野橋(大阪市)から吉野(奈良県)間を運行する観光特急を報道陣に公開。9月から運行が開始されます。主なターゲットは、裕福なシニア層と訪日外国人観光客。車内設備を豪華にすることで、長距離移動も快適になり、また車窓から美しい景色も楽しむことができることから、訪日外国人観光客への観光PRにつながるとしています。JR西日本とJR...
東京メトロ ドラえもんを起用し、訪日外国人対応を紹介するキャンペーン「すすメトロ!」を展開
2016年2月、アメリカ版ドラえもん「DoRaEMON」が日本に逆輸入されたことが話題になりました。アニメ「ドラえもん」の公式なアメリカへの輸出は比較的遅く2014年のこと。しかしながら、アジア諸国では1990年代から輸出スタートし、最も知名度の高い日本のキャラクターの1つに数えられます。東京メトロのキャンペーン「すすメトロ!」ー東京メトロより引用そのドラえもんを起用した東京メトロのキャンペーン「すすメトロ!」が2016年4月1日からスタートしました。そして2016年7月1日からキャンペー...
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
東急電鉄インバウンド向け通訳サービス「SMILE CALL」400台を一斉導入
東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)は、11月1日より東急線全駅でインバウンド向け通訳サービス「SMILE CALL(スマイルコール)」(以下、SMILE CALL)の導入を開始します。
「SMILE CALL」とはiPhone・iPadを通じた通訳サービス:リアルタイムで訪日外国人観光客との会話が可能に
「SMILE CALL(スマイルコール)」は、株式会社インデンコンサルティングが運営する通訳サービス。
iPhone・iPadのビデオチャット機能を利用し、訪日外国人観光客とのコミュニケーションが可能になります。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の5言語に対応。24時間の利用が可能で、接続率95%、通話開始までの待ち時間10秒以内を保証しています。
すでに「スマイルコール」は、全国で300社以上に利用されており、医療分野にも活躍の場を広げています。
<関連記事>
次世代通訳サービス「SMILE CALL」:リアルタイムで訪日外国人観光客との通訳が可能 に。導入例もご紹介
訪日外国人観光客が旅行中に困ったこと:観光庁より引用英語を主とした外国語対策。これは、日本がさらなる訪日外国人観光客を、集めるために避けて通れないものです。観光庁により、2016年1月12日に発表された「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」では、訪日外国人観光客が、旅行中に困ったことや、受け入れ環境のニーズに関して紹介されています。「旅行中に困ったこと」との質問に対して、最も割合が高かった回答が、「無料公衆無線LAN環境」。2番目に高かったものが、「施設等のスタッフ...
SMILE CALL導入で東急線全線で訪日外国人観光客との円滑なコミュニケーションが可能に
東急電鉄全線駅(こどもの国駅、恩田駅、三軒茶屋駅と下高井戸駅以外の世田谷線各駅を除く)においてSMILE CALLは、初電から終電まで利用が可能になります。
SMILE CALLの活用により、列車の行先や到着時刻、周辺案内や乗車券の購入方法、忘れ物に関する問い合わせなど、訪日外国人観光客の要望に幅広く対応することができるようになります。
東急電鉄では、このほかにもインバウンド誘致に向けた取り組みを行っています。
今年4月より英語版ホームページをリニューアル:「TOKYU Railway TOUCH TALK」も導入
東急電鉄では、2016年4月21日にオフィシャルページの英語版をリニューアルしました。
新バージョンでは、訪日外国人観光客向けに運行情報、運賃検索、乗換案内について、新たに英語でのサービスを開始。利用頻度の高いコンテンツをトップページの中央に配置するなど、使いやすさにこだわったデザインに変わりました。
また、訪日外国人観光客が聞きたい事柄をボードに描かれた英文と絵を指さしながら駅員とやり取りができるツール「TOKYU Railway TOUCH TALK」も導入しています。
インバウンド向け通訳サービス「SMILE CALL」の導入開始や、英語版ホームページのリニューアル、さらには「TOKYU Railway TOUCH TALK」の導入など、様々な外国語対策をおこなう東急電鉄。背景には何があるのでしょうか?
背景には移動時における訪日外国人観光客のコミュニケーションの不安が
観光庁により、2016年1月12日に発表された「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」では、訪日外国人観光客が、旅行中に困ったことや、受け入れ環境のニーズに関して紹介されています。
「旅行中に困ったこと」との質問に対して、「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等)」が35.7%と2番目に高い数値を記録。
「公共交通の利用方法」「公共交通の乗り場情報」「目的地までの公共交通の経路情報の入手」 など交通機関に関する回答も確認できます。
ここから、訪日外国人観光客は施設や店舗などのスタッフとのコミュニケーション時や、鉄道やバスなど交通機関利用時のインバウンド受け入れ環境に不満を抱えていることがわかります。
今回の東急電鉄における通訳サービス「SMILE CALL」の導入では、こういった訪日外国人観光客の不安を解消したいという意図があることが予測できます。
まとめ:東急電鉄が「SMILE CALL」を活用した外国語対応におけるインバウンド対策を実施
インバウンド利用促進を目的に、東急電鉄では訪日外国人観光客向け通訳サービス「SMILE CALL」を全線に導入します。
これによってコミュニケーションや移動時の不安の解消が実現し、訪日外国人観光客にとってより快適な観光が可能になります。
2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!
<本セミナーのポイント>
- 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
- 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
-
質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、タイの2025年祝日発表 ほか:インバウンド情報まとめ【2024年11月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!