中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和や、格安航空会社(LCC)の普及、また円安が進んだことなどを理由に、インバウンド需要が拡大し続けています。
各企業にとって、インバウンド誘致は事業を拡大するための大きなチャンスとなっており、国内ではさまざまな訪日外国人観光客集客を目的とした取り組みが行われています。
高級宿泊施設予約サイト「Relux(リラックス)」を運営する株式会社Loco Partnersでもインバウンド事業を拡大しています。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
高級宿泊予約サイトRelux:アプリを4か国語対応に
「Relux(リラックス)」とは、一流旅館・ホテルのみを厳選した、会員制の宿泊予約サービスです。登録ユーザーは、専用サイトやアプリ(iOS、Android)を通じて、高級宿泊施設の予約をすることができます。
「Relux(リラックス)」は、2016年12月より、専用のiOSアプリ、Androidアプリにおいて、「日本語」「中国語」「韓国語」
「Relux(リラックス)」は、2015年4月にインバウンド事業を始めて以降、会員数を順調に伸ばし、2017年1月にはインバウンド会員数が7万人を突破しています。今後は中国や台湾など、アジア圏を軸としてインバウンド事業を拡大していくとのこと。
「Relux(リラックス)」が、スマートフォンアプリにおける多言語化を実施した理由は何なのでしょうか?
海外で高いスマホ利用率:中国・韓国ではほとんど100%
2016年7月に総務省より発表された「平成28年版 情報通信白書」では、「スマートフォン・タブレット等の利用率」と題して、各国の年代別のスマートフォンの利用率が記載されています。
日本の全世代平均は60.2%となっており、調査対象となった他の国の平均値よりも低い結果になっています。
その一方、韓国や中国でのスマートフォンの普及率はそれぞれ96.6%、98.3%となっており、100%に近い数値を記録しています。
「Relux(リラックス)」の予約状況においても、全予約の約60%が、スマートフォンからとなっています。また、40%がアプリを経由した予約になっているとのこと。
各国で高いスマートフォン普及率・アプリの使用率を背景に、スマートフォンアプリ上での多言語化を進めていることが把握できます。
2014年にはグローバルサイトもオープン:4カ国語対応&「日本円」での予約決済対応サービスを展開中
また、「Relux(リラックス)」は、インバウンド対策として、2014年より訪日外国人観光客向けの専用グローバルサイトも開設しています。
グローバルサイトでは、現在「日本語」「中国語」「韓国語」
先述の通り、訪日外国人観光客の利用増加を受け、アプリの多言語化・グローバルサイトのオープンなどインバウンド対策を進める「Relux(リラックス)」。
そもそもこうした高級宿泊施設予約サービスが、インバウンド需要を獲得している背景には、一体何があるのでしょうか?
富裕層旅行者は対前年比135%を記録:観光庁も富裕層のインバウンド誘致を喚起
「Relux(リラックス)」のようなインバウンドサービスが人気を集めている背景として、
- 国からの富裕層のインバウンド誘致喚起
- 富裕層の訪日外国人観光客の増加
- コト消費へのシフト
この3つが挙げられます。
2016年4月26日に観光庁は、「平成28年度訪日プロモーション方針」をリリースしました。これはビジット・ジャパン事業(*)の実施に当たっての基本方針を定めたものです。
このプロモーション方針内では、富裕層をターゲットとしたプロモーションを実施するとの記載があり、国として富裕層のインバウンド誘致を進めていきたいという意図が読み取れます。
また、2015年度の富裕層の訪日外国人観光客は、対前年35%増となっているともいわれ、国内でも富裕層の訪日外国人観光客の増加という背景に目をつけた様々なサービスの提供も始まっています。
*ビジット・ジャパン事業:日本政府観光局(JNTO)が行う訪日旅行促進のためのプロモーション事業
<関連記事>
対前年135%を記録?富裕層の訪日外国人観光客を取り込む動き:「ILTM」の開催やインバウンド向け高級飲食店予約サービス・リムジンサービスな
中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和や、格安航空会社(LCC)の普及、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。そのような背景を受け、各自治体、事業者はインバウンド誘致による収益の確保を目指しています。インバウンド誘致を進めるうえで、顧客のターゲット層をどこに設定するかは、重要なポイントになります。従来であれば基本的に一般の訪日外国人観光客がターゲットになりやすい傾向がありました。しかし、最近では一般人よりも所得が高い「富裕層」の訪日外国人観光...
さらに、中国市場をはじめとして、インバウンド市場全体が、体験やサービスを重要視する「コト消費」にシフトしつつあることが、富裕層インバウンド需要にオンする形で、このようなサービスの需要を押し上げていると考えられます。
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コト消費とは? 訪日外国人の消費行動がサービスや体験に移行
目次コト消費とは「コト消費」はいつから使われ始めた?インバウンドでの「コト消費」の使われ方は?なぜ「コト消費」という言葉が注目され始めたのかコト消費とはインバウンドにおける「コト消費」とは、訪日外国人観光客が旅館やホテルなどでの宿泊、観光地やアクティビティーでの体験など、経験・体験に対して価値を見出す消費行動のことをいいます。インバウンド業界のみならず、一般のニュースにおいても、訪日中国人観光客の「爆買い」というキーワードが騒がせていましたが、為替相場が元安円高傾向にふれるにつれ、訪日中国...
まとめ:訪日客の高級志向からインバウンド対策を進めるRelux(リラックス)
今回ご紹介した高級宿泊施設予約サイト「Relux(リラックス)」。国からの富裕層のインバウンド誘致喚起や、富裕層の訪日外国人観光客の増加から、人気のサービスになっています。
富裕層向けの宿泊施設やサービスの提供には、今後もインバウンド需要がありそうです。
<参照>
- 平成28年版 情報通信白書:総務省
- 平成28年度訪日プロモーション方針:観光庁
- 高級宿泊予約「Relux」、インバウンド強化でアプリを3か国語対応、会員数が5万人超に:TRAVEL VOICE
- Reluxアプリが中国語・韓国語・英語の3ヶ国語に対応開始 ?アジア圏を中心に訪日旅行事業の拡大強化を図る?:プレスリリース
- 総額3.3億円の第三者割当増資を実施し、relux 訪日外国人旅行者向けのグローバルサイトをオープン:プレスリリース
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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