中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和や、格安航空会社(LCC)の普及、また円安が進んだことなどを理由に、インバウンド需要が拡大し続けています。
各企業にとって、インバウンド誘致は事業を拡大するための大きなチャンスとなっており、国内ではさまざまな訪日外国人観光客集客を目的とした取り組みが行われています。
高級宿泊施設予約サイト「Relux(リラックス)」を運営する株式会社Loco Partnersでもインバウンド事業を拡大しています。
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高級宿泊予約サイトRelux:アプリを4か国語対応に
「Relux(リラックス)」とは、一流旅館・ホテルのみを厳選した、会員制の宿泊予約サービスです。登録ユーザーは、専用サイトやアプリ(iOS、Android)を通じて、高級宿泊施設の予約をすることができます。
「Relux(リラックス)」は、2016年12月より、専用のiOSアプリ、Androidアプリにおいて、「日本語」「中国語」「韓国語」
「Relux(リラックス)」は、2015年4月にインバウンド事業を始めて以降、会員数を順調に伸ばし、2017年1月にはインバウンド会員数が7万人を突破しています。今後は中国や台湾など、アジア圏を軸としてインバウンド事業を拡大していくとのこと。
「Relux(リラックス)」が、スマートフォンアプリにおける多言語化を実施した理由は何なのでしょうか?
海外で高いスマホ利用率:中国・韓国ではほとんど100%
2016年7月に総務省より発表された「平成28年版 情報通信白書」では、「スマートフォン・タブレット等の利用率」と題して、各国の年代別のスマートフォンの利用率が記載されています。
日本の全世代平均は60.2%となっており、調査対象となった他の国の平均値よりも低い結果になっています。
その一方、韓国や中国でのスマートフォンの普及率はそれぞれ96.6%、98.3%となっており、100%に近い数値を記録しています。
「Relux(リラックス)」の予約状況においても、全予約の約60%が、スマートフォンからとなっています。また、40%がアプリを経由した予約になっているとのこと。
各国で高いスマートフォン普及率・アプリの使用率を背景に、スマートフォンアプリ上での多言語化を進めていることが把握できます。
2014年にはグローバルサイトもオープン:4カ国語対応&「日本円」での予約決済対応サービスを展開中
また、「Relux(リラックス)」は、インバウンド対策として、2014年より訪日外国人観光客向けの専用グローバルサイトも開設しています。
グローバルサイトでは、現在「日本語」「中国語」「韓国語」
先述の通り、訪日外国人観光客の利用増加を受け、アプリの多言語化・グローバルサイトのオープンなどインバウンド対策を進める「Relux(リラックス)」。
そもそもこうした高級宿泊施設予約サービスが、インバウンド需要を獲得している背景には、一体何があるのでしょうか?
富裕層旅行者は対前年比135%を記録:観光庁も富裕層のインバウンド誘致を喚起
「Relux(リラックス)」のようなインバウンドサービスが人気を集めている背景として、
- 国からの富裕層のインバウンド誘致喚起
- 富裕層の訪日外国人観光客の増加
- コト消費へのシフト
この3つが挙げられます。
2016年4月26日に観光庁は、「平成28年度訪日プロモーション方針」をリリースしました。これはビジット・ジャパン事業(*)の実施に当たっての基本方針を定めたものです。
このプロモーション方針内では、富裕層をターゲットとしたプロモーションを実施するとの記載があり、国として富裕層のインバウンド誘致を進めていきたいという意図が読み取れます。
また、2015年度の富裕層の訪日外国人観光客は、対前年35%増となっているともいわれ、国内でも富裕層の訪日外国人観光客の増加という背景に目をつけた様々なサービスの提供も始まっています。
*ビジット・ジャパン事業:日本政府観光局(JNTO)が行う訪日旅行促進のためのプロモーション事業
<関連記事>
対前年135%を記録?富裕層の訪日外国人観光客を取り込む動き:「ILTM」の開催やインバウンド向け高級飲食店予約サービス・リムジンサービスな
中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和や、格安航空会社(LCC)の普及、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。そのような背景を受け、各自治体、事業者はインバウンド誘致による収益の確保を目指しています。インバウンド誘致を進めるうえで、顧客のターゲット層をどこに設定するかは、重要なポイントになります。従来であれば基本的に一般の訪日外国人観光客がターゲットになりやすい傾向がありました。しかし、最近では一般人よりも所得が高い「富裕層」の訪日外国人観光...
さらに、中国市場をはじめとして、インバウンド市場全体が、体験やサービスを重要視する「コト消費」にシフトしつつあることが、富裕層インバウンド需要にオンする形で、このようなサービスの需要を押し上げていると考えられます。
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コト消費とは? 訪日外国人の消費行動がサービスや体験に移行
目次コト消費とは「コト消費」はいつから使われ始めた?インバウンドでの「コト消費」の使われ方は?なぜ「コト消費」という言葉が注目され始めたのかコト消費とはインバウンドにおける「コト消費」とは、訪日外国人観光客が旅館やホテルなどでの宿泊、観光地やアクティビティーでの体験など、経験・体験に対して価値を見出す消費行動のことをいいます。インバウンド業界のみならず、一般のニュースにおいても、訪日中国人観光客の「爆買い」というキーワードが騒がせていましたが、為替相場が元安円高傾向にふれるにつれ、訪日中国...
まとめ:訪日客の高級志向からインバウンド対策を進めるRelux(リラックス)
今回ご紹介した高級宿泊施設予約サイト「Relux(リラックス)」。国からの富裕層のインバウンド誘致喚起や、富裕層の訪日外国人観光客の増加から、人気のサービスになっています。
富裕層向けの宿泊施設やサービスの提供には、今後もインバウンド需要がありそうです。
<参照>
- 平成28年版 情報通信白書:総務省
- 平成28年度訪日プロモーション方針:観光庁
- 高級宿泊予約「Relux」、インバウンド強化でアプリを3か国語対応、会員数が5万人超に:TRAVEL VOICE
- Reluxアプリが中国語・韓国語・英語の3ヶ国語に対応開始 ?アジア圏を中心に訪日旅行事業の拡大強化を図る?:プレスリリース
- 総額3.3億円の第三者割当増資を実施し、relux 訪日外国人旅行者向けのグローバルサイトをオープン:プレスリリース
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WeChat Pay&大衆点評に聞く「中国インバウンド」最新動向!好調の裏で起こる旅行者層・トレンドの"変化"とは?
最新のデータによると、中国からの訪日客数は月間77万6,500人となり、これまで1位だった韓国を抜き、2022年10月の水際対策緩和後初めて1位となりました。順調に回復してきている中国市場に向けて、プロモーションなどの施策を再開したいと考えている方も多いでしょう。
一方で、訪日中国人の旅行者層やトレンドには、ある"変化"が起こっており、「コロナ禍前と同じやり方では上手くいかない」可能性も出てきているといいます。
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【インバウンド情報まとめ 2024年8月後編】7月の訪日外客数329万人 中国がコロナ後初の1位に 他
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この記事では、主に8月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。
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