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コト消費とは
インバウンドにおける「コト消費」とは、訪日外国人観光客が旅館やホテルなどでの宿泊、観光地やアクティビティーでの体験など、経験・体験に対して価値を見出す消費行動のことをいいます。
インバウンド業界のみならず、一般のニュースにおいても、訪日中国人観光客の「爆買い」というキーワードが騒がせていましたが、為替相場が元安円高傾向にふれるにつれ、訪日中国人観光客の買い物消費額が減少し、より日本らしい観光などの「体験」を求めるようにシフトしてきています。
「コト消費」はいつから使われ始めた?
「コト消費」という言葉の発祥は高度経済成長期以降の日本人の消費行動分析にあると言われています。脱戦後を果たした1950年代には、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が「三種の神器」として、また高度経済成長期には、カラーテレビ (Color television)・クーラー (Cooler)・自動車 (Car) が「3C(新・三種の神器)」として喧伝されたように、この頃の日本では、モノを所有することに価値を見出していました。
しかしながら、バブルが弾け、経済が低迷するにつれ、2000年ごろから「サービスや体験などで得られる満足感」が購買の判断基準になりました。これを「コト消費」と呼び始めたのが、その発祥と言われています。
インバウンドにおいては、訪日中国人観光客による爆買いに陰りが見え始めてきた2015年末〜2016年初頭頃から、訪日外国人の消費動向を分析する用語として徐々に使われるようになりました。
インバウンドでの「コト消費」の使われ方は?
インバウンドにおいても「コト消費」は、前述の日本人の消費行動分析での使われ方と同様に「訪日外国人観光客がサービスや体験などで得られる満足感を重視して消費すること」といった意味で使われます。
対義語は「モノ消費」で、これは「訪日外国人観光客が商品を購入すること、または購入した商品そのもので得られる満足度を重視して消費すること」を意味します。おもに訪日中国人観光客に見られた、日本製品を大量購入していく「爆買い」も、この「モノ消費」に該当します。
なぜ「コト消費」という言葉が注目され始めたのか
それでは、なぜインバウンド業界においても、この「コト消費」という言葉が注目され始めたのでしょうか。その理由は、インバウンド市場において圧倒的なシェアを誇る訪日中国人観光客の消費行動の変遷にあります。
訪日中国人観光客数は2014年を期に爆発的な増加を見せます。2010年、2015年に続けて行われたビザ緩和と為替相場の元高円安傾向の高まり、そして格安な中国-日本間のLCC便の増便などの背景がありました。そして、元高円安の高まりを受け、日本製品を中国国内で買うよりも訪日してまで日本で購入したほうが安いという減少が発生。これが「爆買い」に結びつきます。
しかしながら、その傾向も2015年10月頃をピークにして収まりを見せていきます。その原因は、やはり為替相場です。このころに元高円安のピークを迎え、徐々に元安円高傾向に進むにつれ、訪日中国人観光客の「爆買い」も収束しつつあります。
その結果、ただの買い物だけでなく、日本らしい観光などの体験やサービスに訪日中国人観光客の消費行動が移行します。この変遷を指して「モノ消費からコト消費へ」などといった使われ方もします。
この変遷や為替相場と訪日外国人観光客消費額の変遷については以下の記事で詳細に解説しています。
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