日本人の口癖「すみません」を訪日外国人観光客が使うとどうなる? 会話をサポートする「SUMIMASENカード」

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日本人は謝りすぎ。自分に非がないのに謝るのは、グローバルスタンダードではない――誰もが、一度はこのような主張を耳にしたことがあるでしょう。

日本人が海外ですぐに「I’m sorry」と口にしてしまう原因のひとつは、「すみません」という言葉が多義的な意味を持っていること。相手に対する謝罪だけでなく、「すみませんが、よろしくお願いします」「そこまでしていただけるとは、すみません」といった具合に、依頼や感謝の表現としても使用することができます。

日本国内にいる限り、非常に使い勝手がよい言葉ですが、海外で「すみません」の英語訳のつもりで「I’m sorry」と発言してしまうとトラブルの種になりかねません。なお、「外国人のようにハッキリした態度を取るべき」という主張で、この手の話が出ることもありますが、「I’m sorry」にも「お気の毒に」「悪いけど」などの意味があり、いろいろな場面で使えます。しかし、訳語として使えるかどうかはケースバイケースで異なるため、判断が難しいところ。とにもかくにも「すみません」は日本語にしかない特殊な言葉と、わきまえたほうがよいでしょう。

このように”日本でしか使えない”とネガティブな印象を持たれがちな「すみません」。逆に、日本国内での使い勝手の良さを活かし、訪日外国人観光客に使ってもらうことをコンセプトにした「SUMIMASENカード」の制作プロジェクトが進められています。

 


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SUMIMASENカードとは:「すみません」はいつでも使える日本共通語!

「SUMIMASENカード」は、東京グラフィックサービス工業会が主催する「ビジネスアイデアコンテスト2015」で最優秀賞に輝いた「Sumimasenからはじまるおもてなしマップ」を商品化したもの。

https://www.youtube.com/watch?v=0AL5PU9XB9o

「Sumimasenからはじまるおもてなしマップ」のプレゼン動画によると、訪日外国人観光客が日本に対して抱く「外国語サービスが足りない」「食券システムが分からない」「食べ方を聞いても教えてくれない」といった不満は、いずれも言葉の問題と一言にまとめることができます。外国語で声を掛けただけで避けてしまう人もおり、日本滞在中はコミュニケーションの難しさを感じることが多いようです。

ここから誕生したのが、ガイドマップにミシン目で切り取ることができる質問カードを付け、その上部に「尋ねる時は、まず『すみません』と言ってください」と記載するアイディアです。日本人同士でも知らない人に話しかけるときには「すみません」と頭に付けるのが一般的なため、この一言が入るだけで安心感を得ることができるそうです。また、どんな場面でも使える万能な表現のため、訪日外国人観光客にとっては非常に役立つ表現なのではないでしょうか。

また、質問カードには「言葉でも筆談でもジェスチャーでもなんでもOKです! 教えてください!」というお願いと、日本語を含む多言語で書かれた質問文が書かれており、これを手渡すことで、日本語での適切な質問の仕方がまったく分からなくてもコミュニケーションを取ることができます。

「わざわざこのようなアナログな方法を取らなくても、翻訳アプリを使って質問すればよいのではないか」。そんな疑問を抱く人もいるでしょう。翻訳アプリはオンラインでしか使えないものが多く、Wi-Fiスポットが少ない日本では肝心なときに役に立たなかったり、そもそもスマホが電池切れで使えなかったりというケースがあるのだそうです。

また、アナログだからこそ簡単にできる「手渡す」という動作にも意味があるのではないでしょうか。訪日外国人観光客から質問カードを受け取ったにもかかわらず何もしないのは申し訳ないと思い、外国語が苦手でもつい協力できないかと考えてしまうのが、日本人の自然な心理なのではないでしょうか。

 

まとめ:訪日外国人観光客がコミュニケーションしやすい環境づくり

多義的であらゆる場面で使えてしまう「すみません」という言葉は、国内ではネガティブなイメージを持たれがちです。「I’m sorry」が英語訳に当たると思っている人が多いものの、これは事実とは異なります。そのため、海外に行った日本人が誤解を招いたり、「すみません」のつもりで多用し、いわゆる”グローバルスタンダードではない、気の弱い日本人”になってしまうためです。

たしかに、ビジネスシーンで「すみません」「I’m sorry」を使いすぎるのはよくないでしょう。しかし、言葉が分からず、周囲から協力を得る必要がある旅行中は違います。「SUMIMASENカード」は、逆に訪日外国人観光客に積極的に「すみません」と言うよう促し、日本国内でのコミュニケーションを円滑にすることを目指しており、日本人から「協力したい」「困りごとを解決させてあげたい」という心理を引き出しやすくなるメリットがあります。

また、「すみません」の一言だけではありますが、自国では味わえない日本語の世界に飛び込む経験も、訪日外国人観光客にとっては思い出になるのではないでしょうか。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
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  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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