関西国際空港を運営する関西エアポートは平成29年(2017年)1月28日、同空港に改修した第2ターミナルビルをオープンしたことを発表しました。
第2ターミナルビルには国内線だけでなく、国際線も発着する予定で、国内の空港としては初となる1,090平方メートルに及ぶ大規模なウォークスルー型免税店舗などが開設されます。関西には大阪、京都といった訪日外国人観光客の人気観光地が集まっており、そのインバウンド需要の大きさなども意識した設計になっていると思われます。どのような設備が導入されているのか、ご紹介していきましょう。
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関西国際空港第2ターミナルビルがピーチ・アビエーション、春秋航空の就航するLCC専用ターミナルに!
関西国際空港第2ターミナルビルが開業したのは、平成24年(2012年)10月、ピーチ・アビエーションのみが路線を使用していましたが、3月から中国に拠点を置く春秋航空も就航するようになります。ピーチ・アビエーション、春秋航空ともにLCC(格安航空会社)のため、国内線、国際線が利用できるLCC専用ターミナルというかたちになります。
日本の空港としては初の設備を導入:巨大なウォークスルー型ショッピングエリア、「スマートセキュリティー」システム
インバウンド業界関係者が抑えておきたい点は、上記のポイントに加え、日本初の取り組みを2つ行っていること。以下に解説していきましょう。
ウォークスルー型ショッピングエリア
出国審査を行った利用者が入ることのできる制限エリアに、ウォークスルー型のショッピングエリアを用意。広いメイン通路の付近に、化粧品や菓子類、電化製品、タバコといったニーズの高い商品を販売する免税店を設置しています。また、特に中国からの訪日外国人観光客からの需要を想定し、人気の高いドラッグストア、時計の専門店なども展開されています。
免税、飲食、物販すべてを合計した店舗面積は1,640平方メートルで、そのうちウォークスルー型のショッピングエリアは1,090平方メートルと約3分の2を割いています。関西国際空港を訪れた訪日外国人観光客は、日本の商品をたっぷりと楽しむことができそうです。
欧米などで導入されている「スマートセキュリティー」システム
スムーズに手荷物検査などができる「スマートセキュリティー」システムが、日本で初めて導入されます。これは国際航空運送協会(IATA)、国際空港協議会(ACI)が開発したもので、欧米、オーストラリアなどでは、すでに導入が進められています。
手荷物検査の際に利用されるトレーの移動化を自動化する「スマートレーン」で、空港利用者、従業員がトレーを移動させる時間を削減。これは通常の空港のレーン(7メートル)よりも長い17メートルあり、これによりより多くの人数が同時使用できるようになります。
この次に利用される「ボディースキャナー」は金属類の所持確認にかかる負担を減らすためのもの。従来は金属探知ゲートを使ったのち、必要に応じて人力でボディーチェックを行っていますが、この作業を省略し、より短時間で検査が行えるようになります。
通常の空港では手荷物検査の際、利用者がX検査装置のあるところまで荷物を運び、その後、航空機に荷物を送るという2段階のプロセスが取られます。しかし、「コンベヤーベルトシステム」を導入したことで、この手間が簡略化されます。
これらの設備からなる「スマートセキュリティー」システムにより、利用者の待ち時間は約3分の1にまで短縮されると見られ、空港内でより長い自由時間を楽しめるようになります。お土産物や飲食物の購入増加といった副次的な効果が発生することが考えられます。
また、関西エアポートによれば、これにより航空機の遅れを減らしたり、手の空いた人員をテロなどの危険性が高くリスクが大きいとされる場所に配置したりできるようになるとのこと。利用者の利便性向上だけでなく、航空会社の運営に対しても良い影響をもたらすことが期待できそうです。
まとめ:関西国際空港が国内最新設備を持つ空港に!
1月28日、関西国際空港に改修した第2ターミナルビルがオープンしました。これまで就航していたピーチ・アビエーションに加え、春秋航空が乗り入れる予定で、国内線、国際線が使えるLCC専用ターミナルになります。
また、注目すべきは日本の空港としては初となる巨大なウォークスルー型ショッピングエリア、欧米などで導入されている「スマートセキュリティー」システムが設置されている点。「スマートセキュリティー」システムでは、荷物検査などの手間が削減され、利用者の待ち時間が約3分の1にまで短縮されると見られています。これには人員削減の効果もあり、手の空いた人員をテロの危険性が高い場所に設置するなど、空港のセキュリティー対策にも一役買ってくれることが期待されています。
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