インバウンドで高まる日本酒の人気 老舗メーカー「月桂冠」が打ち出すインバウンド対策が参考になる 英語サイト・Instagramでの情報発信

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アメリカを初めとする英語圏、中国、韓国など海外でも日本酒はポピュラーな飲み物となっており、酒処を訪れたり、蔵元を訪れる訪日外国人観光客も年々増加しており、政府は酒蔵で購入する場合の酒税を免税するなどのインバウンド対策を打っています。

ワイナリー、酒蔵で販売される酒類が免税対象に 現地で味わってからお得に買い物できる仕組み

財務省が訪日外国人観光客向けに酒蔵やワイナリーで販売される酒類を免税する方針であると、マスコミ各社が報道しました。与党の税制調査会で年内にも決定され、2017年から実施される見込みです。これはかねてから近年、ニューツーリズムとして人気を集めている「酒蔵ツーリズム」の促進を目的に、観光庁が要望を出していたもの。国際的な日本酒ブームの加速や輸出増加につながることが期待されています。今回は、インバウンドビジネスにおける日本酒の動向を中心にご紹介します。 目次ここ数年、官民一体となった取り組みが行...

そうした流れを受けて、月桂冠株式会社は2016年3月28日に、英語版サイトというより『英文サイト』を公開。単に日本語の元サイトの翻訳をしたものではなく、月桂冠が1637年(寛永14年)の創業以来本社を置く、京都の伏見の風土や歴史、酒処としての成り立ち、月桂冠の歴史などをインバウンドに向けて詳しく紹介しています。


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インバウンド対策としての月桂冠英語サイトの特徴:単なる翻訳サイトではない

インバウンド対策としての月桂冠英語サイト

インバウンド対策としての月桂冠英語サイト

「京都伏見」「月桂冠」「モノと写真で巡る月桂冠の歴史」 の3つのコンテンツから成り立っており、月桂冠を育んだ京都伏見について、月桂冠の歴史、月桂冠にまつわるモノと写真の紹介となっています。

「京都伏見」に関しては 、その風土、歴史、酒造りには欠かせない清らかな水について、また酒の資料館である「月桂冠大倉記念館」についての案内を掲載しています。

「月桂冠」コンテンツでは 、1637(寛永14)年の創業から380年、創業家である大倉家14代の歴史の中で、酒造メーカーとして始めて品質第一を掲げて研究所を設立したこと、アメリカでの酒造り(1989年に米国月桂冠を設立)について、社員による酒造技能の継承について、食品企業のグループ化による経営の安定などを紹介しています。

「モノと写真で巡る月桂冠の歴史」では 月桂冠の歴史的遺産、写真などを通じて、江戸期の創業から明治時代での躍進、現代に至るまでの時代を紹介。さらには酒造用具、徳利などの道具類、酒造りの合間に謳われた酒唄などを紹介。

日本語版のサイトとは全く違った構成となっており、インバウンド向けに歴史や文化を打ち出したブランディングを意図した構成となっています。

月桂冠のインバウンド対応

月桂冠は酒の資料館として「月桂冠大倉記念館」を1982年に開館しており、2014年度には15万人が来場、うち2割が訪日外国人観光客でした。これに先駆けて月桂冠では2013年から館内の説明表示を、英語簡体字中国語、韓国語でも表示しており、2014年には日本語、英語パンフレットの他に簡体字中国語、韓国語でも用意するなどのインバウンド対応を実施。2015年には無料WiFiも設置しており、訪日外国人観光客がスマートフォンやPCを無料でインターネットに接続出来るようになっています。

また海外の口コミサイトであるTripAdvisorトリップアドバイザー)の「2015年エクセレンス認証」を受賞の他、国際空港で免税商品として清酒の販売も行っており、訪日外国人観光客のための専用商品なども開発するなどのインバウンド需要取り込みのための施策を打っています。

これらの取り組みが認められ、2016年3月18日に、農林水産省・近畿農政局による「近畿の食と農インバウンド優良表彰」で「近畿農政局長賞」を受賞しています。さらに近年では訪日外国人観光客へのアピールとしては非常に効果的と言えるInstagram(インスタグラム)をインバウンド対策としてスタートしています。

Instagramer(インスタグラマー)を観光地のインバウンドプロモーションに活用せよ!

今世界で最も伸びているSNSであるInstagram(インスタグラム)をご存知でしょうか?これは2010年に登場した写真共有アプリケーションで、スマートフォンで撮影した写真に好きなフィルター(※プリセットの画像加工処理)をかけ、コメントを加えて投稿することが出来るものです。若者を中心に広まったサービスですが、その中でもプロの写真家、旅行家であるInstagramer(インスタグラマー)が持つアカウントの影響力は年々大きくなっており、トップのInstagramer(インスタグラマー)ともなる...

インバウンドでますます高まる京都、伏見の人気

京都は世界的にも人気の高い観光スポットですが、米国の旅行雑誌「Travel + Leisure」(トラベル・アンド・レジャー)誌が読者投稿で選ぶワールドベストシティに、京都は2014年と2015年の2年連続で1位に選ばれており、また、京都の伏見稲荷大社は、トリップアドバイザーの「行ってよかった外国人に人気の日本の観光スポット」で、2014年2015年の2年連続で1位に選ばれています。

月桂冠は創業350年にあたる1987年に、伏見の酒造り、日本酒の歴史を伝える「月桂冠大倉記念館」をオープンしていますが、世界的に高まるワイナリー巡り、ウイスキーの蒸留所ツアーの人気と合わせて、日本酒の蔵元巡りをアピールしていきたい考えです。

まとめ:メーカーでもできるインバウンド対策とは

小売店などと違って、1メーカーインバウンド対策を考えるというのは、対象となる訪日外国人観光客から遠くに位置するだけあって、なかなかに難しいものです。しかしながら、月桂冠は創業から380年以上の歴史があり、その歴史、酒造りのノウハウ自体が訪日外国人観光客にとっては大変珍しく、インバウンドにおいて日本らしさを感じさせる特徴となっています。そうした歴史を記念館での外国語パンフレットや英語サイトでわかりやすく発信し、またInstagramインスタグラム)などの最新トレンドを活用したインバウンド対策に取り組んで行く姿は参考になるのではないでしょうか。

<参考>

 

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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