「Mastodon(マストドン)」という新SNSサービスが登場したことをご存知でしょうか?”ポストTwitter(ツイッター)”と評されるこのMastodon(マストドン)、「Twitter(ツイッター)の買収先探しが難航していることからサービスが終了してしまうのではないか?」というユーザーの心配もあり、急速に注目を集めています。
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Mastodon(マストドン)とは?:オープンソースのTwitter(ツイッター)ライクなSNS
Mastodon(マストドン)とは、短文(ミニブログ)を投稿・共有するソーシャルネットワークサービスです。
ドイツ人エンジニアのEugen Rochkoさんが2016年10月にリリースし、現在では約35万ユーザーまで成長しています。Twitter(ツイッター)との大きな違いは「オープンソース」であることにあります。
つまり、Twitter(ツイッター)はTwitter社がWEBアプリケーション、サーバーなどのインフラを含めたサービス全般をTwitter社のみが提供する(いわば独占する)のに対し、Mastodon(マストドン)を構築するためのソフトが無償で公開されているため、サーバー(「インスタンス」と呼ばれる)などのインフラの構築さえすれば、 誰でも独自にMastodon(マストドン)をサービスとして開始することが出来ます 。
そのため、Twitter(ツイッター)などのSNSでは1ヶ所に登録することになり、「集中型」ともいえますが、Mastodon(マストドン)は、上記のようにいくつものインスタンスを立ち上げることができ、またユーザーもそれぞれのインスタンスに登録することができることから「分散型」と表現されることもあります。
なお、それぞれのインスタンス同士は「連邦」としてゆるく繋がっており、別々のインスタンスのユーザー同士も交流することができます。少々雑な例えになりますが、
- Mastodon(マストドン):「会社」というシステムそのもの
- インスタンス:それぞれの会社
- インスタンスを立ち上げる:起業する(「会社」というシステムを使えば誰でもできる)
- ユーザー登録:社員になる(他社と兼業してもOK)
- インスタンス同士の繋がり(連邦):他社間でもメールや電話でやり取り可能
とも言えるでしょう。
Mastodon(マストドン)のユーザー数は現在約35万人
ドイツ生まれのMastodon(マストドン)。現在のユーザー数と国籍別の比率はどうなっているのでしょうか。
まず、ユーザー数はMastodon(マストドン)リリースの昨年10月から4月にかけては緩やかに成長していました。異変が起こったのは4月中頃からで、4/12時点の 15万ユーザーからわずか1週間足らずで35万ユーザー(4月18日時点)まで増加し、約130%超増の急激な成長 を遂げていることがわかります。
そして、国籍別ユーザー割合では、多い順に
国籍 |
割合(4月18日時点/約) |
ユーザー数(4月18日時点/約) |
フランス |
43% |
15.1万ユーザー |
日本 |
41% |
13.4万ユーザー |
アメリカ |
7% |
2.5万ユーザー |
ドイツ |
4% |
1.4万ユーザー |
カナダ |
3% |
1.1万ユーザー |
といった構成になっています。日本では、4月11日に学生が私費で「mstdn.jp」を、さらには4月14日にイラストや漫画を中心にしたSNSである「pixiv」が「pawoo.net」でMastodon(マストドン)のインスタンスを立ち上げました。この”日本上陸”により一気に日本でも注目をあびるようになり、現在のユーザー数まで急増しました。
その他ではフランスを筆頭に欧米系外国人が多い模様。意外にも出生国であるドイツのユーザー数はそこまで勢いがない状況です。
Mastodon(マストドン)のインバウンドビジネス利用を考える
さて、彗星の如くSNS界に登場したMastodon(マストドン)。インバウンドビジネスでの利用可能性はあるのでしょうか?
ケース1:インバウンドSNSプロモーションとして活用する
まず第一に考えられるのはFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)、そしてTwitter(ツイッター)で現在繰り広げられているように、Mastodon(マストドン)ユーザーである外国人に向けてのSNSプロモーションを展開することです。
こちらについては、今すぐ効果が現れるものではないでしょう。何故ならば、
- プロモーションをしてもリーチ数が最大21万と少ないから
- インバウンド主要国のユーザー数がまだ少ないから
- 現状では広告配信はできないから(オープンソースのため、今後広告配信できるように改修されたインスタンスが出て来る可能性はある)
といった懸念点があるためです。しかしながら、新興サービスであるがゆえに、今から参入することで 「黎明期から活動していたアカウント」というブランディング がつけられ、またそのタイミングは今しかない、とも言えます。
Mastodon(マストドン)は今まさに”火がつきはじめた”段階のサービスです。「pixiv」が突如インスタンス参戦したように、今から始めることで、今後ユーザーが急増した場合の先発優位を得られることでしょう。
ケース2:クローズドなSNSとしてインバウンド向けカスタマーサポートに活用する
先述の通り、Mastodon(マストドン)は誰でもインスタンスを立ち上げることが可能です。また、その登録についてオープンにするかクローズドにするかを任意に変更することができます。そのため、クローズドなSNSとして立ち上げることもでき、例えば旅行ツアー参加者および主催者間でやり取りする用のコミュニケーションツールとしてカスタマーサポート活用するという手は可能性としてあるでしょう。
まとめ:Twitter(ツイッター)の対抗馬なるか?Mastodon(マストドン)の今後の動向に注目
現状ではインバウンド対策として活用するにはユーザー数が少ないことが懸念点としてあるMastodon(マストドン)。しかしながら、ユーザー数は日に日に爆発的に増加、海外有名サービスなどが次々と公式アカウントを作成しており、新興SNSの黎明期として盛り上がりを見せています。
Mastodon(マストドン)の今後の動向によってはTwitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)に並ぶSNSになる可能性もあります。まずは、試しにアカウントを作ってみることから始め、今後のユーザー数の推移に注視することから始めてみてはいかがでしょうか?
<参照>
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