より多くの訪日外国人観光客を誘致するために、地域の観光資源を発掘し海外に発信している日本国内の自治体が数多く存在 しています。
観光資源といってもさまざまですが、最近では漫画やアニメの舞台となった地域の自治体が、そのマンガやアニメのファンの「聖地巡礼」を促すなど、日本が世界に誇ることができるソフトパワーである「漫画・アニメ」を活用したインバウンド地方誘致・地方活性化が注目を集めています。 埼玉県秩父郡横瀬町でも同様の取り組みを行っています。
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埼玉県秩父郡横瀬町でコスプレイベントを実施:写真撮影が快適に楽しめることから今年は300人超が来訪
埼玉県秩父郡横瀬町では、2015年6月から 参加者がアニメや漫画のキャラクターに変身するコスプレイベントが開催されています。 当初は、横瀬町観光・産業振興協会などが主催していましたが、現在は民間の撮影スタジオ「ブーティ(Booty)」が同コスプレイベントを主催しています。
2015年に放送された人気アニメ「心が叫びたがっているんだ。」などの秩父市を舞台にした作品に、横瀬駅や大慈寺など、横瀬町の風景が多く登場することから、「聖地巡礼」の場所としても知られおり、それに伴ってコスプレイベントも開催されているとのこと。 参加者は、自然やお気に入りの風景をバックに写真撮影を楽しむことができ、今年6月には 300人を超える参加者が集まっています。
海外でも日本の漫画やアニメのキャラクターに扮するコスプレは人気となっており、 本場日本の実際にモチーフとなった地域を背景にコスプレを楽しめるとなれば、多くの訪日外国人観光客を呼び込むことができる として、観光資源の乏しい地方などの地方誘致・地方創生の着火剤として注目を集めています。
マンガを活用したインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこちら
日本国内では、他にも埼玉県秩父郡横瀬町の取り組みのように「漫画・アニメ」を活用したインバウンド誘致・地方活性化への取り組みが行われています。
埼玉県久喜市:「らき☆すた」の聖地巡礼で経済効果は22億円
昨今の 「聖地巡礼」の火付け役とも言われるアニメ「らき☆すた」 では、久喜市の鷲宮神社がその舞台として登場 しています。 同地には多くのファンが押し寄せ、 放送開始の翌年2008年正月には、鷲宮神社の参拝者は前年比で倍以上、17万人増の30万人が訪れるほどの人気を博しました。
自治体としても「らき☆すた」関連のグッズ販売やスタンプラリーの実施、インバウンド向けには英語のパンフレットも用意 するなど国内外から多くの観光客を誘致するためにさまざまな取り組みを行いました。
このように漫画・アニメを活用したコスプレイベントの実施や、聖地巡礼などのインバウンド誘致策は、近年注目を集めています。 訪日外国人観光客にとっても、マンガやアニメのような日本独自のコンテンツが絡んだ観光はとても関心が高いものであるようです。
2016年には約100万人が聖地巡礼をしていた!満足度も90%を記録
観光庁より発行されている「訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人観光客のうち、どれくらいの人が「聖地巡礼」を期待しているのか、または実際に行ったのかを調査しています。
2016年(平成28年)の年間値の推計のデータによると、訪日外国人観光客の4.8%が「聖地巡礼」(「訪日外国人消費動向調査」では「映画・アニメ縁の地を訪問」と表記)を訪日旅行中に行っています。そして、11%が次回の訪日旅行で「聖地巡礼」を行いたいとしています。
2016年(平成28年)の訪日外客数は、およそ2,400万人でした。ということは、およそ96万人の訪日外国人観光客が実際に「聖地巡礼」をし、また264万人は、次回「聖地巡礼」をしたいと回答しているということになります。
また、実際に 「聖地巡礼」をした訪日外国人観光客のうち、90.0%が「満足した」と回答 しています。これは観光庁が調査する 20項目のうち3位 と上位にランクインする満足度となっています。
まとめ:漫画・アニメを活用した新しい観光のかたちにこれからも注目しよう
国内で漫画やアニメを活用したインバウンド誘致には、今回の 埼玉県秩父郡横瀬町のコスプレイベントの開催や、埼玉県久喜市での聖地巡礼ブームなどいくつかの成功例が見られました。
実際に多くの訪日外国人観光客は、漫画・アニメが絡んだ新しいかたちの観光に対して大きな関心がある ことが光庁の資料から把握でき、日本のアニメコンテンツを活かしたインバウンド誘致にはこれからも大きな可能性があるといえるでしょう。
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<参照> - AFP:動画:「コスプレ」で狙う地方活性化、300人が秩父に集結 - 観光庁:平成28年 訪日外国人の消費動向
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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