8月9日の建国記念日で52歳となったシンガポール。近年の経済的な成功は様々な国が参考にするほど。約550万人という人口規模ながら、訪日リピーターの多いシンガポールの特徴を最新データと象徴的な数字で考察します。
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日本は何位!? シンガポール人の海外旅行注目度ランキング
航空券の比較、購入サイト「Skyscanner」は2016年に最も自社サイトで検索された旅行先を発表しました。発表されたデータによると、下記が、2012年から2015年まで注目度が増加している10都市です。
日本は 「札幌」「名古屋」「大阪」「東京」 がランクイン。国土の狭さもあり国民のほとんどが海外旅行を楽しむシンガポール人は常に新しい行先を求めています。ブータンやアイスランド、ベトナムの離島など日本人には馴染みのないマイナーな場所も人気が高まっています。訪日シンガポール人は年間35万~40万人と言われていますが、他国へ旅行に行くボリュームを考えれば、まだまだ伸びしろはあります。
富裕層が多いって噂は本当!?シンガポール人富裕層の規模と実体
Credit Suisseの2015年の調査によると、シンガポールは 約142,000人の億万長者が存在し、世界で10位にランクイン しています。日本はアメリカ、イギリスに次いで第3位で約2,100,000人となっています。
日本の億万長者の割合は約1.75%、シンガポールは 約2.6%と高い のが特徴。これを世帯単位で調査すると 10世帯のうち1世帯に億万長者がいる ということになります。また国民1人当たり国内総生産(GDP)も5万USDを超えており 世界TOPクラスの裕福な国 であると言えます。また(2015年から)5年後にシンガポールの億万長者の人数は 18.3%が増える と予想されています。
シンガポール富裕層のお金の使い方が気になる!!
シンガポールのお金持ちのお金の使い方に関してローカル調査会社が行われた富有層市場向けの調査「Affluent Insights」の資料が興味深いです。各カテゴリーで支持されているブランドは欧米のラグジュアリーブランドが大半を占めています。ここは日本の富裕層とは大きく違いはないかもしれません。ただし、BMWの価格は日本の数倍、高級マンションに至っては5億円越えもざらにあります。
興味深いのは、彼らが最もお金を使うのは旅行 であるということ。調査結果では合計で 40%が旅行関連への出費 と回答しています。さらに、同じAffluent Insightsの調査によりますと、約60%の富有層がシンガポール国内より旅行中に高級品の買い物をしている というデータも発表されています。
また、2025年にシンガポール旅行者の年間費用は US$30,230/世帯 に到達する見込みで、APACの平均の6倍 もの支出額を有します(APAC平均: US$5,230/household)。その合計支出額は44.9Billion= 約5兆円 にも及びます。
Visa Affluent Study 2015によると、シンガポールの富裕層(High-net worth Individuals)は 年に平均3.1回 旅行に行きます。35%の回答者は旅行の際に5星以上のホテル、49%は高級ホテルに泊まります。VISA Infiniteのカードホルダーは 約20%のカードの費用が旅行関連の商品に使われて おり、旅行中の支出も加えると、シンガポール人が旅行に対して大きな出費をしているのが分かります。なお、81%の回答者は、旅行の目的を家族の絆を深めるためと答えています。
シンガポール人が信頼するメディアとは!?
FIT化が進んでいるシンガポール。英語圏ということもあり欧米の情報を掴むことができるため、旅行もオンラインで情報を収集するケースが増えています。またSNSを利用するシンガポール人は人口の75%で、世界平均の倍です。SNSユーザー数は 2016年から22%伸びました。
一方でシンガポール政府が発表した情報の信用度の調査のよると、まだまだマスメディアが信頼されています。 特に、富裕層が多い40代以降は従来メディアの情報を信用しています。
シンガポールで 「新聞」は一番信用度が高いメディア です。64%のシンガポール人は従来メディアの情報を信頼しています。83%のシンガポール人回答者は「知人の紹介の情報源」を信頼 しています。
ネット上の情報に関しては、44%のシンガポール人はSNS上の情報を信頼 しており、47%がオンライン広告の情報を信頼 しています。プロモーションを考える際にネットだけに頼らず組み合わせが重要になります。
YouTubeの人気ランキングで考察するシンガポール人の「ツボ」!
SNSが浸透するシンガポールでは多くの KOL(Key Opinion Leader) が存在します。訪日観光のFIT対策を考えるうえで、SNS世代の「ツボ」を押さえるのは重要な意味を持ちます。今回は、独自調査したYouTubeの人気ランキングをもとに、彼らの「ツボ」を考察してみました。
子供向けのチャンネルのランクインは日本と同様ですが、注目したいのは「笑い」のカテゴリー。彼らが面白いと思う「笑い」とはどんなものなのでしょうか?最も人気の高いチャンネルを紹介します。
タイトルは「14 Types of Waiters in Singapore」ということで、「よくいるシンガポールのウェイター」というネタです。よく日本のコントでもある話のようにも思いますが、これらのトレンドで分るのは シンガポール人の「国民意識」の高さ です。この動画以外にも「○○なシンガポール人」とか、訛りのある自分たちの英語「シングリッシュ」など、自分の国、国民性をネタにした題材が数多く見られます。これは建国52年の若い国だからこそのテーマで、自国への愛国心の強さ、プライドの高さゆえ です。
国民意識の高い彼らには他国のやり方を転用するのではなく、シンガポール人を理解し、彼らのための“オーダーメイド”のコミュニケーションが必要です。
まとめ
「どうやって富裕層を掴むか!?」という議論は多くありますが、シンガポール人の多くの富裕層は特別なことをしているわけではなく、普段はいたって庶民的な生活をしています。
彼らは、TODAYやTHE STRAITS TIMESという新聞を読み、チャネルニュースASIAでNEWSを観て、ネットをチェックし、SNSで情報交換し、友人とのつながりを大切にし、そして毎年数回の家族旅行を楽しみに日々生活をしています。だからこそ行先は真剣に考えますし、そのために多くの時間、お金を投資します。
国土の狭いシンガポール人にとって、国内では非日常観を感じることは容易ではありません。7時間という飛行距離にある日本は彼らにとって「丁度よい距離感」 とも言えます。彼らの特性を掴み、新たな行先としての情報を継続的に発信し、リピート化に繋げていくことが重要です。
POINTSでは、シンガポールだけではなく東南アジアの国々と日本をつなぐマーケティングサービスを提供しています。現地を知るからこそのプロモーション、メディアの活用、イベント運営など幅広いソリューションを提供しておりますのでお気軽にお問合せください。
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