年間3,000万人以上が訪れるアジア屈指の観光立国・タイの外国人観光客誘致施策から学ぶ①:タイも中国人観光客の誘致に注力 観光当局がWeChatアプリ「Visit Thailand」をローンチ!

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以前の記事でもご紹介したように、2016年にタイを訪れた外国人観光客の数は、約3,259万人 でした。タイを訪れる外国人観光客は、ここ数年、右肩上がりで増え続けており、10年後の2027年には 推定6,760万人 の外国人観光客がタイを訪れるようになるようです。

タイにおける2016年のインバウンド消費額はタイのGDP9.2%にあたる6兆3,300億円 であり、2027年にはこの額は 14兆1,040億円 まで伸びると推測されています。観光業はタイ人に多くの雇用を産み出しており、主要産業としての地位を確立しています。

2020年に2,400万人のインバウンド誘致を目指す日本にとって、同じアジア圏であるタイはお手本とすべき観光立国であり、タイがどのように多くの外国人観光客を魅了し続けているのかを学ぶことは、日本のインバウンド市場にとって大事なことです。

このシリーズでは、タイが具体的にどのように外国人観光客を誘致しているのかについて解説していきます。 今回は第一回目。

日本の1.7倍

訪日外国人観光客が 史上最多となる2,400万人 を突破した2016年。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて 日本のインバウンド観光市場は盛り上がりを見せています。日本は海外から人気の観光地としてブランドを確立しつつありますが、以前の記事でもご紹介したように UNWTO(国連世界観光機関)が発表した世界観光ランキングによると日本は未だに16位にとどまっています。 これから先、さらに多くの訪日外国人観光客を誘致していくうえで、他国のインバウンド観光市場ならびにインバウンド誘致...

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タイの観光当局が中国人観光客向けにWeChatアプリVisit Thailandをローンチ!

タイの観光当局にあたるThe Tourism Authority of Thailand (以下、タイ国政府観光庁)は、2017年9月7日、タイを訪れる中国出身のインバウンド向けにWeChatのアプリVisit Thailandの提供を開始 しました。

7億人以上の月間アクティブユーザー数を誇る中国最大のSMS「WeChat」:日本版LINEとも

インバウンド業界で頻出のワードである中国発のアプリ WeChat」は、中国で最も利用されているソーシャルメディアアプリ です。

中国インターネットサービス大手、騰訊控股有限公司(以下、テンセント)が提供しており、AndroidとiOS全体の 月間アクティブユーザー数(MAU)は、7億人以上 とも言われます。

WeChatは、日本ではたびたび 「中国版LINE」 とも呼ばれており、基本的に機能は似通っていますが、WeChatの方が先に開発されたサービスであり、LINEよりも幅広い機能を提供しています。中国人観光客を誘致する際のインバウンド対策としても頻繁に活用されています。詳しくは以下の記事で。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WeChat(微信)

訪日中国人観光客の増加に伴い、インターネットを活用したインバウンドマーケティングへの関心が高まっています。しかし、中国のネット事情は日本とは大きく異なります。

今回、タイを訪れる中国人観光客向けにWeChat上で提供されるアプリ「Visit Thailand」。機能としてはどのようなものを兼ね備えているのでしょうか?

Visit Thailandはどんなアプリなのか?:情報発信・中国人観光客からの質問にリアルタイムで答えることが目的

Visit Thailandをローンチしたことにより、タイ国政府観光庁は、画像や動画なども活用し、効果的に中国人観光客に観光情報を発信できます。

タイ国政府観光庁が主催するキャンペーンや、ホテル・飲食店、各種アトラクションなどの情報が、Visit Thailandを通じてリアルタイムで発信されます。

Visit Thailandは、タイと中国の両方で使うことができます。また、タイを訪れる中国人観光客が快適にタイ国内の観光地を周遊できるように、Visit Thailandのアプリケーションデスクでは、24時間、タイの観光に関する質問やヘルプを受け付けています。テキストメッセージを送るだけで簡単に質問に答えてくれるとのこと。

中国人観光向けインバウンド対策としてVisit Thailandをローンチしたタイ国政府観光庁。背景にはいったい何があるのでしょうか。

タイを訪れた外国人観光客の4人に1人が中国人観光客!中国人観光客の間ではモバイルアプリへの関心度が高いというデータも

2016年にタイを訪れた外国人観光客のうち、4人に1人 が中国人観光客でした。その数は、880万人 にものぼり、タイのインバウンド市場では、2016年、中国人観光客により、4億3,000万タイバーツ(日本円で 約14億7,260万 )が生み出されました。

2017年には、タイを訪れる中国人観光客の数は、900万人 に達するといわれ、同時にインバウンド消費額も伸びる予想です。

加えて、昨今のタイのインバウンド市場で最大のターゲットとなっている 中国人観光客の間では、観光情報の入手時にモバイルデバイスを利用する傾向が強く、 China Internet Network Information Centreによると、モバイル上でインターネットを利用した中国人の数は、2015年には6億2,000万人でしたが、2016年には6億9,500万人 まで増加しました。

最大のターゲットである中国人観光客のインバウンド対策として、観光当局がWeChatと提携してアプリをローンチしたタイ。 今回の取り組みは、中国人観光客のタイ旅行時の利便性向上を目指し、モバイルアプリへの関心度が高い という中国人の特性も考慮したインバウンド対策であり、見本にするべき取り組みでしょう。

まとめ:観光当局がWeChatアプリをローンチ!最大のターゲットに向けアプリ上でインバウンド対策を始めるタイ

タイの観光当局にあたるタイ国政府観光庁は、2017年9月7日、タイを訪れる中国出身のインバウンド向けにWeChatのアプリVisit Thailandの提供を開始 しました。

Visit Thailandをローンチしたことにより、タイ国政府観光庁は、画像や動画なども活用し、効果的に中国人観光客に 観光情報を発信 できます。また、中国人観光客の観光に関する 質問 も24時間、テキストメッセージにて受け付けます。

中国人観光客は、タイのインバウンド市場におけるもっとも大きなターゲットであり、今回の取り組みは、中国人観光客のタイ旅行時の利便性向上を目指し、モバイルアプリへの関心度が高い という中国人の特性も考慮したインバウンド対策であり、見本にするべき取り組みでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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