訪日外国人観光客が 史上最多となる2,400万人 を突破した2016年。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて 日本のインバウンド観光市場は盛り上がりを見せています。
日本は海外から人気の観光地としてブランドを確立しつつありますが、以前の記事でもご紹介したように UNWTO(国連世界観光機関)が発表した世界観光ランキングによると日本は未だに16位にとどまっています。 これから先、さらに多くの訪日外国人観光客を誘致していくうえで、他国のインバウンド観光市場ならびにインバウンド誘致策を学ぶことは必須 であるといえるでしょう。
世界屈指の観光立国アメリカにおけるインバウンド市場はどのようになっているのでしょうか。 World Travel & Tourism Councilや各種データベースをもとにひもといていきます。
2016年の訪日数2,400万人ってそもそもすごいの?世界観光機関が発表した観光ランキング
政府は昨年、これまでの目標値を大幅に引き上げ、2020年に4,000万人のインバウンド誘致 を目指すことを発表しました。急激な訪日外国人観光客の増加により日本国内のインバウンド市場は盛り上がっていますが、そもそも2016年に日本に訪れた外国人観光客数2,400万人という数字は、他国に訪れた外国人観光客数と比較してどの程度のものなのでしょうか。 4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、海外のインバウンド市場の比較して日本のインバウンド市場がどの程度の規模なのかを把握しておくのは重要な...
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- 7,530万人:2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の数
- 1億1,460万人:2027年にアメリカを訪れると予想される外国人観光客の数
- 50%:2016年にアメリカを訪れた外国人観光客のうち、カナダとメキシコ出身の外国人観光客が占める割合
- 23兆8,000億円:アメリカにおける2016年のインバウンド消費額
- 34兆6,080億円:2027年におけるアメリカ国内のインバウンド消費額の予測
- 2.7%:2016年のアメリカのGDPのうち観光産業による収益が占める割合
- 5,486,000件:アメリカで観光業によって生み出された雇用数
- 3.6%:アメリカの雇用数のうち、観光業に直接かかわるものの割合
- 7,074,000人:2027年に観光産業に関わる労働人口
- まとめ
目次
7,530万人:2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の数
上記のグラフは、アメリカを訪れた外国人観光客数を年度別に表したものです。2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の数は、約7,560万人でした。
ここ7年では、2015年の7,751万人がピークとなっています。直近3年間は、外国人観光客数が伸び悩んでいるといえるでしょう。
1億1,460万人:2027年にアメリカを訪れると予想される外国人観光客の数
World Travel & Tourism Councilの資料によると、2027年には、1年間で 1億1,460万人 の外国人観光客がアメリカを訪れるようになるとのこと。
50%:2016年にアメリカを訪れた外国人観光客のうち、カナダとメキシコ出身の外国人観光客が占める割合
上記のグラフは、2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の国籍別割合に表したものです。
2016年にアメリカを訪れた外国人観光客のうち、最も多かったのはカナダとメキシコ。それぞれ全体の25%を占めています。 要因としては、地理的に近いという部分がもっとも大きいでしょう。
スペインのインバウンド市場では、上位10か国はアメリカを除いてすべてヨーロッパですが、アメリカのインバウンド市場においては、アジア・ヨーロッパ・オセアニアと 多種多様な地域からインバウンド誘致に成功している 点は特筆すべき点です。
23兆8,000億円:アメリカにおける2016年のインバウンド消費額
World Travel & Tourism Councilの資料によると、アメリカ国内で、外国人観光客が使ったお金をすべて合わせると、23兆8,000億円になります。(1米ドル=112円で計算)
UNWTOによると、アメリカは国際観光収入において、世界一位 であり、2位のスペインのインバウンド消費額と比べても、3倍以上インバウンド観光から稼いでいます。
34兆6,080億円:2027年におけるアメリカ国内のインバウンド消費額の予測
また、10年後の2027年におけるアメリカ国内のインバウンド消費は、34兆6,080億円まで伸びるとされています。(1米ドル=112円で計算)これは現在の約1.5倍の規模です。
2.7%:2016年のアメリカのGDPのうち観光産業による収益が占める割合
2016年にアメリカ国内の観光業によって産み出されたお金は、同年のアメリカのGDP(国内総生産)の2.7%にあたります。
上記のグラフは、アメリカのGDPのうち観光産業による収益が占める割合を2011年~2016年までグラフ化したものです。2013年から若干の伸び悩みは見られますが、年々、GDPのうち観光産業が占める割合は高くなっています。
また、以前ご紹介したタイのインバウンド市場では、GDPのうち観光産業による収益が占める割合は9.2%となっており、この数値に比べるとやや控えめな印象。観光産業以外にも主要産業を多くアメリカならではの結果です。
日本の1.7倍
訪日外国人観光客が 史上最多となる2,400万人 を突破した2016年。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて 日本のインバウンド観光市場は盛り上がりを見せています。日本は海外から人気の観光地としてブランドを確立しつつありますが、以前の記事でもご紹介したように UNWTO(国連世界観光機関)が発表した世界観光ランキングによると日本は未だに16位にとどまっています。 これから先、さらに多くの訪日外国人観光客を誘致していくうえで、他国のインバウンド観光市場ならびにインバウンド誘致...
5,486,000件:アメリカで観光業によって生み出された雇用数
上記のグラフは、アメリカ国内で観光業によって生み出された雇用の数を2011年~2016年まで表したものです。2016年にアメリカ国内で観光業によって産み出された雇用の数は、5,486,000にのぼります。
3.6%:アメリカの雇用数のうち、観光業に直接かかわるものの割合
上記のグラフは、アメリカ国内の雇用数のうち観光業に直接関わるものの割合を2011年~2016年まで表したものです。2016年、アメリカ人のうち、3.6%の人が観光業にかかわる仕事をしていました。
7,074,000人:2027年に観光産業に関わる労働人口
また、World Travel & Tourism Councilが発表したデータによると、10年後の2027年には、約7,074,000人のアメリカ人が観光産業にかかわる仕事をするようになるとのこと。アメリカの人口は3億2,300万人なので、単純計算で 50人に1人が観光産業にかかわる仕事をする ようになります。
まとめ
今回は、World Travel & Tourism Councilをもとに世界屈指の観光立国アメリカにおけるインバウンド市場において知っておくべき数値をご紹介してきました。
2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の数は、7,530万人 でした。アメリカを訪れる外国人観光客は、増加傾向にはありますが、直近3年間は伸び悩んでいます。
しかし、近隣の国に限らず、アジアやヨーロッパなど さまざまな地域からインバウンド誘致に成功している 点や、23兆8,000億円を誇るインバウンド消費額** からも把握できるように、アメリカにとってインバウンド市場はこれからも安定した収益が見込めるマーケットであるといえるでしょう。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
<参照>
- UNWTO:Tourism Highlights, 2016 Edition
- Office of Travel and Tourism Industries:International Visitation to the United States:A Statistical Summary of U.S. Visitation (2012)
- National Travel and Tourism Office:Top 10 International Markets:2016 Visitation and Spending
- World Travel & Tourism Council:TRAVEL & TOURISM ECONOMIC IMPACT 2017 UNITED STATES
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