政府は昨年、これまでの目標値を大幅に引き上げ、2020年に4,000万人のインバウンド誘致 を目指すことを発表しました。
急激な訪日外国人観光客の増加により日本国内のインバウンド市場は盛り上がっていますが、そもそも2016年に日本に訪れた外国人観光客数2,400万人という数字は、他国に訪れた外国人観光客数と比較してどの程度のものなのでしょうか。 4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、海外のインバウンド市場の比較して日本のインバウンド市場がどの程度の規模なのかを把握しておくのは重要なことでしょう。
今回はUNWTOの世界観光ランキングとTrading Economicsをもとに、2016年に外国人観光客が多かった国トップ10をご紹介。その後、日本のインバウンド観光市場の規模感について説明していきます。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
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[1位:フランス] 8,260万人
2016年にフランスを訪れた外国人観光客の数は、8,260万人 でした。フランスは、世界でもっとも多くの外国人観光客が訪れる国です。
上記のグラフでわかるようにここ数年間、外国人観光客は増減を繰り返しています。世界一のインバウンド観光大国、フランスのインバウンド観光市場に関しては以下の記事より。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/08/03/inboundtourismmarketinfrance1/”]
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/08/04/inboundtourismmarketinfrance2/”]
[2位:アメリカ] 7,560万人
2016年にアメリカを訪れた外国人観光客の数は、7,560万人 でした。アメリカはフランスに次いで2番目に外国人観光客数が多い国です。
フランスと同じく、ここ数年においては外国人観光客数は増減を繰り返しています。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/07/14/howtousemediaamerica/”]
[3位:スペイン] 7,556万人
2016年にスペインを訪れた外国人観光客の数は、7,556万人 でした。2016年、スペインは世界で3番目に外国人観光客に人気の観光地とでした。
ここ数年は、右肩上がりで外国人観光客数は増え続けています。しかし、つい先日起きた バルセロナでのテロ事件によって、外国人観光客は治安悪化を懸念 し、スペインのインバウンド市場にも影響が出るのではないかとの不安もあります。
[4位:中国] 5,927万人
2016年に中国を訪れた外国人観光客の数は、5,927万人 でした。
中国といえば日本のインバウンド市場において最大のターゲットになっていますが、中国自体もは外国人観光客に人気の観光地 となっています。
ここ数年の外国人観光客数は、微増ながらも確実に増加しており、その好調さが伺えます。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/05/02/kokyushikokotoshohian/”]
[5位:イタリア] 5,237万人
2016年にイタリアを訪れた外国人観光客の数は、5,237万人 でした。
ここ3年間、外国人観光客数は、毎年200万人ほど安定して伸び続けています。 イギリスやフランス、ベルギー、スペインなど他のヨーロッパ諸国でテロなど物騒な事件が起こる中、イタリアでは特に大きな事件が起こっていないため、多少なりとも安全なイメージを持って同地を訪れる観光客が増えているのではないかと予測できます。
[6位:トルコ] 5,000万人
2014年、トルコには3,988万人の観光客が訪れました。その翌年である2015年には、3,947万人の外国人観光客がトルコを訪れました。
2016年の正確な外国人観光客数は把握できませんが、UNWTOの世界観光ランキングではトルコは6位にランクインしており、外国人観光客にとって人気の観光地となっている様子が伺えます。
[7位:イギリス] 3,581万人
2016年にイギリスを訪れた外国人観光客の数は、3,581万人 でした。
外国人観光客数はここ数年、右肩上がりで伸びており、インバウンド観光において好調の様です。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2016/11/22/oshudesaidainoecshijo/”]
[8位:ドイツ] 3,557万人
2016年にドイツを訪れた外国人観光客の数は、3,557万人 でした。
イギリスと同じく、外国人観光客数はここ3年間右肩上がりで伸びており、2016年の外国人観光客数はイギリスに肉薄しています。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/08/18/westernersinterestsforjapan/”]
[9位:メキシコ] 3,496万人
2016年にメキシコを訪れた外国人観光客の数は、3,496万人 でした。
中米の国々は、主にアメリカやカナダなど北米出身の人にとって人気のバケーションスポットとなっており、メキシコにおいてもその結果がこの数値に反映されています。 観光客数もここ数年は年300万人ペースで伸びており、 インバウンド観光市場において好調の模様。
[10位:タイ] 3,255万人
2016年にタイを訪れた外国人観光客の数は、3,255万人 でした。
東南アジアは、日本や韓国、中国など東アジアに加え、ヨーロッパ出身の若者に人気の観光地となっており、東南アジア最大の国であるタイは、ここ数年順調に外国人観光客数を伸ばしています。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/07/06/bangkokjapanesefood/”]
気になる日本は16位という結果に
日本には2016年、2,400万人の外国人観光客が訪れました。
UNWTOの世界観光ランキングによると、日本は世界で16番目に外国人観光客数が多い 国という結果になりました。10位と16位の間には上から順にオーストリア(2,812万人)、マレーシア(2,675万人)、香港(2,655万人)、ギリシャ(2,477万人)、ロシア(2,455万人)がランクインしています。
加えて、日本はUNWTOの世界観光ランキングにおいて 2014年には22位、2015年には同じく16位 となっています。2015年から2016年にかけて訪日外国人観光客は500万人ほど増えましたが、順位に変動はありません。
理由としては、以前の記事でもご紹介した通り、日本のみならず世界中で海外旅行ブームが起こっていることが挙げられます。現状では日本は世界的に見ても目立った観光立国であるとは言えなさそうです。
しかし、他国に比べると急激に外国人観光客が増え続けている ことは確かで、このペースが続き、訪日外国人観光客数が4,000万人に到達すれば、現時点でのイギリスと同規模のインバウンド観光立国になりうる可能性もあるでしょう。
まとめ:日本のインバウンド市場の規模感は世界と比べるとまだまだ 成長性には見込みありか
今回は、UNWTOの世界観光ランキングとTrading Economicsの数値をもとに、日本のインバウンド観光の市場規模感をご紹介してきました。
日本国内は急激な訪日外国人観光客の増加を理由にインバウンドブームに沸いていますが、現時点で日本はUNWTOの発表する世界観光ランキングにおいて、16位に位置しているのみにとどまります。
日本だけではなく、世界全体で海外旅行がブームになっているという点には十分留意するべきですが、日本のインバウンド市場は他国に比べると急激に外国人観光客が増え続けているのは確かです。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/08/07/unwtoreport1/”] [blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/08/16/unwtoreport2/”]
<参照>
【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
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