世界一のインバウンド誘致に成功しているフランスの取り組みが面白い!:観光超大国が掲げるインバウンド観光におけるこれからとは②

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日外国人観光客史上最多となる2,400万人 を突破した2016年。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に4,000万人を誘致するために、国内では官民一体となったインバウンド対策が進められています。

一方で、世界最大の観光立国であるフランスは、これからさらなる外国人観光客を呼び込むために何をしていくのでしょうか? 前編の記事では、フランスのインバウンド観光市場と日本のインバウンド観光市場を比較・分析してお伝えしましたが、今回はフランス政府が2020年までにさらなるインバウンド誘致を実現するために、具体的に行っていく施策に関してご紹介します。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

2020年までに年間1億人のインバウンド誘致を目指すフランス政府、これからなにをしていく?

フランス政府観光局は、2016年7月26日、Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表) を発表しました。これは、フランス政府が、

  • 2020年までに1億人の外国人観光客誘致
  • 観光業によって5兆円の収益を確保すること

の2つを実現するために、 重点的に取り組んでいく6つの事案と具体的な施策 に関して取りまとめたものです。フランス政府は、この2つの目標を達成することで、30万人の雇用を生み出すことができる としています。

[優先する6つのポイント]安全対策やインバウンド対策への支援事業、観光事業の人材育成などがメイン

フランス政府が2020年に向けて重点的に取り組んでいくとするポイントは以下の6つです。

  • 観光地の安全性の強化によるインバウンド受け入れ体制の確保
  • 団体観光客の誘致
  • 民間企業等のインバウンド対策に対する資金援助
  • 観光客の満足度を向上を目的とした人材の育成・確保
  • 各セクター間の競争力を高めるために観光情報のデジタル化を推進
  • 長期休暇中の観光客へのアプローチ

以上が、2020年に向けてフランス政府が優先していく6つの分野です。これを細分化した具体的な施策が、フランス政府観光当局によって提起されています。

フランス政府が外国人観光客誘致を推進するための具体的な施策とは?

①新たに10か国で48時間有効の簡易ビザを発行

フランスでは2014年から、外国人旅行者の観光ビザ発行に関する条件の緩和を進めてきました。今回のRoadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)では、2020年の1億人の外国人観光客誘致に向けて、 48時間有効の簡易ビザを新たに10か国で発行 するとのこと。

フランスへの旅行客が多いロシア、ASEAN5か国(タイ・フィリピン・カンボジア・ラオス・ミャンマー)に加え、インドネシア、インド出身の外国人観光客は、従来であればフランス観光時に短期滞在ビザが必要でしたが、 2017年11月からはビザなしでも48時間フランスに滞在することができます。

2018年には、対象国をサウジアラビア、ベトナムにまで適用するとのこと。より多くの外国人観光客が、簡易ビザでも入国できるようにすることで、外国人観光客数の増加に加え、インバウンド消費の喚起を狙います。

②空港の保安検査場での待ち時間を短縮する

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、外国人観光客のストレス軽減のため、 空港内での手荷物・身辺検査の時間を短縮 していきます。

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、2018年1月1日までに、 ヨーロッパ出身の外国人観光客には最大でも30分、ヨーロッパ以外出身の外国人観光客に対しては最大でも45分の待ち時間 で、手荷物・身辺検査を受けてもらえるように整備していきます。

③パリと最寄りの空港を結ぶ高速道路の整備

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、フランスの首都・パリに近い2つの空港(シャルルドゴール空港とオルリー空港)とパリ市街地を結ぶ 高速道路のメンテナンス を行います。

道路の清掃やゴミ拾い、緑化運動を推進していくことで観光客の移動時の利便性向上を狙います。

④海沿いと山沿いのリゾート地への資金援助

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、 リゾート地において、観光業従事者がサービス面と施設の設備環境を向上 できるように、 国から奨励金を給付する計画 が実施される予定です。

また、観光客の宿泊施設を確保するために、最大限に活用できていないマンションやアパート に関しても、自治体によって改築が進められる予定。

⑤空港での免税手続きの簡素化

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、フランスの観光地としてのブランドイメージの低下を抑えるために、免税制度の簡略化 に取り組むとのこと。

免税申請書類を2018年6月30日までに簡略でわかりやすいなものに置き換え、空港内の免税手続きを一括で管理できるプラットフォームを構築していきます。

⑥”データツアーリズム”を2017年秋にローンチ

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、“DATAtourisme”と呼ばれるプラットフォームを2017年秋にローンチします。

これは、観光業に従事する人たちがもつ観光データをオープンデータとして共有し、インバウンド誘致に役立てるもの。フランスのインバウンド観光におけるセクター間の競争力を高めることができるとしています。

⑦”文化的ツーリズム”の促進

Roadmap for Tourism(ツーリズムに関する計画表)によると、フランス観光政府当局では、文化・通信省(日本でいう文部科学省)と、共同で 「Cultural Tourism(文化的ツーリズム)」 というものを提唱していきます。

フランスの文化的資源と観光を込み合わせたもの で、世界一ともいわれるフランスのソフトパワーを武器に外国人観光客を呼び込みます。

まとめ:日本を上回るインバウンド観光市場をもつフランスのインバウンド誘致策を参考に

2回に分けて世界一の外国人観光客数を誇るフランスのインバウンド観光市場の概要と、2020年に向けた具体的な施策に関してご紹介してきました。

2016年、日本では2,400万人のインバウンド誘致に成功しましたが、対する フランスでは8,300万人。 また、2020年に目標としている外国人観光客数の誘致数は、日本では4,000万人、フランスでは1億人 となっており、数字で見るとインバウンド観光市場においては日本とフランスには大きな差があります。

フランスのような大きな観光立国インバウンド誘致策から学ぶことは多くあるため、今後も海外事例も参考にした訪日外国人観光客の受け入れ体制を作っていくことが重要です。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参考>

訪日ラボ 最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。

永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


訪日ラボを運営する株式会社movは、株式会社ユニットティ 代表取締役で、日本初のGoogle ビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートとしても活躍する永山 卓也氏とともに、Googleビジネスプロフィール専門の解説書『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』を青春出版社より8月5日から発売いたします。

本書は、小売・飲食・宿泊業、観光業のマーケティング、マネジメント支援を中心に豊富な支援実績を持つ永山氏、そして口コミ対策・ローカルSEO(MEO)、インバウンド領域に知見を持つmovがタッグを組み、Googleビジネスプロフィールに関わる店舗集客施策を解説したものです。

全国の書店及びAmazonなどのオンライン書店、電子書籍での販売を予定しております。事前予約については以下のページをご確認ください。
https://amzn.asia/d/06xjqsYU

詳しくはこちらをご覧ください。
永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


【インバウンド情報まとめ 2024年7月前編】「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? / 4月の国別宿泊者数 中国が再び1位に【インバウンドまとめ 2024年7月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに