中国人が海外旅行で使ったお金は総額26兆円!13億5,000万人が海外に旅行した2016年の世界の観光市場 知っておくべき数値をまとめました

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

2020年の4,000万人の訪日外国人誘致を目指し、インバウンド観光市場が盛り上がっています。「外国人旅行客を日本に呼び込む」という視点から、日本国内の企業・自治体はさまざまなインバウンド誘致策に取り組んでいますが、そもそも世界規模での海外旅行市場は、どのようになっているのでしょうか?

UNWTO(国連世界観光機関)では、毎年、World Tourism Barometerというアウトバウンド・ツーリズム(世界の海外旅行)に関するレポートを発行しています。今回は、2016年の世界での海外旅行市場に関して着目すべき数値や特徴を、ピックアップしてご紹介します。


【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】

カンファレンスについて詳しく見てみる

『13億5,000万人』…2016年に海外旅行をした人の数

UNWTO国連世界観光機関)の「World Tourism Barometer」によると、2016年、13億5,000万人 が、海外に旅行しました。この観光客の数は、前年比6%増 となっています。

その背景としては、2012年から外国人旅行者数トップの中国において、海外旅行が引き続き人気のアクティビティである ことが大きいようです。中国人観光客の増加は、特に日本、韓国タイインバウンド観光市場に大きな恩恵を与えています。 アメリカやヨーロッパなど長距離のフライトを要する地域への観光も人気でした。

『+4%』…2016年の海外旅行支出の伸び(対前年比)

2016年の海外旅行支出(国・地域別):UNWTO(国連世界観光機関)より引用

2016年の海外旅行支出(国・地域別):UNWTO(国連世界観光機関)より引用

また、同レポートによれば、2016年は、世界中多くの国々で、観光市場が好調だったとのこと。

海外旅行客による支出は、2015年と比較した場合、全体で 4%増加 しました。微増とはなりましたが、近年多発しているテロなどの影響を加味すると、ポジティブな結果であるといえるでしょう。上記のグラフでご紹介しているように、支出額がもっとも大きかった5か国は、中国アメリカドイツイギリスフランス となっています。

2016年全体の海外旅行支出の動向としては、以上のような傾向が見られました。次に国籍別の消費額で特筆すべき部分をご紹介します。

『26兆円』…中国人が2016年 海外旅行に使ったお金

2016年に海外旅行支出が増えた要因の一つは、中国人観光客 によるものです。2012年ごろから、アメリカを抜いて海外旅行時の旅行支出額トップに 躍り出ており、それからトップを走り続けています。2016年、中国人観光客は、海外旅行に 26兆円 を使いました。

中国人が海外旅行時に使ったお金は、2015年から 1兆円ほど増加 しました。中国人が海外旅行で使ったお金は、世界の旅行支出額全体の20%を占める 結果になりました。

『12兆円』…アメリカ人が2016年 海外旅行に使ったお金

アメリカの海外旅行支出の伸びも、2016年の海外旅行客による支出増加に寄与するもの だとしています。

アメリカは、中国に次ぐ2位のアウトバウンド消費を誇ります。2016年、アメリカ人観光客は、海外旅行に12兆円 を使いました。2015年と比較すると 9000億円の増加です。 三年連続の旅行支出の増加は、米ドルと経済の安定によってもたらされています。

『+28%』…ベトナム人の海外旅行支出額の伸び(対前年比)

上記でご紹介したグラフからは漏れてしまっていますが、2016年の海外旅行支出が2015年と比べて二桁の伸びを記録した国が以下の通り。

国名 海外旅行支出の伸び(対前年比)
ベトナム +28%
アルゼンチン +26%
エジプト +19%
スペイン +17%
インド +16%
イスラエル +12%
カタール +12%
ウクライナ +12%
タイ +12%

日本から地理的に近い ベトナムタイでは、旅行支出が伸びており(それぞれ+28%、+12%)、経済の発展とともに 海外旅行時にもお金を多く使うようになっている ことが把握できます。

まとめ:海外旅行市場は世界的に見ても好調な模様

今回は、UNWTO国連世界観光機関)による「World Tourism Barometer」から、世界のおおまかな海外旅行市場を把握するにあたって必要な数値や特徴をご紹介しました。

海外旅行市場は、世界的に見ても好調であり2016年には13億5,000万人が、海外に旅行をしました。 それに伴い 旅行支出も対前年比+4% と伸びを見せています。旅行支出額としては、中国アメリカ が大きなウエイトを占めているようです。

次回の記事では、これらのデータを日本のインバウンド市場にどう活用できるのかに関して説明していきます。

<関連>

2020年までに1億人のインバウンド誘致を目指すフランス:観光超大国が掲げるインバウンド観光におけるこれからとは①

訪日外国人観光客が 史上最多となる2,400万人 を突破した2016年。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて 日本のインバウンド観光市場は盛り上がりを見せています。日本は海外から人気の観光地としてブランドを確立しつつありますが、 世界で最も外国からの観光客が多いフランスのインバウンド観光事情は、どうなっているのでしょうか? そして、 世界最大の観光立国であるフランスは、これからさらなる外国人観光客を呼び込むために何をしていくのでしょうか? フランス外務省のプレスリリースと各...

高級志向・コト消費・安全の3つがキーワードに:2017年の中国の海外旅行トレンドまとめ

2017年3月の中国インバウンド市場では、約50.9万人で、3月として過去最高を記録しました。2017年3月までの中国籍インバウンド外客数推移中国から欧州や北米、豪州等へ向かう一部航空券の価格が大きく下がったことで、インバウンド需要が他国への海外旅行需要に流れてしまったことから、伸び率は前年同月比2.2%増にとどまりましたが、依然として日本のインバウンド市場における最大のターゲットとなっている訪日中国人観光客。中国人観光客の間で、2017年の海外旅行のトレンドはどのように変化していくのでし...

<参照> - UNWTO(国連世界観光機関):World Tourism Barometer

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに