もし、あなたが訪日外国人向けに多言語版の自社サイトを作る場合、どんな作業が思い浮かびますか?翻訳会社に依頼して完了!と思っているなら大きな間違いです。
実は、「外国語対応」とひとくちにいっても、色々な作業があります。 外国語対応されたウェブサイトやサービスを展開する場合は、「翻訳」 と、さらに 「国際化」 と呼ばれる「システム対応」が必要になります。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)「翻訳」と「国際化」と「多言語化」
「翻訳」とは?
「翻訳」の意味は当然みなさんも分かりますよね。ある言語の文章を他の言語に他の言語に変換して表現しなおすこと です。「こんにちわ」を「Hallo」に変換するのは翻訳ですね。
翻訳に正解はなく、同じ文章であっても違った翻訳文章があがってくることは多々あります。ターゲットとなる方に、より響く言い回しに変換する必要があります。
「国際化」とは?
では、実はもう一つ大事な「国際化」というのはなんでしょうか? 「国際化」とは、ソフトウェアに技術的な変更を加えることなく多様な言語や地域に適合できるようにする、ソフトウェア設計の工程 です。
はて、、、といった感じでしょうか。
こう考えてみて下さい。あなたは上司から「ちょっとうちの会社のウェブサイトを、英語版と中国語版を作ってよ。翻訳文はここにあるから、あとはよろしく!」なんてお願いされたとします。でも、あなたは翻訳文を持っていても、ウェブサイトに英語と中国語を追加することはできませんよね?
日本語版しかないウェブサイトに、英語/中国語を追加するには、すごーくざっくり説明すると
- 翻訳文をHTMLに書き起こす
- サーバーにアップロードして反映
の2つの作業が必要です。そしてこの2つの作業はエンジニアしか出来ません。 このエンジニアにしか出来ない作業の事を、すごーくざっくり説明すると 「ソフトウェアの国際化対応」 と呼びます。これがシステム対応です。
internationalization、略して i18n なんて呼んだりもしますが、これは、一番最初の「i」と最後の「n」の間が18文字なので「i18n」と呼びます。(ヌメロニムっていう数略語です。豆知識。)
多言語化とは?
以上のことから、つまり 「翻訳」をして、「国際化(システム対応)」をして、やっと「多言語化」 となるのです。WEBサイトの多言語化は、翻訳だけでは完結しません。
さて、この「システム対応」という作業、ある程度の規模のWebサイトだと、実はすごく大変です。僕の知っている例をご紹介します。
とあるチケットの予約サイトがありました。彼らは急増する訪日外国人向けに自社の予約サイトを 5ヶ国語対応 しようと、いつも懇意にしているシステム開発会社に依頼します。しかし、そこで帰ってきた見積もりを見てびっくりしてしまいます。なんと、7千万円もの開発費用 がかかるというのです。(しかも、そこから さらに翻訳費用 がかかる!)
さらには翻訳文の修正などが入った場合にもエンジニアの工数がかかるということで、月間の保守費用も数百万円〜 、、、翻訳以外にも、こんなにもコストがかかるのが多言語化です。たかが多言語化、されど多言語化なのです。
多言語化を検討する際には、翻訳文書の準備はもちろんですが、必ずこの 「システム対応」をどのようにやっていくか検討しましょう。 次回以降で、さまざまな多言語化の課題や解決策や、色々なツール、サービスについてご紹介できればと思います。
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