最新!台湾ウェブPR・ネット広告事情:実はいちばん大事なのは「何でやるか=媒体」より「どうやって流すか=コンテンツ制作力」です!

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1回目に従来型プロモーションの問題点を、2回目にターゲティングの必要性について書かせていただきました。今日はいよいよ、台湾向けPRの主戦場である、ウェブを用いたプロモーションと広告について書きたいと思います。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

Facebookページ:有効なツールだが、赤潮状態

台湾Facebookの普及率が世界最高水準、もはや生活のインフラと言えるまでに浸透しています。かく言う私もラーチーゴー!日本の立ち上げはFacebookからでして、ウェブサイトも何もない状況で、ひとりFacebookページを立ち上げました。日本人が中国語で情報発信するというスタイルが当時はまだ珍しかったため、おかげさまで非常に大きな人気を博し、あっと言う間にファンは10万人程度にまでなりました。そこでユーザと直接交流しながら、「どんなサービスが欲しいのか?」を整理し、ラーチーゴー!をつくりました。現在のファン数は61万人、ほとんどが台湾香港のユーザであり、今も当社の有効なマーケティングツールになっています。

当社では、ラーチーゴー!日本で掲載した記事を、自社運営するファン数60万人のFacebookページで投稿し、紹介しています。ラーチーゴー!は多言語メディアではなく台湾香港に特化したメディアであり、尚且つFacebook上のファン数が60万人以上いるので、記事がバズりやすくなります。


↑ユーザが本当に欲しい情報であれば、いいね!やシェアを通じて、情報はひとりでに拡散します。

しかし、現在多くの企業・自治体台湾向けFacebookページを開設し、運営されていますが、どれもあまり集客に成功していません。それは、提供している情報が”日本人目線”の面白くない情報だったり、せっかくついたコメントに迅速に返事できていなかったり、理由は色々あると思うのですが、一番大きな理由は、「日本観光関連」の 類似ページが林立し過ぎて、いわゆるレッドオーシャンの状態 になってしまっている事だと思います。類似ページが増えたため、ユーザのロイヤリティを獲得するのも困難になって来ました。

当社の「ラーチーゴー!日本」も、一時期は全体ページビューのうち、ソーシャル(Facebook)からの流入が70%を超え、Facebookページ経由の流入に依存していた時期もありました。しかし、上述のような理由から、ソーシャル依存度を低くすべく、台北にアンテナショップを設置したり、現地テレビ局とコラボしたり、創業者の私自身が台湾メディアに出演したり、後述のYahoo!ネイティブアドを活用したりと、様々な施策を通じ、「ソーシャル依存度」を下げて来ました。 ソーシャル・ダイレクト・検索、それぞれからの流入のバランス を改善すべきだったからです。いまでは、一昨年に比べて月間ユーザ数は3倍程度まで成長しましたが、ラーチーゴー!自体の知名度が向上したため、ダイレクトや検索での流入が増え、Facebookからの流入比率は全体の25%程度まで下げました。

Facebook広告:人気記事は広告単価が劇的に下がる

さはさりながら、Facebook広告は時として非常に有効なツールです。なぜなら、Facebook広告は同社独自のアルゴリズムによってクリック単価が上下し、人気投稿の場合にはクリック単価が非常に安くなる からです。例えば、さして面白くない投稿に広告をつけた場合には、クリック単価は50円を上回ることもザラにある一方で、非常に多くのいいね!やコメントの付いた=いわゆるバズった記事については、5円もしくはそれ以下になることもあります。


↑クリック単価、驚異の1円以下(!) ページにファンが多く、いいね!が多く押されるほど、非常に高い費用対効果が期待できます。

逆に言うと、少数のユーザにしか刺さらない、マニアックな商品や非常に高級なサービスなどは、この方法にマッチしません。

Instagram:その「いいね!」は何に対するものか?

台湾でも、ここ1〜2年で急速にインスタグラムの利用率が高まっています。当社が今年9月に行なった調査でも、過半数のネットユーザがインスタグラムを利用しており、特に若い女性が多いのが特徴です。

「インスタ映え」と言われるように、良くも悪くもノンバーバル(非言語)主体のコミュニケーションなので、シンプルにその写真が「イケて」いれば、いいね!もどんどん集まります。しかし、有名インスタグラマーを招聘していろんな場所で投稿させても(広告費を払っているなら、この時点でステマなのですが)、そのいいね!はそのモデルがカワイイから、或いはイケメンだから押しているのであって、必ずしも商品サービスや観光地の訴求になっていない のかも知れません。インスタグラムは、詳しい商品説明にはまったく不向きですので、知名度が低い場合、詳細な商品説明が必要な場合は、ほかのメディアと連動させるべきです。さりとて、他のSNSに比べていいね!やコメントの活発さは相対的に高いので、魅力ある媒体だと言えます。

YAHOO!台湾 ネイティブアド:使いやすく、広くリーチできる

台湾のヤフーは「YAHOO!奇摩」の名前で知られています。「奇摩(KIMO)」とは、台湾現地の検索ポータルサイトで、2001年にヤフー台湾が同社を買収し、YAHOO!奇摩となりました。また、今年(2017年)に米ヤフーがベライゾン傘下のAOLと統合しOath(オース)の一部になることになったため、台湾のヤフーもOathと社名を変更しています。


↑台北市・南港にあるYAHOO!奇摩改めOath台湾の本社。

台湾は、世界的にも珍しく、ヤフーが長らく検索エンジンのトップシェアを維持していましたが、現在はAndroidやChromeのシェア拡大とともに、グーグルが圧倒的シェアを獲得するまでになりました。しかしながら台湾ネットユーザの接触率では、ヤフーは現在も98%と非常に高い水準を維持しており、Y!ニュースのほかEC(Yahoo!購物)や旅行(Yahoo!旅遊)など、幅広いサービスにおいて、愛用されています。

このYAHOO!台湾に効率良く露出できるのが、YAHOO!原生廣告(ネイティブアド)です。ネイティブアドとは、簡単に言うと「コンテンツの中に広告を自然に埋め込むことで、広告をコンテンツの一部として見てもらう事をねらった広告」です。YAHOO!台湾のトップ画面の、記事と記事のあいだに、広告が挟み込まれます。

大量のトラフィックを誇る同メディアに、効率良く広告が掲載できます。、YAHOO! ネイティブアドの優れた点は、費用対効果が明確で、幅広くリーチできる事 です。クリック課金なので、押されない限りはずっと掲出され続けますし、Facebook広告のように、投稿の人気・不人気で単価が極端に乱高下することはないので、ニッチ商品・高級商品にもうってつけです。

当社が運営する「ラーチーゴー!日本」でも、ネイティブアドを活用しています。台湾人・香港人のみで構成されたラーチーゴー!の編集部が、台湾人消費者が関心を持てる内容のタイアップ記事を制作した上で、Yahoo! ネイティブアドで大きく拡散させています。せっかくYahoo! ネイティブアドで拡散しても、クリックした先のコンテンツがつまらなければ意味がないので、ここでも コンテンツ制作力がキャンペーンの可否を大きく左右 します。

以上、台湾のネット広告について、簡単に紹介しました。日本では依然としてマスメディアの影響力が強いですが、台湾においては、間違いなくインターネットがプロモーションの主戦場 です。にもかかわらず、いま日本の企業・自治体プロモーションは従来型のアナログPRが主流で、デジタルプロモーションに関して理解がある事業者は極めて少ない印象です。もちろんアナログも必要ですが、それらアナログPRの効果を最大限高められる、デジタルなプロモーションが不可欠だと言えます。

<まとめ>

  • Facebookページは競合が多く、立ち上げは簡単だが運営には手間がかかる。
  • Facebook広告は、人気投稿になればなるほど、単価が安くなる。
  • Instagramは詳細な商品説明に不向きだが、写真映えする観光地にはうってつけ。
  • YAHOO!ネイティブアドは、機動的に使いやすく、コスパが安定している。

→いずれにおいても、コンテンツ制作力が成功の可否を決める!

【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント

2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。

これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。

しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。

本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。

<本セミナーのポイント>

  • インバウンド戦略の基本が学べる!
  • 中国インバウンド市場の規模と最新トレンドがわかる!
  • 中国特有のSNS・地図アプリを踏まえた対応策を学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。

消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

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この記事の筆者

株式会社ジーリーメディアグループ

株式会社ジーリーメディアグループ

株式会社ジーリーメディアグループ 代表取締役 吉田皓一。奈良県生。防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。総合ビジネス局にて3年に渡りテレビCMの企画・セールスを担当したのち退職、2013年ジーリーメディアグループ創業。台湾香港向け日本観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」(日経優秀製品サービス賞・最優秀賞受賞)を運営するほか、台湾現地のメディアに多数出演。ラーチーゴー!日本と連動したアンテナショップを台北に運営する。中国政府公認の中国語検定試験・漢語水平考試(HSK)最高級所持。

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