1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド」は、英語圏からのアクセスが上位を占めている訪日観光客向けの情報ポータルサイトです。
前回は「雪」に焦点を当て、欧米豪と東南アジアの傾向の違いについて言及しましたが、今回は総括の意味も含め前年の数値と比較しながら、2017年における伸び率トップ10のページを見ていきたいと思います。
「インバウンド×雪」を徹底調査 アジア圏と欧米豪で雪に感じる魅力が違うことが判明:ジャパンガイドのデータでみる雪の観光地トレンドとは
1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド」は、英語圏からのアクセスが上位を占めている訪日観光客向けの情報ポータルサイトです。前回は神社をテーマに欧米豪の傾向についてご紹介しましたが、今回は「雪が見られる観光スポット」をテーマに、過去1 年のジャパンガイドのアクセスデータを参照しながら、アジア圏と欧米豪それぞれにおいて人気のあるエリアとその理由について見ていきたいと思います。 [blogcard url=”https://honichi.com...
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
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2017年 アクセス伸び率ランキングトップ10 (国別×ページ別)
図表1
※2016/01/01 - 2016/12/20、2017/01/01 - 2017/12/20 Google Analyticsデータを比較
※アクセス数が多い順に5ヵ国(アメリカ、シンガポール、オーストラリア、イギリス、タイ)を選定
※国内からのアクセスは除外
※2016/01/01以降に新設されたページは除外
※旅行コンテンツ以外のページは除外
アメリカ、オーストラリア、イギリスにおいて認知度が高まった”Hakone Free Pass(箱根フリーパス)”
共通点から整理していくと、まずアメリカ、オーストラリア、イギリスにおいて、” Hakone Free Pass(箱根フリーパス)“ページが6位以内にランクインしています。
“Hakone Free Pass(箱根フリーパス)”は小田急電鉄株式会社が販売する箱根エリアの周遊パスです。定額で電車・バス・船・ケーブルカー等何度でも乗り降り可能となっていることから国内のみならず、インバウンドにおいても好評を得ています。もともとのアクセス数が限られていたということも関係していますが、イギリスでは 前年比約525%、アメリカでも 約300% と、2017年に認知が一気に高まった様子がうかがえます。
映画「沈黙」の影響か?イギリス、アメリカで”Christianity in Japan(日本のキリスト教)”が1位と2位に
アメリカ、イギリスでは”Christianity in Japan(日本のキリスト教)“という、日本におけるキリスト教伝来の歴史概要を紹介するページの伸び率が2位以内に位置しています。これは2016年12月に公開された映画「沈黙」が大きく影響していると考えられます。
図表2-1
図表2-2
図表2-1、図表2-2はGoogleにおける、Chiristinanity in Japan、Chiristinan persecution in Japan というキーワードでの検索数の”月別推移”、”国別割合”をそれぞれ表しています。ご覧の通り、映画が公開された2016年12月を皮切りに2017年の6月頃まで検索数が大幅に上昇しています。国別のアクセスをみるとアメリカが44%、イギリスが7.5%とそれぞれの国から注目を集めていました。日本におけるキリスト教に関するページの他、アメリカでは3位に”Noh Theater(能楽堂)”、7位に”Samurai(侍)”がそれぞれランクインにており、日本文化への関心の高さが見て取れます。
シンガポール、オーストラリアでは高尾山、浅草が上位にランクイン
あまり並べて論じられることのないシンガポール、オーストラリアですが、シンガポールでは4位と8位に、オーストラリアでは3位と同じく8位に”Takaosan(高尾山)”、”Asakusa(浅草)”ページがそれぞれランクインするという共通点が見られました。
この他各国ごとの特徴とみていくと、まずシンガポールでは9位の”Prepaid IC Cards in Japan(日本のプリペイドICカード)”のページを除き、具体的なエリア・スポットに関するページがトップ10を占める 結果となりました。
特に1位”Cup Noodle Museum(カップヌードルミュージアム)“、2位”Outlet Mall in Japan(日本のアウトレットモール)“は今回取り上げた他国には見られない傾向となっており、”Takayama Access(高山:交通情報)”、”Nagano(長野)”等のページが上位に位置してることから考えても、リピーターの割合が比較的高い ことが推測できます。
続くオーストラリアでは、1位に”Travel Planning(旅行計画)“、4位に”Luggage in Japan(日本での荷物)“、9位に”Japanese Etiquette(日本でのエチケット)“などの 訪日未経験者に多く閲覧されるページがランクインしている 一方、”Tokyo Tower(東京タワー)”、”Kanazawa(金沢)”などの具体的なエリア・スポットページも上位に入ってきており、リピーターと訪日未経験者が混在している 様子がうかがえます。
イギリスでは九州への関心が高まる
今回ピックアップした5ヵ国の中でアメリカに続きアクセス数の上昇率が高かったイギリスですが、トップ9までが100%を超える上昇率となっており 訪日旅行への関心が高まっている 様子が見て取れました。とりわけ特徴的だったのが、2位に”Sakurajima(桜島)“、6位に”Kyushu(九州)“がランクインしている点です。
元来、東アジア・東南アジアからの旅行者の割合が高かった九州ですが、2016年より最重要市場国にイギリス・フランス・ドイツ等の欧米豪諸国を組み込みプロモーションを行ってきたことが実を結んだ結果ということができるかもしれません。
タイでは沖縄が2位にランクイン
従来、北海道や立山黒部アルペンルート等、北日本へのアクセスが注目されていたタイですが、2017年は”Okinawa(沖縄)“ページへのアクセスが前年比 344.51%と急激に上昇 しました。これは2017年2月にPeach Aviation 株式会社が那覇-スワンナプーム便を就航したことが大きく影響していると考えられます。
この他、1位に”Kansai Thru Pass(関西スルーパス)”、3位に”Seishun Juhachi Kippu(青春18きっぷ)”と、お得な交通パスに関するページが上位に位置しており、また、10位には5ヵ国の中で唯一”Car Rental in Japan(日本のレンタカー)”がランクインしていることから、団体旅行から個人旅行への移り変わりが加速化している と推測できます。
まとめ:国ごとに訪日旅行者の属性に大きく開きがある
昨今、あるゆるメディアにてインバウンドではターゲットを設定することが大事であると言及されています。今回伸び率に関するデータをみていく中で、国ごとに大きくアクセスの傾向が異なる様子が見て取れました。まずは自らのターゲットとする国がどのフェーズにあるのか(=リピーターが多いのか、未経験者が多いのか等)今一度整理し、ラグビーワールドカップがある2019年、オリンピック・パラリンピックがある2020年へ向けて、ターゲットごとに段階に応じた施策を講じることがより一層重要になってくると考えられます。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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