国によって旅マエに求めている情報の内容は違います。例えば、同じヨーロッパ諸国といえど、旅行先を選ぶにあたってイギリス人は「お得感」が伝わる情報を、ドイツ人は他人からの「レビュー・口コミ」を求めています。海外に向けて企業や自治体などが情報を配信する際、その国出身の人々が何を求めているのかに焦点を当てることでより効果的なPRが期待できるでしょう。
では、アジア・オセアニア出身の海外旅行客は、旅行をする際にどのような情報やレコメンドを欲しているのでしょうか。 スペインのIT企業Amadeusの資料をもとに説明していきます。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
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アジア太平洋の海外旅行者はどのような情報・レコメンドを求めているのだろうか?
スペイン・マドリードに本社を置くIT企業Amadeusでは「Amadeus Journey of Me Insights」を作成しています。これは、Amadeus社がイギリス・ロンドンのリサーチ会社YouGovと共同で 2017年5月に実施 した調査をもとに作成された アジア太平洋地域の海外旅行者に関する調査レポート です。アジア・オセアニア14か国(オーストラリア・中国・香港・インド・インドネシア・日本・韓国・マレーシア・ニュージーランド・フィリピン・シンガポール・台湾・タイ・ベトナム)出身かつ過去1年間に飛行機で旅行した人6,870人が調査対象となりました。
上記の表は同レポートをもとに 各国の海外旅行者が旅行をする際にどのような情報・レコメンドを役に立つと考えているかについてまとまたもの です。この表から把握できることに関して解説していきます。
この図から把握できる2つのポイントとは?
① 「旅行出費の節約」の助けになる情報・レコメンドを欲しているアジア・オセアニア圏の旅行客
基本的にアジア・オセアニア出身の人々は旅行をする際に、「出費を減らしてくれる情報」を求めている ようです。表に表した12か国中8か国(オーストラリア・香港・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・台湾・タイ)で同選択肢を回答した人がもっとも多い結果になっています。一般的にアジア・オセアニアの旅行客には「安さ」を含んだ情報を配信するのが効果的 かもしれません。
Amadeus Journey of Me Insightsによると、旅行をする際に安さやお得さを含んだ情報を求める傾向は特に マレーシア・ニュージーランド・フィリピンで顕著 だとのこと。
② ベトナム・インド出身の海外旅行者はとにかく安全を重視している模様
先述の通り、多くの国では「安さ」をベースにした情報が役に立つと考えられているようですが、ベトナム人とインド人の海外旅行者においてはが「安全が確認できる情報・レコメンド」をもっとも必要としています。 インド人とベトナム人は海外旅行時に 「治安の良さ」を重視する傾向がある ことが把握できます。
また、「安全が確認できるもの」が2位にランクインしているように、中国人観光客も安全を重要視する傾向に あります。以前取り上げたように、近年の中国人観光客は旅行先を選ぶ際、「治安の良さ」をもっとも重視するようになっています。理由には 中国人観光客の80%が家族連れであること、近年テロや観光客を狙った犯罪が多発していること が挙げられます。
ここのような背景から日本を旅行先に選ぶ中国人やベトナム人、インド人は近年増加しており、「治安の良さ」が日本のインバウンド市場にとって1つのアドバンテージであること は頭に入れておくべきでしょう。
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まとめ:アジア・オセアニアの旅行客向けの情報配信 上記のポイントを参考に
Amadeus Journey of Me Insightsによると、アジア・オセアニア出身の海外旅行客は、旅行をする際に基本的に 「旅行出費の節約」の助けになる情報・レコメンドを求めている ようです。「安い」「お得」こういったキーワードをもとにした情報配信には一定の効果がありそうです。一方、ベトナムとインド人の間では「安全が確認できる情報・レコメンド」を欲している ようです。近年、ベトナム人市場とインド人市場は日本のインバウンド業界で注目を集めているため、誘致・集客する際には「治安の良さ」をアピールした情報配信に可能性がありそうです。
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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