桜のインバウンド需要 12月頃から検索され始め、欧米圏イースター休暇と重なり需要獲得の絶好のシーズン:ジャパンガイドのデータ・口コミからみるお花見人気スポット

1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド」は、英語圏からのアクセスが上位を占めている訪日観光客向けの情報ポータルサイトです。今回は「桜」をテーマに、各スポットの評価や、ユーザーから寄せられる質問などを見て行きたいと思います。

前年の夏からお花見計画を立てる訪日観光客も

まず全体の傾向を知るために、Googleトレンドによる「Cherry blossom, Japan」というキーワードの検索動向をみてみましょう。

(図表1)キーワード検索数の年間動向 (Google Trend: 2017/01/01~2018/01/01)

(図表1)キーワード検索数の年間動向 (Google Trend: 2017/01/01~2018/01/01)
国名 キーワードの人気度
シンガポール 100
フィリピン 53
オーストラリア 50
香港 31
アラブ首長国連邦 24
マレーシア 20
イギリス 11
カナダ 11
アメリカ 8
日本 7

(図表2)キーワードの人気度 (Google Trend: 2017/01/01~2018/01/01)

※指定した期間において、該当のキーワードの人気度がどの地域で最も高かったかを表示。人気度の値は 0~100 です。100 の場合はその地域ですべてのキーワードに比較してそのキーワードの人気度が最も高いことを示します。100 の場合はその地域ですべてのキーワードと比較してそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合はその地域でそのキーワードの人気度が半分であることを示します。0 の場合は、その地域で該当のキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。(Google Trendによる)

「Cherry blossom, Japan」、つまり『桜 日本』という検索意図のキーワードがもっとも検索されているのは 4月上旬検索数は12月下旬頃から徐々に増加する傾向 にあります。同キーワードが検索されている割合がもっとも多い国は「図表2」のとおり。桜のみならず、自国で見られる種類とは異なった花への興味が強い 東南アジア2カ国を筆頭に、オーストラリア、イギリス、カナダ、アメリカなど英語ネイティブ圏もトップ10にランクイン しています。3月から4月にかけて、欧米諸国ではイースター休暇の時期にもあたり、日本の桜はうってつけの訪日目的 となります。

ジャパンガイドでは2009年から毎年、各地の桜の開花情報をリアルタイムで発信しており、「Cherry Blossom Report」として、専属の外国人スタッフが日本全国を縦断し取材をしています。また、サイトコンテンツとして桜に関するページも用意されており、2013年からは「Missed the cherry blossoms in Tokyo?」や、「Missed the cherry blossoms in Kyoto?」など、東京や京都でのお花見の機会を逃してしまったユーザーに向けて、代替案となるプランを紹介しています。

毎月約4,000件の書き込みが発生するジャパンガイドの掲示板「Forum」では、桜の見ごろや、お花見スポットに関する質問が寄せられ、早い時期だと夏頃から翌年の桜シーズンの訪日に向けて情報を求めるユーザーの書き込みが見られます。以下は、近年書き込まれた桜に関連する質問です。桜開花のタイミングを逃さぬよう、前もって計画を立てている様子が伺えます。

  • 3月中旬に来日して4月9~12日の間に帰国の予定で九州、四国、関西エリアを周遊します。日本の映画に出てくるような桜の風景を見たい場合、4月9日帰国は早すぎるでしょうか?(2016/12/30)
  • 桜シーズンの期間でボートを漕げる場所はありますか?千鳥ヶ淵、井の頭公園、弘前で可能なのは知っています。他の場所を知っていたら教えてください。(2017/2/11)
  • お花見のために桜トンネルを低速で運行する電車があると聞いたのですが、どこにあるのでしょうか。イルミネーションはありますか?あるとしたらいつ頃でしょうか?(2017/3/30)
  • 4月上旬に日本への旅行を計画しています。多くの人が東京IN、大阪OUTのルートで旅行しているようですが、私は逆のルートを検討しています。理由は、桜は南部から咲いていくので、もし大阪で桜を見逃しても東京でまだチャンスがあるからです。どう思いますか?(2017/10/11)

ジャパンガイドで人気の桜スポット 外国人が興味を抱く「お花見文化」

それでは次に、ジャパンガイド編集部とユーザーの評価による、各エリアのお花見スポットを見ていきましょう。 (ジャパンガイドの桜スポット紹介ページでは、★無しから★3つの4段階で評価しています。以下は★がついたスポットのみを抜粋しています)

北海道

北海道
松前公園★★
五稜郭★★
円山公園・北海道神宮★

東北

仙台 福島 その他の東北エリア
三神峯公園★ 花見山公園★★★ 弘前城★★★
榴岡公園★ 信夫山公園★ 北上★★
西行戻しの松公園★   角館町★★
鹽竈神社★    
白石川★    

関東

東京 横浜 群馬
新宿御苑★★★ 三ツ池公園★ 高崎城・高崎公園★
上野公園★★ 三溪園★ 赤城南面千本桜★
千鳥ヶ淵★★ 根岸森林公園★ 前橋公園★
墨田公園★    
代々木公園★    
飛鳥山公園★    
目黒川★    
井の頭恩賜公園★    
国営昭和記念公園★    

中部

伊豆 富士五湖 長野 新潟 金沢 名古屋
河津★ 河口湖北部★★ 松本城★★ 高田城★ 兼六園★ 山崎川★★
  忠霊塔★★ 弘法山公園★     名古屋城★
  産屋ヶ崎★★ 高遠城址公園★     鶴舞公園★
  いやしの里★       平和公園★
  忍野八海★       犬山城★

関西

彦根 京都 大阪 奈良 吉野 姫路
彦根城★ 哲学の道★★★ 桜之宮公園★★★ 奈良公園★ 吉野山★★★ 姫路城★★★
  円山公園★★ 大阪城★★ 平城宮★    
  嵐山★★ 万博記念公園★★ 郡山城跡★    
  平安神宮★★ 造幣局★★      
  原谷苑★★ 花博記念公園鶴見緑地★      
  岡崎疏水★        
  蹴上インクライン★        
  醍醐寺★        
  二条城★        
  京都府立植物園★        

中国

岡山 鳥取 広島
半田山植物園★★ 鳥取城★ 宮島★★
後楽園・岡山城★ 因幡千本桜★ 広島平和記念公園★
たけべの森公園★ 青島公園★ 広島城★
    縮景園★

四国

高松 松山
女木島★★ 松山城★★
栗林公園★ 道後公園★
丸亀城★ 松山総合公園★

九州

福岡 熊本
福岡城★ 熊本城★
海の中道海浜公園★ 水前寺成趣園★

(図表3)

ジャパンガイド編集長のステファン・シャウエッカーは個人的に、弘前公園、吉野山、福島の花見山公園や三春滝桜をおすすめのスポットとして挙げています。弘前公園は桜の種類や数が多い点、城をバックとした景観や、ボートレンタル、ライトアップなど、楽しみ方の幅が広いことが高評価の理由のようです。吉野の桜は日本人にとってもお馴染みの古今集の時代から人気のスポット。

福島県の桜については、東日本大震災後に訪れた際に目にした、瓦礫の中で咲く桜の光景が忘れられないとコメントしています。たった1本しかない三春滝桜を見に訪れる日本人観光客の車のナンバープレートが全国各地であったことも驚きだったようです。また、当初は桜そのものではなく、桜の下でお花見をする日本人も興味の対象となったそうです。普段は物静かな日本人が桜の下ではお酒を飲んで大騒ぎをするギャップは、外国人にとって新鮮でもあり、そもそも公共の場でお酒を飲むことができない国も多いため、お花見の文化が珍しいものとして映るのだそうです。

まとめ:短い桜シーズンを逃さぬよう、余裕を持った事前準備を

3月から4月はジャパンガイドでもアクセスが上昇する時期であり、桜を目的に来日する観光客はたくさんいます。データを参照すると、特に桜の時期におすすめとなるような観光コンテンツを持つエリアでは、遅くとも12月頃から桜シーズンに来日する人々に向けてプロモーションを実施する必要性がうかがえます。短期間にしか見られない桜を楽しむために事前準備を怠らない訪日観光客同様、受け入れ側の私たちも事前にしっかりと計画を立てる必要がありそうです。

参照:

  • Google Trend (2017/01/01~2018/01/01データ参照)
  • japan-guide.comCherry Blossoms
  • 『外国人が選んだ日本百景』『外国人だけが知っている美しい日本』『外国人が愛する美しすぎる日本』ステファン・シャウエッカー著

*ジャパンガイドのアクセス集計方法

  • Google Analytics参照。
  • bot、クローラー、および関係者からのアクセスをすべて除外して算出しています。
  • 日本語コンテンツへのアクセス数は除外しています。
  • Facebook等ソーシャルメディアへのアクセス数は含んでおりません。

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この記事の筆者

エクスポート・ジャパン株式会社

エクスポート・ジャパン株式会社

2002年より訪日観光客向けポータルサイト「ジャパンガイド」のパートナー企業としての業務を開始。「ジャパンガイド」への広告出稿管理、各種お問い合わせや、編集長への取材等の窓口を担当。欧米圏からのアクセスが多くを占める「ジャパンガイド」のデータをもとに、訪日観光客の動向をご紹介していきます。