訪日外国人観光客が過去最高の2,869万人を記録した2017年。日本ではインバウンドブームが巻き起こっていますが、世界全体の海外旅行市場に関しても関心を払うことが重要でしょう。以前の記事でもご紹介したように、前半期のみで約6億人の人々が海外に旅行した2017年。年間を通じて世界全体のの海外旅行市場はどのように落ち着いたのでしょうか。UNWTO(国連世界観光協会)の資料をもとに解説していきます。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
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13億2,200万人が海外旅行をした2017年
2017年に海外旅行をした人の数は13億2,200万人を記録 しました。2016年の12億3,500億人と比較すると伸び率は 7%+ にあたります。
海外旅行市場は過去7年間で最高の成長を記録
7%の成長率は ここ7年間で最高 のものです。2010年から海外旅行者数の対前年増加率は4%前後で推移していましたが、昨年はその数値を上回ったかたちになります。
具体的にどこの地域が好調だったのだろうか
[①ヨーロッパ]前年比+8%の成長:南ヨーロッパでの観光客の増加が起因
ヨーロッパを訪れた海外旅行客は、6億7,100万人を記録 しました。比較的不調であった2016年と比較して約8%の増加です。この成長の裏側には 南ヨーロッパで前年比+13%、西ヨーロッパで前年比+7%、北・東ヨーロッパで前年比+5%の海外旅行者数を記録したことが挙げられます。
[②アジア・太平洋地域]前年比+6%の海外旅行者数誘致に成功:南アジアが特に人気だった模様
2017年にアジア・太平洋地域を訪れた海外旅行者数は3億2,400万人 にのぼります。南アジアでは前年比+10%、東南アジアでは前年比+8%、オセアニア地域では前年比+7% の海外旅行者誘致に成功しました。日本の所属する東アジアでは前年比+3%と控えめな結果に終わりました。
[③アメリカ大陸]前年比+3%の成長:南米が海外旅行客に人気
アメリカ大陸には2017年、2億700万人の海外旅行客が訪れました。 ほとんどの国で海外旅行市場は好調であり、中でも 南米の国々では前年比+7%と最も大きな増加 を記録。次いで多かったのは、中央アメリカ、カリブ海地域でした(ともに前年比+4%)。2017年8月に発生した「ハリケーン・イルマ」、9月に発生した「ハリケーン・マリア」により、カリブ海付近に位置する国々は甚大なダメージを受けましたが、観光産業においてはすでに持ち直しているとのこと。北アメリカにおいてはカナダとメキシコにおいてはアウトバウンド市場は成長しましたが、アメリカに訪れた海外旅行者数は減少 に転じました。
[④アフリカ地域]前年比8%の成長:6,200万人がアフリカに旅行
2017年に アフリカを訪れた海外旅行客の数は6,200万人 でした。この数字は対前年比+8%にあたります。特に北アフリカでのアウトバウンド市場は回復転じ、13%+ の海外旅行客が同地に訪れました。サハラ砂漠より南の地域においては、前年比+5%の海外旅行客が訪れたとのこと。
[⑤中東]前年比+5%にあたる5,800万人の海外旅行客誘致に成功
中東地域には2017年、5,800万人の海外旅行客が訪れました。 2016年と比較すると 5%の増加 にあたります。
まとめ:日本のみならずおおむね世界全体で海外旅行市場は順調だった模様
UNWTO(国連世界観光協会)の資料によると、2017年の海外旅行者数は13億2,200万人を記録しました。この数字は対前年比+7%にあたり、ここ7年間でもっとも大きな増加率です。おおむね世界中の地域でアウトバウンド市場は好調であり、海外旅行者が順調に増加したのは日本だけではない ことがわかります。日本のインバウンド市場においても、引き続き世界中で巻き起こる「海外旅行ブーム」に乗り遅れないように訪日外国人観光客の誘致を進めていくべきでしょう。
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2016年の訪日数2,400万人ってそもそもすごいの?世界観光機関が発表した観光ランキング
政府は昨年、これまでの目標値を大幅に引き上げ、2020年に4,000万人のインバウンド誘致 を目指すことを発表しました。急激な訪日外国人観光客の増加により日本国内のインバウンド市場は盛り上がっていますが、そもそも2016年に日本に訪れた外国人観光客数2,400万人という数字は、他国に訪れた外国人観光客数と比較してどの程度のものなのでしょうか。 4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、海外のインバウンド市場の比較して日本のインバウンド市場がどの程度の規模なのかを把握しておくのは重要な...
<参照>
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