観光庁の「平成29年訪日外国人消費動向調査 トピックス分析」によると、2017年に訪日した外国人観光客のうち、初訪日であった人の割合は38.6%、2回目の訪日であった人の割合は61.4%でした。後者の2回以上、日本を訪問した訪日外国人観光客は「訪日リピーター」と呼ばれ、
- 一人当たりの旅行消費額の高さ
- 地方訪問率の高さ
- 「コト消費」との相性の良さ
からインバウンド市場で注目されています。訪日主要国の1つとして日本のインバウンド市場をけん引する訪日台湾人観光客の訪日リピーターには、どのような特徴があるでしょうか。把握すべきポイントを観光庁の資料をもとに説明していきます。
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訪日台湾人観光客のリピーターにはどんな人が多い?
上記の表は、2017年の訪日台湾人観光客を性年代別で見た場合、もっとも多かった層を上から3つ訪日回数別にピックアップしたものです。初めて訪日旅行をした訪日台湾人観光客のうち、もっとも多かったのは20代の女性(26%)でした。次点には20代の男性(18%)、30代の男性(15%)と続きます。訪日台湾人観光客のリピーターの場合、30代の女性が占める割合が大きくなります。また、訪日回数が増えるにつれ、男女ともに30代・40代の訪日台湾人観光客の割合は大きくなります。
訪日台湾人観光客のリピーターはどれくらい日本に滞在している?
上記の表は、2017年の訪日台湾人観光客の滞在日数を訪日回数別に表したものです。着目すべき点は、訪日回数が増えるにつれて、滞在日数も増えるという点。初訪日の訪日台湾人観光客の場合、7日~13日日本に滞在する人の割合は全体の13%にとどまります。しかし、訪日回数が増えるにつれて、2回~9回では22%、10回以上では29%と1週間以上日本に滞在する訪日台湾人観光客の数は増加します。滞在日数が増えれば、より広範囲を旅行できるようになるため、地方訪問も期待できるでしょう。
訪日台湾人観光客のリピーターはどれくらいお金を使っている?
上記の表は、一人当たりの訪日台湾人観光客の旅行支出額を訪日回数別に表したものです。訪日回数が増えるにつれて、一人当たりの旅行消費額も増加していることが把握できます。初訪日の訪日台湾人観光客は一人当たり11.9万円訪日旅行中に使います。一方、訪日リピーター層にあたる2回~9回訪日している訪日台湾人観光客の場合は12.0万円、10回以上訪日している訪日台湾人観光客の場合は14.6万円となっており、旅行支出額は増加しています。
訪日台湾人観光客のリピーターの地方訪問率はどれくらい?
上記の表は訪日台湾人観光客の都市部及び地方部の延べ訪問率を訪日回数別にまとめたものです。地方訪問率に関しても、訪日回数が多ければ多いほど高くなる傾向にあります。初めて訪日した訪日台湾人観光客のうち、地方部に訪問した人の割合は78%にのぼります。2回目から9回目の場合は100%、10回目以上の場合は119%と、訪日回数が増えるほど地方訪問率が高くなっていることが把握できるでしょう。先述の通り、訪日台湾人観光客のリピーターは滞在日数が初訪日の訪日台湾人観光客と比較して、長くなる傾向にあります。こういった傾向がこの地方訪問率の上昇にも関係しているでしょう。
訪日台湾人観光客のリピーターは何にお金を落としている?
上記の表は訪日台湾人観光客が旅ナカに購入した費目の購入率を訪日回数別にまとめたものです。訪日回数が増えるにつれて購入率があがる費目として挙げられるのは「電気製品」「和服(着物)・民芸品」「服(和服以外)・かばん・靴」「書籍・絵葉書・CD・DVD」などです。特に「電気製品」「服(和服以外)・かばん・靴」に関しては、購入者単価も伸びており、複数回の訪日を経てより質の高いものを購入しようという訪日台湾人観光客も一定数いると予測できるでしょう。娯楽サービス費に関するものとしては「美術館・博物館・動物園・水族館」「スキーリフト・スキー用品レンタル」などの項目において、訪日リピーターのほうが購入率・購入者単価ともに高くなるようです。
まとめ:訪日台湾人リピーターの特徴を把握しよう
今回は、観光庁の資料をもとに訪日台湾人観光客のリピーターについて知っておくべきデータをご紹介してきました。頭に入れておくべき点は以下の3点です。
- リピーター層の方が長く日本に滞在する
- リピーター層の方がお金を多く使う
- リピーター層は地方訪問率が初訪日客よりも圧倒的に高い
訪日台湾人観光客のリピーターを誘致・集客する際には、上記の3点を参考にするとよいでしょう。
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