インバウンド狙うなら まずは「台湾・香港」をターゲットにすべき本当の理由:中国・台湾・香港をプロモーション効率や市場特性で比較

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大家好(ダージァ ハオ)!ジーリーメディアグループ代表の吉田皓一でございます。

去年、久しぶりに北京に行ってまいりました。今でこそ台湾香港の市場にどっぷり浸かってしまっている私ですが、もともと学生時代には中国大陸の各地を巡り、中国語も簡体字とピンイン、つまり北京スタイルで勉強していました。

初の夏季五輪を終えてはや10年、私が学生時代に歩いた胡同(フートン、昔ながらの街並み)も、ほぼ全部なくなってしまい、天を衝かんばかりの巨大ビルの林立する、巨大都市に変貌していました。北京の人口は約2,100万人、北京だけで台湾と同じだけの人口があります。改めて中国の大きさ、ダイナミックな市場の魅力を感じました。

さて、我々は相変わらず台湾香港だけに特化し、人口2,300万人と700万人の市場をひたすら深堀りしているのですが、それには理由があります。それは、ウェブプロモーションが実際の訪日消費に繋がりやすいからです。


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中国大陸で微博のフォロワー100万人、台湾でFacebookのフォロワー100万人、香港でFacebookのフォロワー100万人。数字は同じでも、意味は全然違う

現在、当社の運営する「ラーチーゴー!日本」のメディアパワーは、このような現状です。

台湾香港、合わせて3,000万人のうち、毎月130〜150万人の人が当社サービスを利用してくれています。

さて、先日香港マーケティング会社の社長さんと話していて、印象的なお話がありました。中国大陸で微博のフォロワー100万人、台湾Facebookのフォロワー100万人、香港Facebookのフォロワー100万人。数字は同じでも、意味は全然違う。それを分かっていない日本人が多すぎる」

彼が言ったのは「それぞれのエリアの人口、一人当たりGDP訪日客数などを勘案すべき」ということです。

中国・台湾・香港の一人当たりのGDP(名目)を比較してみる

中国は今や日本を抜き去り世界第2位の経済大国にまで成長しましたが、一人当たりのGDP(名目)は8,000ドルそこそこです。いっぽう台湾香港は、人口が少ないので経済規模では中国大陸と比べるべくもありませんが、一人当たりGDPでみると台湾は約25,000ドル、香港は46,000ドルです。

(出展) IMF:https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPDPC@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD

中国・台湾・香港の「訪日外客数/人口」を比較してみる

次に訪日インバウンドという観点で、2017年の訪日外客数をその国の人口で割ってみます。

  • 台湾
    • 2017年の訪日外客数:456万
    • 人口:2,353万
      • 外客数/人口=19.4%
  • 香港
    • 2017年の訪日外客数:223万
    • 人口:734万
      • 外客数/人口=30.4%
  • 中国本土
    • 2017年の訪日外客数:736万
    • 人口:137,900万
      • 外客数/人口=0.5%

当然といえば全くもって当然の事なのですが、かくも違います。中国のネット人口は7億人と言われていますが、その中で訪日する可能性があるのは極めてわずかです。いっぽう、台湾香港の場合、人口が少なく、成熟した市場であるため、ウェブでの広範囲なプロモーションを行っても実際の消費(=訪日)に繋がる可能性が圧倒的に高いです。

何度も言いますが、これは本当に「本来今さら書くほどのことでもない当然の事」だと思っています。しかし、意外とそこに気づいていない日本の企業・自治体が多いことから、香港マーケティング会社代表の方は、上述のような話をしたのです。

ここから見えてくる インバウンドにおける台湾・香港市場の重要性とは

私は中国大陸のマーケティングに関しては専門外ですから、多くを語るつもりはありません。また、中国大陸からの訪日客がこれからも増加し、訪日消費の主役となることは疑いありません。しかし、中国大陸においては、あまりの人口の多さから、居住エリアや所得など様々な視点でターゲティングしなければならないのも、また間違いありません。

いっぽうその対極にあり、人口当たりで圧倒的に高い訪日率を示すのが、台湾香港です。香港からの訪日客は本当に日本を広く深く理解しており、台湾人同様、日本の主要都市のみならずローカルエリアにも足を伸ばす比率が極めて高いです。10年前と比べても、以前は首都圏と関西に集中していた台湾香港からの訪日客は、2017年時点でかなり地方に分散しています

私も年じゅう日本各地に出張しますが、ローカルに行けば行くほど、台湾人・香港人の多さに驚きます。彼らはレンタカーを自在に運転し、自由に動き回ります。また、農業体験など、地域と触れ合える交流の機会が大好きです。

よりニッチに、マニアックになってくる訪日観光ニーズ、国・地域ごとにマッチした情報発信やマーケティングが不可欠です。

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

株式会社ジーリーメディアグループ

株式会社ジーリーメディアグループ

株式会社ジーリーメディアグループ 代表取締役 吉田皓一。奈良県生。防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。総合ビジネス局にて3年に渡りテレビCMの企画・セールスを担当したのち退職、2013年ジーリーメディアグループ創業。台湾香港向け日本観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」(日経優秀製品サービス賞・最優秀賞受賞)を運営するほか、台湾現地のメディアに多数出演。ラーチーゴー!日本と連動したアンテナショップを台北に運営する。中国政府公認の中国語検定試験・漢語水平考試(HSK)最高級所持。

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