大家好(ダージァ ハオ)!ジーリーメディアグループ代表の吉田皓一でございます。
去年、久しぶりに北京に行ってまいりました。今でこそ台湾と香港の市場にどっぷり浸かってしまっている私ですが、もともと学生時代には中国大陸の各地を巡り、中国語も簡体字とピンイン、つまり北京スタイルで勉強していました。
初の夏季五輪を終えてはや10年、私が学生時代に歩いた胡同(フートン、昔ながらの街並み)も、ほぼ全部なくなってしまい、天を衝かんばかりの巨大ビルの林立する、巨大都市に変貌していました。北京の人口は約2,100万人、北京だけで台湾と同じだけの人口があります。改めて中国の大きさ、ダイナミックな市場の魅力を感じました。
さて、我々は相変わらず台湾と香港だけに特化し、人口2,300万人と700万人の市場をひたすら深堀りしているのですが、それには理由があります。それは、ウェブプロモーションが実際の訪日消費に繋がりやすいからです。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
中国大陸で微博のフォロワー100万人、台湾でFacebookのフォロワー100万人、香港でFacebookのフォロワー100万人。数字は同じでも、意味は全然違う
現在、当社の運営する「ラーチーゴー!日本」のメディアパワーは、このような現状です。
台湾・香港、合わせて3,000万人のうち、毎月130〜150万人の人が当社サービスを利用してくれています。
さて、先日香港のマーケティング会社の社長さんと話していて、印象的なお話がありました。「中国大陸で微博のフォロワー100万人、台湾でFacebookのフォロワー100万人、香港でFacebookのフォロワー100万人。数字は同じでも、意味は全然違う。それを分かっていない日本人が多すぎる」。
彼が言ったのは「それぞれのエリアの人口、一人当たりGDP、訪日客数などを勘案すべき」ということです。
中国・台湾・香港の一人当たりのGDP(名目)を比較してみる
中国は今や日本を抜き去り世界第2位の経済大国にまで成長しましたが、一人当たりのGDP(名目)は8,000ドルそこそこです。いっぽう台湾や香港は、人口が少ないので経済規模では中国大陸と比べるべくもありませんが、一人当たりGDPでみると台湾は約25,000ドル、香港は46,000ドルです。
(出展) IMF:https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPDPC@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD
中国・台湾・香港の「訪日外客数/人口」を比較してみる
次に訪日インバウンドという観点で、2017年の訪日外客数をその国の人口で割ってみます。
- 台湾
- 2017年の訪日外客数:456万
- 人口:2,353万
- 外客数/人口=19.4%
- 香港
- 2017年の訪日外客数:223万
- 人口:734万
- 外客数/人口=30.4%
- 中国本土
- 2017年の訪日外客数:736万
- 人口:137,900万
- 外客数/人口=0.5%
当然といえば全くもって当然の事なのですが、かくも違います。中国のネット人口は7億人と言われていますが、その中で訪日する可能性があるのは極めてわずかです。いっぽう、台湾や香港の場合、人口が少なく、成熟した市場であるため、ウェブでの広範囲なプロモーションを行っても実際の消費(=訪日)に繋がる可能性が圧倒的に高いです。
何度も言いますが、これは本当に「本来今さら書くほどのことでもない当然の事」だと思っています。しかし、意外とそこに気づいていない日本の企業・自治体が多いことから、香港のマーケティング会社代表の方は、上述のような話をしたのです。
ここから見えてくる インバウンドにおける台湾・香港市場の重要性とは
私は中国大陸のマーケティングに関しては専門外ですから、多くを語るつもりはありません。また、中国大陸からの訪日客がこれからも増加し、訪日消費の主役となることは疑いありません。しかし、中国大陸においては、あまりの人口の多さから、居住エリアや所得など様々な視点でターゲティングしなければならないのも、また間違いありません。
いっぽうその対極にあり、人口当たりで圧倒的に高い訪日率を示すのが、台湾と香港です。香港からの訪日客は本当に日本を広く深く理解しており、台湾人同様、日本の主要都市のみならずローカルエリアにも足を伸ばす比率が極めて高いです。10年前と比べても、以前は首都圏と関西に集中していた台湾・香港からの訪日客は、2017年時点でかなり地方に分散しています。
私も年じゅう日本各地に出張しますが、ローカルに行けば行くほど、台湾人・香港人の多さに驚きます。彼らはレンタカーを自在に運転し、自由に動き回ります。また、農業体験など、地域と触れ合える交流の機会が大好きです。
よりニッチに、マニアックになってくる訪日観光ニーズ、国・地域ごとにマッチした情報発信やマーケティングが不可欠です。
【7/23開催】育成だけではガイドは増えない!地域の魅力を最大化させる『ローカルガイド』を増やす打ち手とは
本セミナーでは、インバウンド観光における地方誘客や地域消費拡大の鍵として、「ローカルガイド」の可能性に焦点を当てます。
観光地では今なお、多言語で地域の歴史や文化を伝えられるガイドが不足しており、「訪日外国人の受け入れ体制が十分とはいえない」と感じている自治体も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、地域に根ざした人々が観光客を案内する「ローカルガイド」です。
2018年の法改正により、国家資格がなくても有償でガイドができるようになり、地域住民や移住者など、さまざまな人がローカルガイドとして活躍できる時代となりました
誰もがガイドになれる今だからこそ、地域の魅力を正しく伝え、訪日外国人に満足してもらえるガイド人材がこれまで以上に重要になっています。質の高いローカルガイドを増やせば、インバウンドの消費を促進し、地域経済への波及効果も大きく期待できます。
本セミナーでは、株式会社羅針盤と株式会社movが共催し、インバウンドを地域でどう受け入れ、地域の魅力をどう伝えるか。そのために欠かせないローカルガイドを増やすための具体的な打ち手や、現場での実践例を詳しくご紹介します。
<セミナーのポイント>
- いま注目のローカルガイドについて学べる!
- 地域としてインバウンドをどのように受け入れられるのかがわかる!
- インバウンドの満足度や消費を高めるための地域の魅力の伝え方について学べる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→育成だけではガイドは増えない!地域の魅力を最大化させる『ローカルガイド』を増やす打ち手とは【7/23開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年7月前編】「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「予言」の日7/5終了で訪日需要戻るか、6月の香港からの訪日客は33%減 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年7月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

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