1996年に設立され、月間約180万人のユーザーが閲覧している「ジャパンガイド」では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの英語圏からのアクセスが上位を占めています。
サイトのページ数は約2000ページ。そのうち、約1700ページが観光エリア、スポットを紹介する「Destination」ページ、2番目に多くの割合を占めるのは、旅行計画を立てる際に役立つ情報を集めた「Plan a Trip」ページになります。
今回は、「Plan a Trip」ページの中で、交通手段について紹介している「Transportation」ページに注目し、各交通手段紹介ページにどのような国からのアクセスが集まっているかを見ていきたいと思います。
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「新幹線」は英語ネイティブ圏からのアクセス多。インド人からの意外なアクセスも?
以下の表は、各交通機関を紹介している単体のページに対してのアクセス国TOP10です。国名の横のパーセンテージはアクセスの割合を示しています(※「日本」からのアクセスについては9割が訪日旅行中の外国人からのアクセスとなります。)。
「新幹線(Shinkansen)」についてはジャパンガイドのサイト全体へのアクセス順位と類似して、アメリカ、シンガポール、オーストラリア、イギリスなどの英語ネイティブ圏からのアクセスが上位を占め、東南アジアが続く結果となりました。
サイト全体へのアクセス・ランキングでのインドの順位は14位ですが、新幹線ページ単体では10位以内に入っています。インドでは2023年に日本式新幹線の開通を目指しており、訪日時に新幹線に乗ること自体を楽しみにしている人も少なくありません。
同じ「電車」というカテゴリーでも「夜行列車(Night Trains)」になるとシンガポールが1位にランクイン。日本からのアクセスよりも上位となっているため、訪日前に夜行列車の情報を集めている様子がうかがえます。
バス利用の多いアジア圏:「高速バス」に関しては訪日中のアクセスが多い
対して「バス(Local Buses)」については、日本からのアクセスが1位。訪日旅行中にバスの情報が検索されている傾向にあります。特に「高速バス(Highway Buses)」については他の交通手段と比べてアジア圏からのアクセスの割合が多いのも特徴的です。
アジア圏の旅行者は関空INで西日本を周遊したり、北海道を旅行する割合が欧米圏に比べて高いため、このようなバスでの移動が便利なエリアを旅行している傾向が反映されているのかもしれません。
「タクシー」の意外な訪日中国人からの需要
ランキング表で一際目立つのは、「タクシー(Taxi)」ページへのアクセス1位の中国でしょうか。アクセスの割合も30パーセントを占め、サイト全体への中国のアクセス順位は21位である点を考えても、タクシー情報への需要の高さが想像できます。
意外にも英語ネイティブ圏からの需要が見込まれる「レンタカー」
「レンタカー(Renting a car)」については新幹線と類似して英語ネイティブ圏からのアクセスが上位を占める結果となりました。ジャパンガイドでも動画や記事でレンタカーを使った旅程を紹介する機会が増えていますが、公開した動画のコメント欄にレンタカーでの周遊ルート紹介リクエストや、具体的なレンタル料金についての質問があがることがあります。
現状では香港、台湾、韓国出身者のレンタカー利用が目立ちますが、訪日外国人旅行者のレンタカー利用環境の整備は政府施策のひとつとしても取り上げられており、今回のランキングにあがっている欧米圏訪日観光客によるレンタカー利用の増加が期待されます。
国内線(飛行機)はアジア圏・船の利用は欧米圏:旅行スタイルの差がくっきりと
「国内線(Domestic Air Travel)」と「船(Domestic Ferries)」ページについては、前者はアジア圏の割合が多く、後者は欧米圏からの割合が多くなっています。短い期間で旅行する傾向にあるアジア圏と、長期間に渡ってゆっくりと観光する欧米圏の差が表れる結果となりました。「自転車(Bicycle)」については全体順位では15位のオランダが上位にランクインしており、自転車を日常的に使う文化的背景がうかがえます。
まとめ:訪日観光客のニーズを満たせる情報発信を
ユーザー同士が情報交換をするジャパンガイドの掲示板「Forum」では、訪日計画中のユーザーから交通機関の詳細に関するやり取りが度々書き込まれています。
実際に掲示板を読んでみると「ローカルバスの時刻表が日本語でしかみつからない」「Passの適用範囲がよくわからない」「空港からのタクシーの運賃がわからない」「Passの予約は直前でも間に合うのかどうか」などの質問が書き込まれており、英語での情報発信や、見つかりやすいページに情報が掲載されていないなどが原因で、彼らのニーズを満たせていない様子が感じられます。
訪日旅行者のニーズを汲み取り、交通機関に関する情報発信の多言語化やウェブサイトの整備を進めることが、今後の訪日者数の増加と、より広いエリアへの誘客に繋がる可能性は非常に高いと考えられます。
<参照>
Google Analytics 2017/07/01-2018/06/30データ参照
*ジャパンガイドのアクセス集計方法
Google Analytics参照
bot、クローラー、および関係者からのアクセスをすべて除外して算出
日本語コンテンツへのアクセス数は除外しています。
Facebook等ソーシャルメディアへのアクセス数は含んでおりません。
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