【インド】訪日外国人が増えつつある今こそPRのチャンス?「SATTE Travel Expo 2018」から見るインド市場の可能性【現地レポート】

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インド国内・国外旅行者に焦点を当てた、旅行取引会社向けの展示会であるSATTE(South Asia’s leading travel and tourism exhibition) 2018が1月31日〜2月2日に開催されました。

この展示会は毎年1回開催され、2018年で25周年を迎えます。旅行貿易業界に身を置く来場者の今年の数は約2万人に上り、去年の来場者数より50%増加しました。

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インバウンド、アウトバウンドに限らず旅行観光業への期待を感じさせる

▲多くの観光業関係者が集う

▲多くの観光業関係者が集う

この展示会の出展数は、世界35カ国とインドの28州を合わせて、750団体。テーマとして「South Asia’s leading travel show」と銘打っているだけあり、主に南アジア各国の旅行代理店の展示ブースが目立ちました。

南アジアだけに留まらず、東南アジアの国々、例えばベトナムの旅行代理店のブースのほか、リトアニアやイタリア、ロシアの旅行代理店も出展していました。 各国のブースの展示の仕方は、スタッフがパンフレットを配り、来場者と話すといった様に日本の展示会と変わりはありませんが、民族衣装を着用して接客する旅行代理店のブースもあり、国を跨いだ観光展示会ということを認識させられます。 日本企業も参加していたと聞きましたが、会場が広いこともあって、私は発見することができませんでした。

▲ベトナムの旅行代理店

▲ベトナムの旅行代理店

▲リトアニアの旅行代理店

▲リトアニアの旅行代理店

各国のブースに多くの来場者が興味を示していました。アウトバウンドだけでなく、インバウンド需要も期待されています。

▲イタリアの旅行代理店

▲イタリアの旅行代理店

▲ベトナム旅行代理店のブースで民族衣装「アオザイ」を着用して接客するスタッフ

▲ベトナム旅行代理店のブースで民族衣装「アオザイ」を着用して接客するスタッフ

インドで人気なのは中長期旅行、しかし日本人旅行客数の関心は高くない?

今年が記念祭であるこの展示会を盛り上げるために、前年の8月25日に行われたイベント「Thought Leadership Summit」では、世界観光機関UNWTO)のアジア太平洋地域プログラム担当上級役員のBo Keun Choi氏が「インドは旅行観光業の成長率への貢献割合が16%で、主要な国の1つ」と語り、NITI Aayog最高経営責任者Amitabh Kant氏は「飛行機で来た旅行者の97.2%は、インドで平均14日間〜20日間滞在するので、旅行者が長い間滞在する主要な国の1つです。それゆえに旅行者の収入は他の国よりも大きいです。」と語っていました。

出典:Testimonials

この事からも世界中の旅行者がインド旅行へ関心が高いとうかがえます。

日本政府観光局(JNTO)の2015年のデータによると、年間のインド訪問者数13,284,000人の内、日本人訪問者数は全体の約1.5%程度の207,415人です。

出典:https://www.jnto.go.jp/jpn/inbound_market/market_basic_india.pdf

そのため、世界各国に比べると日本人のインドへの関心度はそれほど高くないようです。

一際目立つ、インド・karnataka州政府観光局ブースと、歴史交通博物館である「heritage transport museum」ブース

▲インド・karnataka州政府観光局ブース

▲インド・karnataka州政府観光局ブースと

ブース面積が広く、大きいオブジェを配置しているため、他のブースより目立っていました。インド・karnataka州は、日本の1/2の面積を持つ広大な州で、世界遺産「ハンピ遺跡」や「パッタダカル遺跡」を擁しインドの歴史深さを象徴する州です。

▲heritage transport museumのブース

▲heritage transport museumのブース

煌びやかなリクシャーと黄金のギアで装飾された像が展示されています。

イベントスペースではインドの伝統文化を感じられる

展示会出入り口の中央に設置されたスペースで、さまざまなインドの伝統舞台を行っていました。旅行取引会社が集まる展示会ではありますが、インドの伝統文化を紹介する「祭」といった雰囲気もありました。

▲パフォーマンスをしていた出演者(1)

▲パフォーマンスをしていた出演者(1)

▲パフォーマンスをしていた出演者(2)

▲パフォーマンスをしていた出演者(2)

フードブースにはドミノ・ピザやハンバーガーを販売する店があり、食事をとりながらミーティングする様子も。来場者の人数に対して用意されているテーブルやイスの数が少ない印象でした。また会場内には休憩スペースがなく、休憩する場合は外の出店のテーブルとなります。

▲混雑するフードブース

▲混雑するフードブース

ユニークな視点で目を引く、IT×観光産業

出展している企業のほとんどが旅行代理店やホテルという中、スマートフォン用アプリを提供する企業travelexicのブースが印象的でした。

▲スマートフォン用アプリを提供する企業「travelexic」のブース

▲スマートフォン用アプリを提供する企業「travelexic」のブース

アプリのサービスはインド国内での利用を想定していますが、インド旅行の予定同社にEmailや電話で伝えると、アプリのシステムに旅程を登録してくれます。ユーザーは、アプリからその情報を便利な形で参照できます。以下は主な機能です。

  • ユーザーの旅行プラン、ホテル、ドライバー情報をアプリ上から確認できる
  • リアルタイムでフライトのステータスをチェックできる
  • 契約している旅行代理店で変更があった場合に、旅程の変更をしてくれる
  • 契約しているドライバーをリアルタイムで追跡でき、旅行代理店に評価を送れる
  • 観光地やショップやレストランを、評価を見ながら探すことができる
  • ユーザーの位置情報から、ショップやレストランのディスカウント情報を通知してくれる

いくつかのアプリを立ち上げて確認や検索するところを一つのアプリで完結できる点と、運営側で旅行の予定をアプリのシステムに登録してくれることに驚きました。

▲右の方は、会社共同設立者でテクノロジー担当のNeehar Ranjanさん

▲右の方は、会社共同設立者でテクノロジー担当のNeehar Ranjanさん

展示会の来場者へのインタビュー

BtoB向け展示会のため、参加するには名刺が必須で入場料は1000ルピー(約1600円)です。どういった方が参加しているのか、来場者にインタビューを行いました。

▲▲ネットワーキングのために来場した、オンライン旅行会社を運営するAshish Shuklaさ
ん

▲ネットワーキングのために来場した、オンライン旅行会社を運営するAshish Shuklaさ ん

インタビュイーは、Dreams Tour Makersというオンライン旅行会社の共同設立者(COO)、Ashish Shuklaさん。このイベントへの参加理由を聞いたところ、設立から約2年で従業員数が6名なので、他社とビジネス関係を多く持ちたい、主にネットワーキングとのことでした。Ashish Shuklaさんと一緒にいくつかブースを回りましたが、少し話をして、名刺を渡してと、基本的な周り方をしていました。

また、御社のサービスは日本人をターゲットにしているのかと聞いたところ、インドへの日本人旅行者は少ないので、特にターゲットにはしていないとのこと。先程示したデータや現地の旅行観光業者の話によると、やはり日本人の多くはインドに関心がないのかなと思ってしまいます。

まとめ:インドに日本人が少ない今だからこそ、SATTEに出展してみては?

展示会に限らず、インドを旅行していて感じた事ですが、やはりインドに日本人は少ない印象でした。まだ日本に比べると物価は安いですが、経済発展を今もなおし続けていて物価も上昇しているため、今後は同じような水準になっていくものと思います。

そうなった時に、インド人が日本へ観光するハードルは低くなります。先行投資としてSATTEに出展することで、日本の観光地、企業の認知度を上げることができ、ビジネスチャンスにつながると思います。

また、インドには、伝統的な文化を重んじる風土が感じられますので、日本の伝統的な文化を日本への観光を通して、伝える事ができればさらにビジネスチャンスが広がるかもしれません。

「SATTE Travel Expo 2018」イベント情報

イベント名 SATTE Travel Expo 2018
開催国・都市 インド・ニューデリー
開催日 2018年1月31日〜2月2日
会場 India Expo Mart
対象 業界関係者
来場者数 約2万人(2018年実績)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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