日本企業のような中国ブランドMINISO(名創優品/メイソウ)はどんなお店?

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ECが普及する中国ですが、オフラインの店舗でのショッピング体験の向上にも余念がありません。中国の多くのショッピングモールで展開する「MINISO(メイソウ/名創優品)」は、ユニクロのようなロゴ、百均のダイソーを思わせるブランド名が特徴です。

2020年10月にはニューヨーク証券取引所に上場を果たし、新規株式公開で6億800万ドル(約640億2000万円)を調達したことが報じられています。

これまでにも日本のメディアでも徐々に報道されているように、店内商品は無印良品のようなラインナップですが、色合いはどちらかというとスリーコインズをほうふつとさせる店内です。

どこをとってもデジャブ感たっぷりで「パクリでは?」と噂の立つの中国ブランドですが、数年前より池袋、高田馬場に店舗があります。

2018年の夏には幕張のイオンに大規模な店舗の出店を果たし、さらに日本での認知拡大が進んでいるようですが、このブランドが実は「中国で大人気の日本雑貨店」ということに気付かずにショッピングを楽しんでいる人もいます。

本編では、中国で「日本風雑貨店」としての地位を確立し、日本への進出にも成功した「MINISO」について紹介します。

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「メイソウ」は単なるロゴ、カタカナに日本を感じる中国人消費者

「MINISO」のブランドの中国語名は「MINISO/名創優品」です。漢字の「名創」の日本語の音から「メイソウ」のブランドロゴが存在しますが、ブランド名としてこの名前は用いられていません。「カタカナ=日本らしさ」ということでロゴデザインがされていることがうかがえます。

▲MINISO(中国)のトップページ。左下には日本語で「今の生活が好き!だから、名創優品」とのキャッチフレーズが確認できる。

▲MINISO(中国)のトップページ。左下には日本語で「今の生活が好き!だから、名創優品」とのキャッチフレーズが確認できる。

MINISOは「100%の日本品質」をうたってはいますが、「日本製」ではありません。日本よりも中国に出店が多い雑貨ブランドなのですが、販売している商品があまりに「日本らしい」ため、中国のネットでも「日本発の店なのでは」という質問や、「日本のものなのか、中国のものなのか?」といったタイトルでMINISOを取り上げる記事がいくつも見つけられます。

こと雑貨に関しては、品質の低さやデザインのやぼったさが代名詞のような中国製品ですが、このMINISOは一見しただけでは日本で人気の商品が中国展開しているように見えるほど、洗練された雰囲気のアイテムがそろっているのです。

MINISOラインナップと値段:家電などは100元以上するものも

ダイソーに似た名称ですが、「10元均一」のような価格が設定されているわけではありません。カテゴリによりさまざまな価格帯の商品が存在します。例えば化粧品食品、日用品にはプチプラアイテムが多数揃いますが、食器やミニ室内灯、電気製品も販売されており、中には金額が100元(約1,700円)を超えるものもあります。

たとえばブルートゥースのヘッドフォンは129元で販売されています。この金額はMINISOの店内では高額の部類に入りますが、一流電気メーカーの再生機であればこのような値段では到底買えません。

そのカテゴリの一流品よりもずっと安い製品なのですが、その見た目には安っぽさはほとんどありません。「ぱっと見一流品に近い外観、音質はそこまで問わない」と考える中国人消費者層の心をつかんでいるのでしょう。

▲公式サイトの商品写真。実物と大きなかい離はない。

▲公式サイトの商品写真。実物と大きなかい離はない。

電化製品以外の小物で言えば、「無印良品」で揃うような統一感のある収納アイテムも展開していますが、これらは無印良品の品物よりも低価格となっています。

こうして「雑貨ファン」「日本雑貨ファン」「日本風の生活のファン」の取り込みに成功したMINISOは、中国でも北京や上海の中心地に路面店を構え、ショッピングモールの中でも人通りの多いポイントに出店し、確実にその需要を取り込んでいます。

創業者の一人は、デザイナーの三宅氏

MINISOは2013年に、1973年生まれの日本人デザイナー三宅順也氏中国人青年実業家の葉国富氏と共同で創業されています。中国に多く店舗を構えていますが、会社の登記は東京でしています。

文化服装学院を卒業している三宅氏は創業者兼チーフデザイナーを務めています。ちなみに、三宅氏の出身校である文化復職学院は、中国では高田賢三や山本耀司、コシノジュンコを排出した名門校として認識されています。

▲中国版Wikipedia、百度百科にも三宅氏のページが存在する。

▲中国版Wikipedia、百度百科にも三宅氏のページが存在する。

MINISOは日中混合のブランドとして、唯一の立ち位置を確立

中国で広まる「MINISO」は一見すると中国ブランドのようですが、創業者は中国人と日本人の両名であり、人も商品も「日中混合のブランド」と言えるのではないでしょうか。

ダイソーとユニクロと無印良品を足して3で割った存在と評されることもありますが、店内には確かに「MINISOでないと買えないもの」がそろっています。

MINISOの商品は、日本らしいスタイリッシュなデザインと、中国らしい低価格を実現しています。そして機能面では、日本らしい完璧さでも、中国らしい不良品でもない、いわば両国の間の水準を満たす品質が備わっています。最高の品質でなくとも二流ではない、100均や300円均一ではない満足感を与えてくれる存在として、今後中国だけでなく日本でもファンを拡大していく可能性がうかがえます。

また、すでに中国で成功しているMINISOの商品には、中国人消費者が日用商品に期待する機能面と外観のバランスを読み解くヒントが隠れていると言えます。中国人観光客への自社商品の魅力訴求の際には、ぜひ参考にしたいところです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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