2018年10月20日〜22日に、日本の地域の魅力発信イベント「GRAND MATSURI」がフランスのパリで開催されました。現在パリを中心に盛り上がりを見せている、ジャポニスム2018の企画【「地方の魅力 」- 祭りの文化】の1つとして、「祭りと踊り」をテーマに実施されました。
初開催にして週末は1日に2万人以上を動員した「GRAND MATSURI」から見る、フランス市場の最新インバウンド事情を、現地レポートとしてお届けします。
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【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
7つの地域の祭りと踊りをパリ市民に披露

パリ市民の憩いの場であるアクリマタシオン庭園にて、全国から7つの自治体の祭りや踊りが集結し、華やかなパレードやステージが披露されました。参加した地方自治体と、披露した伝統芸能は以下の7つです。
- 青森県五所川原市「五所川原立佞武多」
- 千葉県市川市「行徳神輿」
- 岩手県「鬼剣舞・さんさ踊り」
- 高知県「よさこい」
- 奈良県奈良市「春日若宮おん祭」
- 徳島県「阿波おどり」
- 山梨県甲府市「信玄公祭り(甲州軍団出陣)」

パフォーマンスの時間が近づくと一気に人だかりができ、フランス人も掛け声を真似して一緒に盛り上がる様子が印象的でした。神輿を担ぐチャンスもあり、はじめは恥ずかしがる人たちが多い中、運営側が声かけをすることで、最終的には多くのフランス人が体験し、参加型のイベントとして大盛況となりました。
色鮮やかに照らされた大迫力の「五所川原立佞武多」は、イベントのハイライトだったと話す人もおり、多くの来場者を魅了しました。

屋台村には、お弁当やたこ焼き、牛丼など、パリに店舗を構える日本食レストランが出店し、お昼時は行列ができるほどの人気ぶりが印象的です。観光ブースでは、地方自治体やパリへの直行便を就航している全日本空輸などの航空会社が出展し、地域の魅力をPRしました。ブースごとに地域の特色を生かした体験コーナーやキャンペーンを実施し、来場者たちを惹きつけていました。
地方自治体ブースはリピーターへの訪日旅行PRに手応え

奈良市は県と協力し2つのブースを構え、PRを行いました。「春日若宮おん祭」のパレードから注目度が高まり、多くの来場者で賑わいました。清酒発祥の地である奈良市は、「春鹿」などの日本酒の試飲イベントや、奈良の伝統工芸「奈良筆」で書道体験を実施し、来場者に非常に好評でした。
ブースを訪れた来場者からは、「奈良を何度も訪れている」「奈良で買った『しかまろくん(奈良市観光協会のキャラクター)』のぬいぐるみと一緒に寝ている」「奈良を訪れることが夢である」などといった話を聞くことができました。
奈良市の担当者によると、市の観光案内所の案内者数から、フランス人が奈良市を多く訪れていることは事前に把握していたが、ブースで改めて生の声を聞き確かな手応えが感じられ、非常に有意義な時間になったとのことでした。

沖縄県のブースでは、まず沖縄を知ってもらうことに注力し、美しい海のポスターやパンフレットを活用することで、足を止めた来場者に沖縄の魅力をPRしました。東京や京都、大阪を結ぶ「ゴールデンルート」からは外れますが、日本をすでに訪れたことがある人や、訪日旅行の知識が豊富な人も多かったため、次の旅先の候補地として熱心に情報収集をしている様子が見受けられました。
ブースを訪れた来場者の年齢層は幅広く、バカンス文化が根付くフランス人にとって、美しい海が特徴のリゾート地、沖縄は魅力的に映ったようです。県職員によると「こんなに綺麗な海が日本にあったのか!」とポスターやパンフレットの写真を見て感動する人も多く、パンフレットは追加の準備が必要になるほど盛況だったとのことでした。
老若男女問わず楽しめる”祭り”で来場者を魅了

「Grand Matsuri」の担当者によると、初開催かつイベントの広告や宣伝がかなり直前となったこともあり、当初は客入りに不安があったそうです。しかし、実際は1日に2万人以上の動員に成功し、運営側も予想外の大盛況に驚いたとのことでした。
屋台村の飲食ブースは、パリに店舗を構える飲食店に声をかけ出展を依頼しました。予想以上の客入りに品切れとなった屋台もあり、翌日のレストランの営業を中止してまで尽力したブースもあったそうです。「来年も開催してほしい」「ぜひ出店したい」との声が多数寄せられたとのことでした。
初開催にも関わらず大盛況となったのは、“祭り”という老若男女問わずに楽しめる観点から、日本文化に興味を持つ多くのフランス人を惹きつけたことが1つの理由と言えます。

一眼レフを持参し、パフォーマンスのステージ最前列で熱心に写真撮影やビデオ撮影をする大勢の来場者の姿が印象的でした。神輿や祭りの意味について詳しく質問をしてくる人もおり、日本文化発信の場として非常に効果的だったと言えます。

ちょうど小中学校が休暇の時期だったため、週末はもちろん平日も多くの家族連れで賑わいました。日本に留学経験があり、ジャポニスムのさまざまなイベントに積極的に参加しているという男性は、1つのイベントでさまざまな地域の情報が得られるのは、非常に便利かつ貴重な機会だと話していました。来月に日本を旅行で訪れるとのことで、早速奈良市のブースに立ち寄り情報収集をするとのことでした。
まとめ:訪日旅行への関心が高まるフランス市場は地域の魅力発信に最適
「Grand Matsuri」を通して、予想以上に日本を訪れたことがある、いわゆるリピーターになりうるフランス人が多く訪れていたことが印象的でした。インバウンド対策に力を入れる地方自治体や企業は、現地開催のイベントでブースを設け来場者の生の声を聞くことで、データ以上の収穫が得られ、より具体的なインバウンド対策に生かせるというメリットが伺えました。
今後もジャポニスム2018の開催で、訪日旅行への関心が一層高まるであろうフランス市場では、よりニッチな日本文化の紹介や地域の魅力発信が求められると言えます。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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