近年急激な増加をみせている訪日外国人観光客ですが、観光庁の調査によると、その半数近くが東京都を訪れているようです。2017年の1年間では、1300万人以上の訪日外国人が東京都を訪れた計算になります。
そして、都心に位置する日本のファッションとカルチャーの先端・渋谷にも多くの訪日外国人が訪れています。渋谷の象徴・スクランブル交差点も、すっかり訪日外国人に人気の観光スポットになっています。
しかし訪日外国人の増加が顕著になってきた2012年頃から、渋谷を訪れる訪日外国人観光客に「渋谷にはお土産がない」と言われ、渋谷の「ご当地お土産」をつくることが課題となっていました。
そしてついに2018年、渋谷区観光協会が中心となってつくった渋谷のお土産が完成しました。いったいどんなお土産なのでしょうか?
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渋谷にはお土産がない!?
2012年頃から、訪日外国人の増加に伴い渋谷にも多くの外国人観光客が訪れるようになりました。しかし訪日外国人観光客からは、「渋谷にはお土産がない」という声があがっていました。
渋谷は多くの商業施設やオフィスがひしめき合う、商業とビジネスの街です。観光客は、国内外の最先端のファッションやカルチャーを楽しむことができます。しかしこれといった観光資源がなく、また農業や漁業などが盛んなわけでもないため、いわゆる「ご当地もの」には弱いのが現状でした。
そんな中2012年に設立されたのが、一般財団法人渋谷区観光協会でした。観光案内所の整備や観光パンフレットの作成などを目的としていましたが、この渋谷区観光協会が中心となって「渋谷のお土産」をつくることになりました。
学生のアイデアから生まれた「渋谷御守」
2015年、渋谷区観光協会は、東京大学と東京藝術大学の学生からブランドデザイン授業の一環として「渋谷のお土産」のアイデアを受け取りました。それらには、渋谷の象徴であるスクランブル交差点やハチ公像をモチーフにしたものが多かったといいます。
また、それと関連して学生が警察にヒアリングした結果、スクランブル交差点が利用されるようになってからは、一度も人身事故が起きていないということがわかりました。
1回の青信号でスクランブル交差点を渡る人数は多い時で3000人、1日の合計は50万人にものぼるといいます。信号が変わると一斉に人が歩き出し、ぶつかることなく渡っていくというその光景は訪日外国人の目にはおもしろくうつるようで、以前から訪日外国人観光客向けの観光ツアーにスクランブル交差点が組み込まれているということもありました。
渋谷区観光協会は、これだけ多くの人が利用しているにもかかわらず人身事故が起きていないというのはそれこそが観光資源だと考え、スクランブル交差点にまつわる「ご当地お土産」をつくることにしました。
そして学生から寄せられた多くのアイデアの中から選ばれたのは、「渋谷御守」でした。この「渋谷御守」は表面にスクランブル交差点、裏面にハチ公像が描かれているお守りで、人身事故のない安全なスクランブル交差点にあやかり、交通事故はもちろん人間関係のもつれなど、さまざまな災難にぶつからない事をイメージしてデザインされたということです。
現在「渋谷御守」は「買えるAbemaTV社」で税込850円で販売しています。現在店頭での販売は行っていません。観光客向けのお土産としての位置付けであればネットではなく店頭での販売を行うことが望ましいですが、まだその予定は立っていないようです。
まとめ:「渋谷御守」で始動した渋谷の活性化施策、今後の方向性は?
この「渋谷御守」をきっかけとして、その後さらなる「渋谷のお土産」をつくるために有識者の会がもたれました。しかしやはり渋谷にはお土産のテーマやモチーフにできるような観光資源がないため、お土産ではなくイベントを強化することでそれを観光資源にしていくという結果になったようです。
そのために渋谷区観光協会は、まずパブリックスペースの有効活用を施策として行うということです。公共物の利用ということで法律による制限もあるようですが、街全体をエンターテインメント化して訪日外国人観光客をもてなすべく、取り組みを行っていくということです。
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- AbemaTIMES:1度の青信号で3000人が利用するも“人身事故はゼロ” スクランブル交差点から再起を図る渋谷のブランディング戦略
- 「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」一般財団法人 渋谷区観光協会
- 買えるAbemaTV社:渋谷区公認の新しいお土産 渋谷御守
- 渋谷センター街:センター街なんでもデータ
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査
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