訪日外国人はどんな手段で日本に関する情報を入手しているのでしょうか?観光庁の「訪日外国人消費動向調査」の2017年版によれば、「日本滞在中で最も役に立った情報源」を訪ねたところ、全訪日外国人のうち69.9%が「インターネット(スマートフォン)」と回答したといいます。この値は、近年急上昇しており、スマホに対応したウェブサイトを作ることは観光業にとっての必須事項となってきました。
しかしながら、訪日外国人を呼び込むウェブサイトをどうやって作ったら良いのか?システム要件はなんなのか?など、わかりやすいガイドラインがないのが現状でした。
この状況を打開しようとJNTO(日本政府観光局)が動きました。JNTOが運営する日本をPRする『英語グローバルウェブサイト』をスマホ対応するために抜本的に再構築。その際に得た知見を、自治体関係者や制作会社向けにマニュアルとして発表したのです。
そこで今回は、
- インバウンド対策の課題 訪日外国人に対応してい”ない”ウェブサイトとは?
- ウェブサイト制作マニュアルを参考に、課題を解決しよう
- まとめ
こちらの順でこのウェブサイト制作マニュアルをご紹介していきます。
インバウンド対策の第一歩 多言語対応を資料で詳しくみてみる- 「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「バイリンガル採用・派遣」を資料で詳しくみてみる
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1. インバウンド対策の課題 訪日観光客に対応していないウェブサイト
訪日ラボ読者のインバウンド担当者の中には、「自分のお店のウェブサイト、外国人には読んでもらえなさそう…。」と思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。困難に直面しているウェブサイトの多くには共通の課題があります。
インバウンド対応していないウェブサイトに足りないこととして、
- 多言語対応
- スマホ対応
の2点が主に挙げられます。
1-1. 多言語対応
多言語対応に関しては、まずは複数言語でなくても、英語から始めることが肝心です。英語対応のウェブサイト開設さえしていない、観光地や宿泊施設など訪日外国人が訪れうるスポットが多く見られます。
ここで大事なのが、英語への翻訳の正確さです。機械翻訳だけに頼ると、意図しない意味に翻訳されているケースも有り、逆に訪日外国人に混乱を招いたりクレームに発展しかねません。
1-2. スマホ対応
スマホ対応というのは、その言葉通り、スマホで見やすいウェブサイトになっているか、ということです。皆さんも、スマホで調べものをしている時に、パソコンのスクリーンサイズにしか対応していないサイトを開いてしまうと、小さなボタンや文字にイライラしたり、一行のテキストを見るのにも左右にスクロールしなければならず、見る気がなくなってしまうと思います。
このようなことが、観光地などのウェブサイトで起きてしまっており、せっかく素敵な場所があるのに、周知できていない現状があります。スマホ対応は大きな課題です。なお、パソコン版とスマホ版の基本的なデザインを共通のものにして、スクリーンサイズによって微調整するようなデザインをレスポンシブデザイン、といいます。
今回は以上2つの課題に絞り、観光庁のマニュアルではどんな方法が提案されているのかを少しご紹介したいと思います。
2. ウェブサイト政策マニュアルを参考に課題を解決しよう
2-1. 多言語対応に関してのマニュアル
今回、JNTOが英語版ウェブサイトを大改革した際に、英語に関して大前提としていたことは『英語が母国語のネイティブライターが英語で書いて、ネイティブが校閲する。』ということでした。そのため、編集体制として以下のことを徹底したといいます。
- 原稿執筆は英語を母国語とするネイティブライターが行い、日本語での情報収集サポートを日英バイリンガルの日本人スタッフが担当する。
- 英語を外国語として習得した外国人ライターは起用せず、国籍は問わずとも英語 を母国語とするライターであるかどうか、確実に確認してから起用する。
- 都道府県ごとに、現地在住または滞在経験のあるネイティブライターを起用する。とくに「歴史・文化」に関する執筆は専門知識が求められるので、「歴史・文化」の分野に精通したライターを起用するよう留意する。
- 事業者が事前にライティングスタイルガイド(編集ポリシー)を制作し、ライター 達と共有して書き方やトーンを統一する。さらに、ネイティブの校閲者か、執筆者とは別のネイティブライターが記事校閲を行い、コンテンツ全体でライティングスタイルを統一する。
- 最終的な原稿チェックは、英語を母国語とするネイティブのコンテンツ監修者が実施
要するに、「日本の魅力を、魅力的な文章で紹介するには、ネイティブじゃないと作れない」という、あたりまえかつ非常に難しい課題をJNTOは提示しています。例えば、Amazonなどで少々怪しげな商品を見つけた場合、日本語が不自然だと買う気は一気に失せるのではないでしょうか。
英語が母国語ではないライターの文章の場合、Amazonの例と同じようなことが、観光地へのインバウンド誘致のきっかけとなるブログやコンテンツで起こってしまうのです。
2-2. スマホ対応に関するマニュアル
観光局では急増するスマホユーザーに対応するために、スマホ対応とは何なのかを定義し、ウェブサイトを作っていきました。
- 「スマートフォン(モバイル端末)から使いやすいウェブサイト」とは 「一目見て分かりやすい」「情報量が適切」であることが重要。
- ディスプレイの表示領域が狭いスマホ端末をベースにしたレイアウト構成、開発要件を前提とする。
- モバイルからの閲覧が増える中、SEOだけに注力した文字ばかりのページは読み流される傾向があるので、説明文と合わせた関連イメージ写真が重要。
- 注意点としては、日本人の「常識的な感覚」を一度忘れて、「これを日本について全く知らない 外国人が見たらどう思うだろう?」という視点で検証・選定する。
言葉よりもビジュアルを重視して、ウェブサイトを構築していくことの重要性が説明されています。訪日外国人にとって魅力的な画像を選定するためにも、やはりここでもネイティブによる画像選定を推奨しています。画像選びに関しても、マニュアルに成功例、失敗例を含む実例集が9ページに渡って掲載されており、とてもわかりやすくなっています。
3. まとめ
他にも、ウェブサイトを実際に作り上げていく事業者の選定、実際の運用等、ウェブサイト制作のための多くのハウツーがこのマニュアルにぎっしり詰まっています。
今回、JNTOがウェブサイトを再構築しましたが、あくまでもそれは日本に訪日外国人を呼び込むための全国規模の大まかなサイトです。訪日外国人が実際に行きたい場所を調べたい時には、各地域・各施設のサイトに飛んで情報を得ることになります。どんな場所でも、訪日外国人に優しいウェブサイトを制作し、訪日観光客を様々なところに招致していきましょう。
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる 「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる 「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる<参考>
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