【独自調査】マレーシア人の60%以上が日本旅行に意欲あり:「日本旅行をしたい理由・したくない理由」から探る次のインバウンド需要とは?【マレーシア市場編】

【独自調査】マレーシア人の60%以上が日本旅行に意欲あり:「日本旅行をしたい理由・したくない理由」から探る次のインバウンド需要とは?【マレーシア市場編】

2018年の年間訪日外国人客数は3,000万人を超え、2020年に4,000万人という政府の目標も現実味を帯びてきています。東京オリンピックに向けて、さらなる訪日外国人の増加が予想されます。

しかしながら、次のステージ、すなわち「来てくれた訪日外国人をどうやってもてなすか、どうやって地方に流すか」から「どうやったら訪日旅行に興味がない外国人にも訪日需要を換気することができるのか」という潜在的訪日客の発掘のステージに進まなければ、ポスト東京オリンピックのインバウンドビジネスに対応するのは難しいでしょう。

そこで訪日ラボでは、訪日外国人向けの調査ではなく、各国で普通に暮らす外国人を「潜在的訪日客」ととらえ、その訪日需要に関する調査を定期的に行います。調査にあたっては、世界80か国4,000万人の調査回答者へのアクセスを有し、海外リサーチに特化したソリューションを提供するSyno Japan株式会社に協力いただきました。早速見ていきましょう。


「日本旅行をしたい理由・したくない理由」から探る次のインバウンド需要【マレーシア編】調査概要

今回の調査にあたっては、マレーシアを対象にインターネット調査を実施しました。

質問項目は、「あなたにとって、日本は観光目的の旅行先になるか」を訪ね、はい・いいえの回答に従ってそれぞれの理由を選択形式で訪ねています。これによって、マレーシア市場における「訪日需要喚起ポイント」「何がボトルネックになっているのか」を探ります。

今回の調査では、以下のことがわかりました。

  • マレーシア市場における「潜在的訪日客」はすでに63%いる。高所得者層ほど訪日意欲が高い傾向。
  • マレーシア市場では自然や歴史体験など、いわゆる「コト消費」コンテンツの需要が高い。高所得者層ほどその傾向が強い。
  • マレーシア市場における訪日需要喚起のボトルネックは「高そう」というイメージ。一方で「為替的に今はお得じゃないから」訪日しないという人も一定数いる。

では調査結果を見ていきましょう。

「潜在的訪日客」は6割超

日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答
日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答

  • 質問
    • 日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答
  • 回答
    • 興味がある・行く・行きたい:63.23%
    • 興味があるが、行きたくない:32.34%
    • 日本への旅行に興味がない:4.44%

日本が観光目的の旅行先になるかどうかを質問したところ、マレーシア人の63%が「訪日旅行に興味がある・行く・行きたい」と回答しました。

アメリカでも同様の調査を行ったのですが、アメリカでは「興味がない」という人は33.65%いました。しかしマレーシアでは4.44%です。同じアジア圏ということもあり、マレーシアでの訪日旅行の認知度はかなり高いということがわかります。

高所得者層ほど訪日意欲は高い

日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答 年収別集計
日本は「観光目的の旅行先」になるか、あなたの考え方をお聞かせ下さい。※単一回答 年収別集計

さらにこの項目を年収別に集計しました。マレーシアの物価は日本の3分の2程度、さらに大卒の平均給与が年間3~4万リンギット(80~105 万円相当)であることから、ここでは年収5万リンギット(約130万円)以上を高所得者層としました。

マレーシアの高所得者層は、「訪日旅行に興味がある・行く・行きたい」が73.18%となっており、高所得者層のほうがより訪日意欲が高いことがわかります。

需要の中心は「コト消費」

日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答

  • 質問
    • 日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
  • 回答(上位5項目を抜粋)
    • 自然・景勝地観光:72.06%
    • 日本の歴史・伝統文化体験:61.89%
    • 繁華街の街歩き:51.29%
    • テーマパーク・遊園地(ディズニーやUSJ等):46.13%
    • サービスの質がいいから:42.84%

「訪日旅行に興味がある・行く・行きたい」と答えた人に対しその理由を問うと、上位にランクインしたのはすべて「自然・景勝地観光」や「日本の歴史・伝統文化体験」などの「コト消費」コンテンツでした。

台湾でも同様の調査<←リンクをはる>を行ったのですが、台湾では「自然・景勝地観光」「日本食や日本酒」に続き「買い物」が62.22%で3位に入りました。同じアジア圏とはいえかなりニーズに差があるようです。

また、「自由回答」の項目ではVFR(=Visiting Friends and Relatives,知人友人の訪問)を目的として訪日旅行をしたいという声もみられました。

高所得者・富裕層ほど興味が多岐に渡る

日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計
日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計

同じ項目をさきほどと同様に年収別で集計してみると、高所得者層は「その他」を除いたすべての項目で年収5万リンギット(約130万円)以下の数値を上回り、「コト消費」から「買い物」まで幅広く高い数値を示しました。

マレーシア市場では、高所得者層ほどさまざまな需要があることがわかります。

「訪日旅行したくない」理由トップは”高そうだから”/為替も影響大?

日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答
日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答

  • 質問
    • 日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答
  • 回答(上位5項目を抜粋)
    • 高そうだから:47.54%
    • 為替的に今はお得じゃないから:36.70%
    • 海外旅行に行くつもりがない:23.15%
    • 一緒に行ってくれる人がいないから:17.49%
    • 行くのが遠いから:16.50%

訪日意欲を問う最初の設問に対して「興味があるが、行きたくない」「日本への旅行に興味がない」などネガティブな回答をした人に対し、その理由を問うと「高そうだから」や「為替的に今はお得じゃないから」が上位になりました。

特に注目すべきなのは2位の「為替的に今はお得じゃないから」という項目です。

アメリカ・台湾<←リンクをはる>で行った同様の調査と比べると、「高そうだから」はどの調査でも1位ですが、今回の調査で36.70%だった「為替的に今はお得じゃないから」は、アメリカの調査では0.62%、台湾の調査<←リンクをはる>では4.84%かなり差があることがわかります。

「為替的に今はお得じゃないから」訪日しないという人に関しては、為替の変動しだいで訪日する可能性が出てきます。こればかりは努力で変えることはできませんが、このように有力な「潜在的訪日客」も一定数いるということを知っておくことは重要です。

高所得者層でもトップは”高そうだから”

日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答 年収別集計
日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」「興味がない」と思う理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答 年収別集計

この項目も年収別に集計してみると、意外にも「高そう」というイメージをもっている人は年収の多い少ないにかかわらずいることがわかります。

前にも述べた通り日本はマレーシアより物価が高く、日本に比べマレーシアは平均年収もかなり低いです。マレーシアは新興国として経済発展を続けていますが、やはりまだ世界標準には追いついていません。日本より物価の安い国の人にとっては、実際に訪日旅行は「高い」です。

物価を安くするということはできませんが、免税カウンターを整備するなどし、費用をおさえながら旅行ができるような工夫をすることが必要です。

まとめ:

今回行ったマレーシアへの調査では、高所得者層ほど訪日意欲が高いということ、また物価の違いや年収の差から訪日旅行を「高そう」と感じている人がかなりいるということがわかりました。

一般的なマレーシアの人々にとって訪日旅行が「高い」のは事実なので、できるだけ安く旅行をしてもらえるように整備をすることが必要です。

2020年の東京オリンピックに向けてあと1,000万人訪日客を増やすためには、今までに訪日旅行をしたことがある人にアプローチするだけでは不十分です。これからはこういった「潜在的訪日客」にもしっかりと目を向けることが重要です。



<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ×Syno Japan株式会社

訪日ラボ×Syno Japan株式会社

訪日ラボと海外リサーチに特化したソリューションを提供するSyno Japan株式会社がタッグ。Syno Japan株式会社では、世界80か国4,000万人の調査回答者へのアクセスを有し、海外のインサイトを客観的に理解するニーズに対応します。