「インバウンド」と一言でくくれないインバウンド消費
一年のうちに最もインバウンド消費が盛り上がる時期の一つ「春節」が昨日2月11日に終わりました。今年の春節は、前回お伝えした「電子商務法(通称:電商法)」(リンク: http://diamond-rm.net/serial/26252/ )の影響が小売店などで見られ、今後は、より「コト消費」のトレンドを強化していくことが課題になるでしょう。
とはいえ、現状のインバウンドで大きな比率を占めるのは「モノ消費」であることは事実です。仮にインバウンド消費すべてが「コト消費」になったとしても、「モノ消費」のトレンドの研究は今後に活きてきます。
さて、インバウンド消費、特に「モノ消費」の分析については、国籍ごとの文脈による分析はよくされていますが、場所(日本の観光地)ごとの分析はあまり見かけません。では、場所によって消費動向に違いはあるのでしょうか?「モノ消費」最前線の大阪vs東京で「購買興味データ」から消費行動を比べてみましょう。
※「購買興味データ」とはバーコードをかざすと多言語商品情報を表示するアプリ「Payke」を通じたスキャンに関するデータで、これによって購買直前の消費者の動きやプロセスを知ることができます。
夜の大阪・昼の東京
まずはインバウンド消費行動が活発になる時間帯を比較してみます。【図1】は大阪と東京のドラッグストアに設置された「Paykeタブレット」のスキャン数の推移を示したものです。

これを見ても明らかなように、東京は昼の時間帯が消費行動のピークを迎え、大阪は21時に向けて徐々に盛り上がっていく様子が見られます。
大阪がナイトタイムエコノミーに力を入れていることは訪日ラボでも触れてきました(リンク: https://honichi.com/news/2018/04/09/whyosakamaster/ )が、その成果が如実に感じられる数字となっています。
薬の大阪・美の東京
次は人気の商品に違いがあるのか見てみましょう。【図2】は、大阪のスキャン数TOP10と東京のTOP10の一覧です。

全体を眺めてみると、インバウンドの「常連」がランクインしていますが、カテゴリでみてみると、大阪と東京で違いが見られます。
図表では医薬品系を青に、美容系をピンクに塗り分けていますが、明らかに大阪は医薬品の比率が高いことがわかります。東京も医薬品人気は高いものの、美容・ヘルスケア系のランクイン割合が高いです。
薬の中国・美の韓国
さらに国籍ごとに見てみましょう。今回は「モノ消費」の主要顧客として中国(簡体字)【図3】、美容へのアンテナが高い韓国【図4】を比較してみます。


中国の場合、意外にも東京・大阪ともに美容系の需要は、相対的にあまり高くないようです。全体的に医薬品系のランクインが目立つほか、東京では食品系の人気が高い様子が見られます。
一方で韓国は下馬評通り、美容系の人気が高いことがわかります。また、全国籍での分析のように、医薬品の大阪・美の東京のトレンドもわずかながらに見える結果に。
訪日ラボで何度も訴えかけているように、まずはインバウンド全体を知ること、そのなかで自社の商材や目標とする数字にフィットするターゲット国籍を選定すること、そして、そのターゲットの国籍を分析することは非常に大切です。そこに、今回ご紹介したように、自社のエリアに来たターゲットがどういう消費モチベーションを持っているか?を分析すると、もう一歩先のインバウンド対策を実施できるでしょう。
データ提供:Payke
「Payke」は、世界中どこにでもある商品の「バーコード」にスマホをかざすだけで、商品のあらゆる情報を、 利用者の母国語で閲覧できるアプリです。「Payke」があれば、これまで外国人に伝えることができなかった私たち、 日本の魅力を正確に届けることができるようになります。
Paykeのインバウンドソリューションを資料で詳しくみてみる
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
【9/18開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.3 〜ホテル内レストランのお悩み解決編〜
今回は「ホテル内レストランのお悩み解決編」として、レストランの認知向上と衝動来店につなげるためのGoogleマップ活用法を解説します。
ホテル内レストランでは、
- 「宿泊者以外の集客が難しい」
- 「メディアや広告に頼らざるを得ない」
といった課題の声を多く耳にします。
宿泊者以外の利用を広げていくためには、レストランを利用者が見つけやすくし、検索から来店までの導線を整えることが重要です。
本セミナーでは、宿泊業界のデジタルマーケティングに特化したキャリアを持つエキスパートの徳永が、Googleマップを活用してお客様の衝動来店を促すための実践的なポイントをわかりやすくご紹介します。
<セミナーのポイント>
- ホテル内レストランが取り組むべき課題を整理できる!
- “衝動来店”を促すGoogleマップの実践的な工夫が学べる!
-
宿泊業界のデジタルマーケティングに精通したエキスパートに直接質問できる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→【9/18開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.3 〜ホテル内レストランのお悩み解決編〜
訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!
訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。
参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年9月前編】PayPayが中国「WeChat Pay」と連携 / 観光庁予算要求814億円、人手不足対策などの予算増 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に9月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→PayPayが中国「WeChat Pay」と連携 / 観光庁予算要求814億円、人手不足対策などの予算増 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年9月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!