【独自調査】アメリカ人の約8割が「観戦する」と回答:東京オリンピックは本当に訪日客誘致できる?意識調査実施【アメリカ編】

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。

観光庁によると、2018年の年間訪日外国人客数は3,000万人を超え、過去最高を記録しました。

政府の目標は「2020年に年間4,000万人」ですが、この数値の根拠のひとつに東京オリンピックの開催」があることは間違いありません。目標達成に向け、東京オリンピック"訪日客誘致力"への期待は徐々に高まっています。

しかし、実際に東京オリンピックはどれほどの訪日客を誘致することができるのでしょうか。

そこで訪日ラボでは「東京オリンピックの"誘致力"」を探るため、他国における東京オリンピックへの意識調査を行いました。調査にあたっては、世界80か国4,000万人の調査回答者へのアクセスを有し、海外リサーチに特化したソリューションを提供するSyno Japan株式会社に協力いただきました。早速見ていきましょう。


インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

東京オリンピックへの意識調査【アメリカ編】調査概要

今回の調査にあたっては、アメリカを対象にインターネット調査を実施しました。

調査ではまずはじめに「次のオリンピックが東京で開催されることを知っていたか」「東京オリンピックをどのように観戦しようと思っているか」を尋ね、はい・いいえの回答に従ってそれぞれの理由を選択形式で尋ねました。これによって、「アメリカにおける現時点での東京オリンピックの知名度」「東京オリンピックはアメリカ人誘致にどれほど効果があるのか」を探ります。

今回の調査では、

  • アメリカでの東京オリンピックの認知度は44%。開催がすでに来年であることを考えると低めの数値。高所得者層のほうが認知度は高い。
  • アメリカ人の約8割がなんらかの方法で東京オリンピックを観戦すると回答。オリンピック期間中やその前後の国際的注目度はかなり高まると予想される。
  • アメリカ人のうち「日本に行って東京オリンピックを観戦する」と回答した人は4%ほど。数字だと少ないが母数を考えるとかなり多いのではないか。

ということがわかりました。では調査結果を見ていきましょう。

過半数「次の五輪は東京」知らなかった

次のオリンピックが東京で開催されることを知っていましたか? ※単一回答
次のオリンピックが東京で開催されることを知っていましたか? ※単一回答
  • 質問
    • 次のオリンピックが東京で開催されることを知っていましたか? ※単一回答
  • 回答
    • 知らなかった:55.56%
    • 知っていた:44.44%

次のオリンピックが東京で開催されることを知っていたかどうかを尋ねると、アメリカ人の55.56%が「知らなかった」と回答しました。

日本国内ではすでにCMやポスターなどで広く宣伝されていますが、アメリカでの知名度はまだ芳しくないようです。開催が近づくにつれて認知度は上がっていくと考えられますが、現時点ではこのような状況です。

高所得者層のほうが認知度高い

次のオリンピックが東京で開催されることを知っていましたか? ※単一回答 年収別集計
次のオリンピックが東京で開催されることを知っていましたか? ※単一回答 年収別集計

同じ項目を年収別に集計してみると、年収10万ドル(約1,100万円)以上の高所得者層のほうが東京オリンピックの認知度が高いことがわかりました。

8割が東京オリンピックを見る

東京オリンピックをどのように観戦しようと思っていますか?あなたの考えをお聞かせください。※単一回答
東京オリンピックをどのように観戦しようと思っていますか?あなたの考えをお聞かせください。※単一回答
  • 質問
    • 東京オリンピックをどのように観戦しようと思っていますか?あなたの考えをお聞かせください。※単一回答
  • 回答
    • テレビで観戦する(自国で):74.44%
    • 日本に行って観戦する:4.33%
    • 観戦しない:21.24%

東京オリンピックの観戦の仕方について尋ねたところ、「テレビで観戦する(自国で)」が4分の3を占め、圧倒的に多い結果となりました。

しかし「日本に行って観戦する」も4%おり、仮にアメリカの人口の4%が東京オリンピック期間中に日本を訪れるとするとかなりの数になります。2017年に日本を訪れたアメリカ人は137万人でしたが、2020年にはその数値を大きく超える可能性も出てきます。

また、訪日する・しないにかかわらず、アメリカ人の約8割が「東京オリンピックを観戦する」としています。東京オリンピック期間中やその前後は、日本の国際的注目度が非常に高まることが予想されます。

9割近くが「観戦する」高所得者層のほうが関心高い

東京オリンピックをどのように観戦しようと思っていますか?あなたの考えをお聞かせください。※単一回答 年収別集計
東京オリンピックをどのように観戦しようと思っていますか?あなたの考えをお聞かせください。※単一回答 年収別集計
同じ項目を年収別に集計してみると、高所得者層のほうが「テレビで観戦する(自国で)」「日本に行って観戦する」と答えた割合が大きいという結果になりました。
「観戦しない」の割合は10%もの差があります。前の「次のオリンピックが東京で開催されることを知っていたか」という質問に対しても高所得者層のほうが認知度が高く、傾向としては高所得者層のほうが東京オリンピックへの関心が高いということがいえます。

「自国で観戦する」理由トップは"高そうだから"

日本に行かず東京オリンピックを自国で観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
日本に行かず東京オリンピックを自国で観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
  • 質問
    • 日本に行かず東京オリンピックを自国で観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
  • 回答(上位3項目を抜粋)
    • 高そうだから:48.75%
    • テレビかネットで見るだけで十分だから:41.08%
    • 行くのが遠いから:37.91%

東京オリンピックの観戦方法について「テレビで観戦する(自国で)」を回答した人に対しその理由を尋ねたところ、「高そうだから」がトップになりました。以下、「テレビかネットで見るだけで十分だから」「行くのが遠いから」が高い割合を占めています。

また、自由回答欄では「お金がない」「日本に旅行できるほどお金に余裕がない」という回答が多くみられました。「日本に行きたい」というニーズはあるものの、やはり費用がネックになっているようです。

高所得者層も"高そうだから"

日本に行かず東京オリンピックを自国で観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計
日本に行かず東京オリンピックを自国で観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計

先ほどと同様に年収別に集計してみると、年収にかかわらず「高そうだから」がトップになりました。

高所得者層で比較的多かったのが「五輪開催中は混んでいそう(他の時期に行きたい)」という回答で、このことからは混んでいる時期を避けゆったりと旅行したいというニーズがあると考えられます。

"毎回観戦しに行っている"がトップ

日本に行って観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
日本に行って観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
  • 質問
    • 日本に行って観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答
  • 回答(上位3項目を抜粋)
    • 毎回オリンピックのときには観戦に行っているから:43.18%
    • 今回は現地で観戦・応援したいから:38.64%
    • 日本に興味がありこの機会に行きたいと思ったから:38.64%

東京オリンピックの観戦方法について「日本に行って観戦する」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「毎回オリンピックのときには観戦に行っているから」がトップになりました。

一方で「日本に興味がありこの機会に行きたいと思ったから」と回答した人も4割近くおり、東京オリンピック開催は「日本に興味をもつ層が訪日するきっかけ」になっていると考えられます。

「日本で観戦する」高所得者層"もともと日本に興味"がトップ

日本に行って観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計
日本に行って観戦する理由は何ですか?当てはまるもの全てお答えください。※複数回答 年収別集計
この項目も年収別に集計してみると、高所得者層では「日本に興味がありこの機会に行きたいと思ったから」がトップになりました。「毎回オリンピックのときには観戦に行っている」という根強いオリンピックファンもいるようで、高所得者層ではこの2つが主要な理由です。

一方「選手・スタッフ・プレスなど関係者や仕事として行く予定だから」が、年収10万ドル(約1,100万円)未満の層では0%なのに対し、高所得者層では22%いるというのも特徴的です。

「観戦しない」理由トップは"興味がないから"

東京オリンピックを観戦しない理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答
東京オリンピックを観戦しない理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答
  • 質問
    • 東京オリンピックを観戦しない理由は何ですか?当てはまるものをお答えください。※単一回答
  • 回答(上位3項目を抜粋)
    • スポーツ観戦に興味がないから:56.02%
    • スポーツ観戦は好きだがオリンピックには興味がないから:17.13%
    • テレビで見ると時差が大きいから(起きられない):8.33%
最後に、「東京オリンピックを観戦しない」と回答した人に対しその理由を尋ねると、「スポーツ観戦に興味がないから」が圧倒的に多いという結果になりました。

まとめ:

東京オリンピックを観戦するために日本を訪れる」と回答したアメリカ人は4%ほどで、これでもかなり多いと考えられますが、さらに「テレビで観戦する」と回答した人を合わせると8割ほどになります。

東京オリンピック期間中やその前後でどれだけ外国人観光客が訪日するのかということももちろん重要ですが、一方で東京オリンピック開催に伴い期待されているのが「国際的注目度」の上昇です。8割のアメリカ人に注目されるというだけでもかなりのものでしょう。

政府は東京オリンピック後も見据え、2030年に訪日外国人客数6,000万人という目標を立てています。東京オリンピックの「国際的注目度」をうまく利用してPRできれば、"ポスト"東京オリンピックインバウンド増加も期待できます。


<参照>

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

【初心者向け&学び直しに】インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ


インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が登壇する、「インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ」と題したセミナーを開催します。

新しくインバウンド事業の担当になった方や、改めてインバウンドについて学び直したいという方におすすめ!ランチタイムの30分間で、サクッと学べるセミナーとなっております。

<本セミナーのポイント>

  • インバウンドのトレンド把握に役立つデータや情報がわかる!
  • インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」を運営する副編集長 石橋が登壇!
  • ランチタイムの30分間でサクッと学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。
【初心者向け&学び直しに】インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ×Syno Japan株式会社

訪日ラボ×Syno Japan株式会社

訪日ラボと海外リサーチに特化したソリューションを提供するSyno Japan株式会社がタッグ。Syno Japan株式会社では、世界80か国4,000万人の調査回答者へのアクセスを有し、海外のインサイトを客観的に理解するニーズに対応します。

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに