訪日外国人による消費動向において、モノ消費からコト消費への移行がここ数年でより顕著になってきていますが、訪日韓国人の間で特に人気の高いコト消費が「温泉」です。
「ヒーリング」という言葉が2-3年前に韓国で大流行し、当時から急速に高まっていた海外旅行への興味とヒーリング人気が合い重なり、日本の地方の温泉地・温泉旅館に泊まる韓国人が九州地方を中心に、過去数年で急激に増えているのです。
また、一人当たりの消費額が比較的低いと言われる訪日韓国人ですが、温泉旅館に泊まる多くの韓国人旅行者層(30-40代女性)は、都市部へ訪れる若い韓国人旅行者層より、高額所得者が3割〜7割※多いということをご存知でしょうか。(※2019年 ワイダープラネット調べ)
![▲[韓国人旅行客における温泉、リゾートに対する興味関心層] (ワイダープラネット調べ)共にアラフォーの女性の興味関心が特に高い。 ▲[韓国人旅行客における温泉、リゾートに対する興味関心層] (ワイダープラネット調べ)共にアラフォーの女性の興味関心が特に高い。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/1383/main_image1.png?auto=format)
上記の表は、温泉やリゾートに対する興味関心層ですが、日本の温泉を検索している韓国人は30-40代の女性が特に多く、この世代の韓国人女性は、女子友や恋人との旅行だけでなく、家族や両親と一緒など、さまざまな旅行形態でヒーリングを求めて日本の温泉にやってきます。
韓国人の30-40代の女性は経済的に余裕があるだけでなく、SNSなどにおける影響力も非常に大きく、この層にアピールし温泉や食事、宿泊などを体験してもらうことで、更なる波及効果が期待できると言えます。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
訪日韓国人に人気の温泉地は?圧倒的に九州が人気
訪日韓国人の中でも特に温泉に行く傾向が高い30-40代の女性と、これらの女性を中心とした子供もしくは両親の家族連れはどの温泉に行っているのでしょうか?以下は訪日韓国人に特に人気の高い日本の温泉地5選です。
- 湯布院温泉(大分)
- 黒川温泉(熊本)
- 別府温泉(大分)
- 登別温泉(北海道)
- 有馬温泉(兵庫)
1〜3は訪日韓国人が多く訪れる九州地方にあるということで特に人気が高くなっています。とりわけ湯布院と黒川温泉は、訪日韓国人が日本の温泉に対して抱いている温泉地(韓国語でオンチョンマウル=温泉村)の風景や温泉に浸かってのんびりしている姿のセルフィー(自撮り)がインスタ映えすることもあり、温泉地の風情を楽しむこともヒーリング体験として人気が高くなっています。訪日韓国人の間で近年人気が高まっている北海道では、登別が人気の高い温泉地となっています。
また、ここ最近では、佐賀や愛媛など航空路線の開通によって訪日韓国人が増加しているエリアでの温泉人気が高まっています。
温泉地に向かう韓国人は温泉以外に何を探し求めているのか?
訪日韓国人による検索データやSNS投稿データ等を見ると、温泉地への関連キーワードは下記の通り、旅館での食事、それから温泉地周辺にある美味しいお店や地元のグルメなど、我々日本人が温泉地への旅行で重要視しているポイントと重なります。
- 懐石料理、食事
- 地元のグルメ&スイーツ、美味しいお店
- 付近の観光名所
温泉地に向かう訪日韓国人に対する最適なオンラインプロモーションとは?
温泉やリゾートにやってくる訪日韓国人は特別な季節・期間を問わず、やって来るので、プロモーションのタイミングは特に問いません。ただし、特定の温泉地やリゾート、施設などをプロモーションする場合、特別割引や特典、キャンペーンなどを提案することがおすすめです。
プロモーション設計
温泉地やリゾート地に関連するキャンペーンで重要なのはターゲットの設定です。ターゲット層に対してきちんとリーチできること、興味関心層に再リーチできることが最も重要な鍵となります。
1. 目的とKPIの設定
認知向上(ブランディング)、もしくはオンライン予約などの獲得目標を設定します。広告からの飛び先(ランディングページ)や予約フォームなどは韓国語で用意する必要があるでしょう。
2. ターゲット層の選定
リピーターと新規見込み客を別々にターゲティングして、それぞれに合ったキャンペーンを展開することが望ましいです。
3. リピーター
日本の温泉・リゾートに来たことがある人、日本の温泉地やリゾート地に興味がある人
4. 新規顧客
ヒーリング旅行、韓国国内の温泉地などに行ったことがある、日本旅行への興味、スキーやマリンスポーツへの興味など。リゾート地のプロモーションなら、韓国人に人気のリゾート地である済州島やグアム、ベトナムを調べている人もターゲットに含めるとより効果的です。
また、ユーザーデータの分析によって、類似ユーザーをデータから推定し潜在層を拡大することも可能です。
まとめ
このようにして、旅行計画中または訪日予定の最適なオーディエンス層と潜在層に幅広くリーチして、それぞれのターゲット層に合わせたキャンペーンを訴求することで集客効果をより高めることが可能になります。
日本の温泉やリゾートは地方再生に最適であり、これからさらに集客が期待できるコンテンツです。データ分析によって対象となる顧客層に正しくリーチすることが、より多くの訪日韓国人への訴求につながる鍵となるでしょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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