フランス・コルマールで毎年開催されている、SITV COLMAR(Salon International du Tourisme et des Voyages Colmar)は、今年で34回目を迎え、観光系の見本市として5本の指に入る大規模な見本市です。12,500 m²あるコルマール・パルク・エキスポ内の4ホールを使用し、14のテーマに分かれて開催されます。
2017年度の出展者は378ブースで、来場者は延べ23,238人となりました。今年の開催は2018年11月8日~11日の3日間で、28,000人の来場者を見込んでいます。入場料も事前購入で5,50€(当日券は6,50€)とお手頃なので、フランス人だけではなく、近隣のドイツやスイスからも来場者が訪れます。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
SITV2018の招待国はアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ

「SITV2018」では毎年招待国があり、その招待国も来場者数を左右する一要素となっています。2014年の招待国は日本でしたが、来場者数は過去5年間で一番多い、30,161人という報告がありました。
毎年招待国は注目されますが、今年はカリフォルニア州のサンフランシスコでした。サンフランシスコ関連の食べ物や文化のブース、カンファレンスも開催されるなど、盛り上がりを見せました。また、フードブースでは蟹やブリトーなどを扱う企業が出展していました。

SITV2018はテーマ毎に4ホールに分かれ、来場者の興味を引く

SITV2018では14のテーマがあり、それぞれのテーマ毎に4ホールに分かれて出展していました。
ホール1は、アルザスを中心とした現在「グランエスト(Grand Est)」と呼ばれる地域がテーマ。地元の旅行や観光関係の出展者が多く、賑わっていました。地元のお菓子やワインなどの出展もありましたが、地場産の商品は見本市でなくても手に入るため、遠方の商品の方が人気なようでした。
ホール2は、アジアやアフリカ、南米などの各国の観光庁や旅行業界、トレッキングなどのアクティビティ系の企業が出展していました。トレッキング用具を試すこともでき、子供たちも楽しそうに用具で遊んでいる様子も見受けられました。
ホール3は、フランスから気軽に行けるドイツやオーストリア、スイスからの企業と、健康や山登りをテーマにした企業が出展していました。アルザス地方は山が多く、山登りやトレッキングが人気なため、ホール3には多くの来場者が集まっていました。
ホール4は、招待国のサンフランシスコ関連のブースがメインで出展していました。


SITV2018日本ブースの歌舞伎や着物などのデモンストレーションには多くの来場者が興味津々

今年で日仏交流160周年ということもあり、パリを中心に多くの日本関連イベントが開催されていましたが、SITV2018も同様に様々なイベントが開催されました。
その中でも注目されていたのが、「岩手県の漆塗り」と「着物デザイナーのトミタ・ノブアキ氏による着物文化の紹介イベント」でした。デモンストレーション系のイベントは現地の方の関心も高いようで、多くの人が集まっていました。他には歌舞伎など、目を引くイベントも人気でした。
対して、日本からの商品販売は注目を集めていましたが、高価なため、販売数は伸びていないようでした。特に日本の伝統工芸は、まだまだ認知度が低いこともあり、値段に見合った価値を見出せていない方も多くいました。そのため、イベント内で制作過程などを紹介できるといいかもしれません。


日本との関係の深いアルザス。SITV2018には多くの日本企業が出展

以前より、相互関係を築いてきた日本とアルザスですが、SITV2014で日本が招待国になった際「日本-アルザス友好150周年」事業の一環として、多くの経済協定や自治体間の姉妹協定などが結ばれ、話題を集めました。それ以降、多くの関連企業や地域がSITVに出展するようになり、来場者も日本への関心も高く、訪日経験のある方も多い印象です。
今回はJNTOのブースを筆頭に岐阜県/飛騨高山、東北、岩手県、新潟県、そしてDestination Japanなどが出展していました。JNTOの方によると、「SITV2018は来場者も多く、日本に興味を持ってくれる方も多いので、毎年出展しています。毎年JNTOブースにある日本関係の資料や各地方のパンフレットも人気が高いです。」とのことでした。

地元の日本関連のお店とタイアップして、共に出展することは、お店のファンの方の来場が見込まれたり、日本から持ってきた商品をイベント終了後も引き取ってもらえたりと、利点があるようです。

岩手県のブースでは日本酒の販売も行っていました。スタッフの中には、現地在住日本人や日本語学習者のフランス人なども多く、現地の方々の協力を得ながら運営しているようでした。
フランスでは、日本食の人気が高く、日本酒も以前に比べると認知度が上がっているようです。しかし、「SAKE=アルコール度の強い酒」という印象があるらしく、中国のお酒と混同している方もいました。
まとめ:SITV2018は親日のアルザス地方ならではの魅力的なイベント
現在フランスでは、日本関連のイベントが大小合わせて100以上開催されています。イベントの多くは日本のポップカルチャーをメインな、年齢層も若いですがSITVに関しては年齢層が高めでした。
リタイア後の旅行先を探す人や、訪日経験はあるが、行ったことのない場所に行ってみたい人など、実際に訪日旅行を検討している人が多い印象でした。次回以降、出展を考えている方は年齢層を上げたPRの手法の検討も重要になってくるでしょう。
SITV COLMAR2018イベント情報
イベント名: Salon International du Tourisme et des Voyages 2018
開催国・都市: フランス、コルマール
開催日:2018年11月8日~11日
会場:Parc des Espositions
対象: 一般消費者
来場者数:23,238人(2017年実績)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!